2011年1月16日日曜日

(1月11日-2)日本EFSF債購入

1月11日は野田財務大臣がEFSF(欧州金融安定ファシリティ)が発行する債券の約2割を購入すると発表し、欧州財政問題が若干和らぐとの期待から、市場に安心感が広がった。もともと、このEFSF債購入については、前日の1月10日に財務省の玉木財務官が「選択肢」という発言をし、言明は時期尚早と言っていた。が、翌日に野田財務大臣がここまで踏み込んだ発言をしている。それが、政治主導なのか、花を持たせたと言うことなのか、欧州の事情がポルトガル問題により切迫しており、この発表が必要だったのかどうかは、良くわからない。

このESFS債は、ドイツやフランスなど、ユーロ加盟国政府の保証が付いた債券であり、返済優先順位も高いものとなっているため、日本政府にとっては低リスクで貢献できるツールになっており、政治的なプレゼンスや日本の立ち位置を考えると、非常に良い投資であると言える。


【財務省】
野田財務大臣閣議後記者会見の概要
(平成23年1月11日(火曜日))
http://www.mof.go.jp/kaiken/kaiken_my20110111.htm
問)  今日一部報道で出ているのですが、パリを訪問中の玉木財務官が、日本政府がユーロを支援する目的でユーロ圏諸国の国債を買うことが選択肢だという話をされるという報道が流れているのですが、この辺の事実関係、財務省としてそういうことを検討していることがあるのかどうかお願いいたします。
答)  個別国の国債というよりも、アイルランド支援のための資金調達で今月下旬にユーロ圏が共同して大型の起債をする予定でございますので、その部分についてはEFSF債、その信認を高めるためにも主要国の日本が一定割合を購入するという貢献をすることは妥当ではないかと考えています。その方針でございます。
問)  では、今まさに検討、そういう方向で検討されていると。
答)  大体2割を超える額ぐらいは購入しようかと思っています。

【ロイター】
日本政府、ユーロ圏国債の買い入れ検討も=玉木財務官
2011年 01月 11日 10:21 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18943920110111
[パリ 10日 ロイター] 玉木林太郎財務官は10日、日本政府がユーロ圏支援に向け、ユーロ圏国債の買い入れを検討する可能性があるとの考えを示した。同財務官は記者団に対し、「ユーロ圏国債の買い入れは、1つの選択肢となり得る。ただ言明するのは時期尚早だ」と述べた。同財務官は20カ国・地域(G20)関連の円卓会議に出席するため、パリを訪れている。

【ブルームバーグ】
野田財務相:アイルランド支援へ外貨準備でEU発行債購入(Update4)
2011/01/11 14:44 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a78UyNq0cGe8
1月11日(ブルームバーグ):野田佳彦財務相は11日午前の閣議後会見で、欧州連合(EU)がアイルランド救済のために設立した欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が今月末に発行する1回目の起債分の2割超程度を、外貨準備を活用して購入することを明らかにした。 EFSFはトリプルAの格付けを持ち、2011年中に3回起債し、最大165億ユーロを調達する。1回目は30億-50億ユーロ(約3200億-5300億円)規模を予定している。このうち、日本政府の購入額が2割超なら、600億円から1000億円程度となる見込み。

野田財務大臣

玉木財務官



【ブルームバーグ】
政府:EFSF債の継続購入に意欲-ユーロ建て資産は潤沢(Update1)
2011/01/12 17:31 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=a0hnyMX2Op.k
EFSFは今年中に残り2回起債し、最大165億ユーロを調達する予定。政府関係者は欧州の信認維持のためにも2回目以降も継続的に購入したいと語った。規模は市場の動向をみて判断する。中国に次ぐ世界第2位の規模を持つ外貨準備は昨年12月末段階で1兆961億8500万ドル(約91兆円)に上る。このうち、預金や債券などユーロ建て資産は2割程度。別の政府関係者はEFSF債の継続購入に必要なユーロ資産は潤沢にあると述べ、ドル建て資産の転用を否定する。

【ECB】
US dollar (USD)EUR
http://www.ecb.int/stats/exchange/eurofxref/html/eurofxref-graph-usd.en.html

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