2011年1月30日日曜日

(1月20日-3)中国10年Q4GDP高成長と胡錦濤訪米

中国の2010年10-12月期GDP成長率が発表された。中国は統計整備がしっかりしていないと揶揄されながら、GDPの発表はどこの国よりも早く発表されると言うなんとも不思議な国である。そのタイトルにも、2010年の中国経済のモーメンタムは良かったと書かれている。2010年10-12月期実質GDP成長率は前年比+9.8%で、結果2010年は前年比+10.3%となった。

中国実質GDP成長率

【中国国家統計局】
中国统计信息网 2011-01-20 10:00:19
2010年国民经济运行态势总体良好
(2011年1月20日)
http://www.stats.gov.cn/tjfx/jdfx/t20110120_402699441.htm

【中国国家統計局】
National Economy Showed Good Momentum of Development in 2010
National Bureau of Statistics of China 2011-01-20 10:00:57
http://www.stats.gov.cn/english/newsandcomingevents/t20110120_402699463.htm

その他、2010年12月の統計は、小売売上高が前年比+19.1%の増加で、消費者物価が前年比+4.6%であった。小売が2割くらい伸びて、物価は5%前後、実質GDPが10%程度伸びているという統計結果は、他国の数字などを見ていて明らかに違和感があるが、これが中国の統計というもの。どこかで整合性が取れていないのだろう。

中国小売売上
中国消費者物価

【ブルームバーグ】
中国:10-12月GDPは前年比9.8%増加-予想上回る加速(Update3)
2011/01/20 12:59 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aqF.rnt4R_pE

それ以上に国際政治で注目されたのが、胡錦濤国家主席の訪米であった。2012年の共産党大会で、中国指導部は世代交代となるが、その前に胡錦濤国家主席が優秀の美を飾るため、中国側が米国側に厚遇を求め、米国も国賓として待遇するという応酬があったようだ。その結果、GDPの発表は影に薄れ、中国が日本を追い抜いたと言うフレーズももう前から分かりきっていたこともあって、色あせた。

【人民网】
胡锦涛访问美国
http://politics.people.com.cn/GB/8198/211914/index.html

式典に参加するオバマ大統領と胡錦濤国家主席
晩餐会に招待された胡錦濤国家主席だったが、蝶ネクタイではなかったということも報道になる。

【White House】
President Obama Welcomes President Hu of China to the White House
Posted by Jesse Lee on January 19, 2011 at 10:54 AM EST
http://www.whitehouse.gov/blog/2011/01/19/president-obama-welcomes-president-hu-china-white-house

【ロイター】
〔情報BOX〕中国の胡錦濤国家主席の訪米日程
2011年 01月 19日 13:40 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK883699720110119

胡錦濤国家主席の訪米では、人権問題や人民元問題などの両国間の様々な懸案事項が話し合われるはずであったが、それら全てに蓋をして中国が米国からボーイング社の航空機200機をおよそ190億ドルで購入するなどの商談をまとめ、米国からの圧力をかわす上で商談外交に終始したようだ。中国のプレゼンスの増大を見せ付けられたイベントであったと言える。

【時事通信】
米、3兆7000億円の輸出成約=中国との互恵関係アピール
2011/01/20-01:49
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011012000012
【ワシントン時事】米ホワイトハウスは19日、米国と中国の間で総額450億ドル(約3兆7000億円)超の対中輸出案件が成約したと発表した。
 胡錦濤国家主席の訪米に合わせた大型商談で、航空機・防衛大手ボーイングは航空機200機(190億ドル相当)を受注。東芝子会社で原発を扱う米ウエスチングハウス、建設機械大手キャタピラーなどの契約も含まれている。
 ホワイトハウスはこれらの成約により「米国内で約23万5000人の雇用が支えられる」と指摘。両国の成長と発展に寄与すると述べ、互恵関係をアピールした。
 ホワイトハウスによると、中国はこのほか、知的財産権侵害の取り締まり強化、政府調達の国内企業優遇策の見直しなどを約束した。

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