2011年1月31日月曜日

(1月26日-2)CBOの財政見通し

米議会予算局が財政見通しを発表した。2011年度の歳入は2兆2285億ドル、歳出は利払費2247億ドルを含む3兆7082億ドルとなり、財政収支は1兆4798億ドルの赤字と、今年8月時点での財政赤字見込額の1兆660億ドルから4138億ドルも赤字が膨らむ計算となっている。その大きな要因としては、昨年末に高額所得者層を含む所得税減税、いわゆるブッシュ減税の延長の決定や、失業保険の給付延長などが実行されたからである。

CBOの財政見通しは、既存の政策、満期が着たらば延長をしないという現在の政策を前提に計算された財政見通しになっている。よって、ブッシュ減税の2010年末期限を前提に試算された予想が、今回はそれが延長されたという計算前提になっているため、歳入の下方修正による財政赤字の拡大が大きくなった格好だ。

その他、今回の財政見通しについては、代替的最小課税のインフレへの影響や、特に2012年末で期限が切れる所得税や不動産相続税の影響は検討されていない。よって、これらが自動的に期限が切れるということを前提に見通しが作成されているため、これをさらに2013年から延長するとなると、年間数千億ドルの歳入減がまた起きることとなる。米国財政状況をどうやって正常化させるのか、景気回復がどれだけ財政赤字を癒すことができるのか、今後が注目だ。

【CBO】
Budget and Economic Outlook: Fiscal Years 2011 Through 2021
January 26, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12039

CBOの財政見通し

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