2010年5月4日火曜日

(4月23日-2)ワシントンG20

G20財務相中央銀行総裁会議が開催された。注目はギリシャ支援と人民元であったが、ギリシャ問題は同日の金融支援要請に注目が集まり、人民元については中国の立場を尊重してそれほど深くは語られなかったようだ。

20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)
[2010年4月23日 於:米国・ワシントン]
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/g20_220423.htm

昨年9月24・25日のピッツバーグサミット、11月6・7日のG20で提示された改革スケジュールに基づき、金融危機からの最終的な出口を目指したスケジュールを引き続き遂行していくことが発表された。具体的なスケジュールについてはセントアンドリュースG20の声明文がまとまっている。

20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)
[2009年11月6-7日 於:英国・セントアンドリュース]
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/g20_211108.htm

首脳声明 ピッツバーグ サミット (仮訳)
平成21年9月24日、25日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/g20/0909_seimei_ka.html

今回のG20では「我々は、2010年6月のサミットにおいて我々の首脳が検討するための、最初の政策オプションを作成する。」との文言が既述されており、各種報道によれば銀行課税について議論を取りまとめようと言う動きがあったようだ。金融問題を経験した米国や英国が同施策について前向きなのに対し、金融危機に際して金融問題がそれほど深刻でなかったカナダや日本は消極的だといえる。日本は2000年のITバブル崩壊以降の金融危機ですでに政府が危機を負担し、預金保険料率の引き上げなど取りうる手段は既に実施している。不良債権処理に伴う処理費用の税控除の繰り延べなど、様々な施策を実施して、ここで銀行課税を行うと、銀行課税はいわゆる金融危機で払うツケを銀行に負担させるという目的税となってしまい、日本の財政事情や何やらを考えるともう少し枠組の整理が必要なのかもしれない。

次のG20に向けてIMFは政策シナリオ案を提示するべきという文言が提示されており、次回G20で各国政府がどのようなメニューをそろえることになるか、また、どのような政策を実施することになるかが注目だ。

【ロイター】
情報BOX:G20会合での主な要人発言
2010年 04月 24日 15:00 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14984620100424

◎ラガルド仏経済財務雇用相:
  (銀行課税案について)
  「銀行、保険会社、ヘッジファンド、年金基金、その他システミックリスクを引き起こす可能性があるすべての機関が対象になることが重要」
  「これについては長時間にわたり討議した。米国、英国、ドイツなどの国がフランスとほぼ同じ立場だったことが興味深かった。その半面、豪、カナダ、一部新興国からは有効性を問う声が出た」


《ニュース備忘録》

【ロイター】
「バーゼルIII」は慎重に導入、景気回復は損なわず=FSB議長
2010年 04月 24日 14:32 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14987820100424

【ロイター】
G20声明は銀行課税案への支持盛り込まず、カナダの主張反映
2010年 04月 24日 12:57 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14987120100424

【ロイター】
G20声明、信頼できる出口戦略の詳細策定を呼び掛けへ=当局者
2010年 04月 24日 04:56 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14981620100423

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