2010年5月4日火曜日

(4月28日-3)FOMC予想通り

米国で金融政策が発表された。以下には日経新聞が掲載した要約を掲載する。

Release Date: April 28, 2010
For immediate release
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20100428a.htm

【日経新聞】
景気は強まり労働市場は改善 FOMC声明要旨
2010/4/29 23:49
http://www.nikkei.com/news/interview/article/g=96958A9C9381959CE0EBE2E2E58DE0EBE2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E3;p=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2;o=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2

前回3月のFOMC会合の後、景気は強まり続け、労働市場は改善し始めている。家計支出の伸びは最近高まってきたが、高失業率や緩やかな収入の伸び、住宅価格の下落、貸し渋りの影響でその勢いは抑えられたままである。産業界では設備やソフトウェアへの投資は著しく伸びてきている。ただ、非住宅部門の建築投資は減少しており、企業も依然として新規雇用には消極的だ。住宅着工はじわじわと上昇してきているが、低く落ち込んだ水準にとどまっている。銀行貸し出しは縮小し続けているが、金融市場は経済成長を支えられる状態を維持している。景気回復のペースは当面緩やかである可能性が高いが、物価が安定した状態で、資源活用はより高いレベルに緩やかに回復していくだろうと予測している。

 経済資源の余剰が相当量なためコスト増の圧力は引き続き弱められ、長期的インフレ期待も安定しているため、インフレはしばらくの間抑えられたままだろうと予想している。

 今回の会合ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.0~0.25%に維持すると決めた。低いレベルの資源活用、抑えられたインフレ傾向、安定したインフレ期待などの景気状況から、FF金利は今後も長期間、例外的に低い水準とすることが正当化される可能性が高い。FOMCは景気見通しや金融市場の状態を引き続き監視し、景気回復や物価安定化を促進するのに必要なら政策手段を使う予定である。

 金融市場の機能が改善したことから、米連邦準備理事会(FRB)は金融危機の際に市場を支援するために実施した特別な流動性供給策を、一つを除いてすべて終了した。唯一残っているターム物資産担保証券貸出制度(TALF)で新規発行の商業用不動産ローン担保証券を対象とするものは6月30日に終了の予定だ。

 決定はバーナンキ議長、ダドリー副議長を含む9人のメンバーの賛成による。ホーニッグ・カンザスシティー連銀総裁は反対票を投じた。FF金利が今後も長期間、例外的に低い水準の見込みとの表現を続けるのは、金融の不均衡を拡大し長期的なマクロ経済と金融安定化への危険を増やしかねないためもはや正当化し得ないとともに、FOMCが徐々に金利を上げ始める際の柔軟性を制限するとの理由による。

今回の声明文で注目されていた点は、

「The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period.」(今回の会合ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.0~0.25%に維持すると決めた。低いレベルの資源活用、抑えられたインフレ傾向、安定したインフレ期待などの景気状況から、FF金利は今後も長期間、例外的に低い水準とすることが正当化される可能性が高い。)

という部分の中の「for an extended period」(長期間)という低金利の約束期間を表現した文言に変化があるかということだった。ただし、この文言については変化は無いだろうと言うコンセンサス、報道が相次いでいたので、特にこの部分はサプライズ無しであった。他方で、FRBの膨れ上がったバランスシートを圧縮するために、リバースレポなどの資金吸収手段を活発化させてくるのではないかという思惑も徐々に出てきている。

ただ、米国の住宅価格などの資産市場や金融機関の預貸差の拡大、物価上昇率の鈍化などの状況を見てみると、なかなか金融緩和の解除を止める条件がそろうまでには、まだまだ時間がかかりそうである。

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