2011年1月23日日曜日

(1月13日-3)スペイン国債発行ストラテジー

スペイン財務省が国債発行ストラテジーを発表した。スペイン政府が2011年に必要とする資金調達額は472億1400万ユーロで、その内訳は中央政府の財政赤字が440億3600万ユーロで、国庫資産の洗い替えで4億1000万ユーロが浮き、一方でギリシャ支援等の財政困難国への拠出金が35億8800万ユーロとなっている。この472億ユーロの国債発行額は、昨年12月29日に発表済みであり、英語版で詳細が出てきたという感じなのかもしれない(スペイン語が読めないので)。国債純発行額は前年の587億ユーロから472億ユーロに大きく減じているが、スペインの財政問題がこれで収束するかどうかはよく分からない。

01/13/2011
The Spanish Treasury announces the Issuance Strategy for 2011
http://www.tesoro.es/doc/EN/home/estrategia/Strategy_2011.pdf

            2009年           2010年          2011年
           1月時点予想  実績  1月時点予想  実績  1月時点予想
資金調達必要額    86.5    116.7     76.8     62.1     47.2
国債総発行額     87.0    115.1     97.0     94.5     93.8
国債償還額      -32.8    -32.8    -35.4    -35.8    -46.6
国債純発行額     54.2    82.3     61.6     58.7     47.2
国庫バランス      32.4     34.4     15.2     3.4     0.0
国営テレビ債務     1.5     1.5      1.5     1.5
政府純債務残高増減 88.0    117.0     78.3     65.4     47.2
中央政府債務残高  447.0    475.4    553.5    540.8    588.0

スペインの財政資金調達

スペインの国債償還


2011年のスペインとポルトガルの国債発行額がだいたい固まっているが、先日中国が国際的な地位向上のため、両国の国債を購入するとの報道が出ている。これらを考慮した両国の国債の必要残り消化額は以下の通りとなっている。金額だけをみると、ポルトガルは良い感じの所まで来ているので、「追加で」もう少し国債を購入しても良いと言う投資家が見つかれば、なんとか賄えるかもしれないが、こういった市場心理が天国と地獄を分ける所に来ている状況では、最終的にはどっちに転ぶか分からない。

【ロイター】
中国、40億─50億ユーロのポルトガル国債を購入する用意=新聞
2010年 12月 23日 03:11 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18751720101222

【ロイター】
UPDATE1: 中国、スペインの公共債を約60億ユーロ購入へ―中国副首相=スペイン紙
2011年 01月 6日 18:42 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK050205420110106

億ユーロ     スペイン   ポルトガル
国債総発行額   938     180~200
国債償還額    ‐466      -95
国債純発行額    472     85~105
中国購入予定   60      40~50
残り必要消化額  412     35~65

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