2010年8月22日日曜日

(8月16日)日本のGDP

日本の4-6月期GDPが発表された。4-6月期は前期比+0.1%、前期比年率+0.4%となり、1-3月期の前期比年率4.4%から成長率が大きく減速した。景気減速の大きな影響は個人消費の伸び率鈍化である。

2010(平成22)年4-6月期・1次速報(2010(平成22)年8月16日)
平成2 2 年8 月1 6 日
内閣府経済社会総合研究所
国民経済計算部
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe102/main_1.pdf

前期比年率寄与度
           2009年                 2010年
%          4-6月期  7-9月期  10-12月期  1-3月期  4-6月期
実質GDP      10.4     -1.0      4.1      4.4     0.4
  国内最終需要  1.0     -0.5      2.6      1.9     -0.2
  海外需要     8.6      0.9      2.4      2.3     1.3
  在庫投資     0.8     -1.4      -0.9      0.2     -0.7
前期比 %
実質GDP       2.5     -0.3      1.0      1.1     0.1
(前期比年率)    10.4     -1.0      4.1      4.4     0.4
  民間最終消費   1.3     0.6      0.7      0.5     0.0
  民間住宅投資  -9.6     -7.2     -2.9      0.3     -1.3
  民間企業設備  -4.8     -1.8      1.5      0.6     0.5
  政府最終消費  0.2      0.1      0.7      0.6     0.2
  公的固定資本  9.5      -1.8     -1.3     -1.2     -3.4
  輸出       10.4      8.5      5.7      7.0     5.9
  輸入       -5.0      6.3      1.5      3.0     4.3
名目GDP(季調済年率:兆円)
           475.9     473.0    474.9     481.5    476.9

個人消費の伸び率が鈍化した大きな要因は、4月に家電エコポイント制度の対象商品が絞られたため、薄型テレビなどの販売が減少したことが原因と報道されている。また、自動車などのエコカー減税についても政策効果が薄れてきたという報道もある。一方で、とうとうこの4-6月期に中国のGDPが日本のGDPを追い抜いたという報道が相次ぎ、米国の新聞記事などにも中国のGDPが世界第2位にという特集が組まれたようだ。

中国が世界第2位の経済大国として躍り出る中で、国際的な責任が問われるようになりつつあるが、中国はいまだに自国中信主義で動いており、為替の変動を強く抑制していることで、大きな恩恵を受けている。為替の問題はこれから大きな波乱材料になるだろう。米中間の海洋支配力を巡るつばぜり合いが進む中で、人民元問題は外部に露出したアキレス腱である。

日本は政治の混迷という体たらくで、これから躍進してゆくと言う期待は、現時点で大きくない。今回のGDPの結果や、円高を受けて、景気対策の検討が進むと考えられるが、エコポイントの延長などの従来の政策の焼き直しになるだろう。

【時事通信】
GDP、伸び大幅鈍化=年0.4%増、景気対策息切れ-4~6月期
2010/08/16-12:01
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201008/2010081600067
実質GDPを主な項目別に見ると、全体の6割弱を占める個人消費は前期比0.03%増。5期連続プラスだが、伸びは前期(0.5%増)より鈍った。4月に家電エコポイント制度の対象商品が絞られたため、薄型テレビの販売が減少。エコカー減税などの政策効果が弱まってきたことも響いた。

【毎日新聞】
GDP:成長率鈍化、年0.4%増 個人消費が減速--4~6月期
2010年8月16日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100816dde001020016000c.html
内閣府によると、10年4~6月期の国内総生産(GDP)の速報値は、米ドル換算で1兆2883億ドル(118兆5379億円)となり、同期の中国のGDP(1兆3369億ドル)を下回った。経済規模が世界2位の日本は、10年に中国に抜かれて3位に転落することが確実視されている。10年上半期(1~6月)では、日本の2兆5871億ドル(236兆2836億円)に対し、中国は2兆5325億ドル(17兆2840億元)と、日本が上回っている。津村啓介内閣府政務官は「季節調整の方法が日本と中国では全く違うので、年間での比較が正確だ。四半期で単純比較すると誤解を生む」との見方を示している。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
二番底リスクはわずか=アイルランド中銀総裁
2010年 08月 16日 21:31 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16798720100816

【ロイター】
EU、債務危機再発防止のため経済監視を強化へ=ECB専務理事
2010年 08月 16日 18:03 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16795920100816

【ブルームバーグ】
米国の新学期商戦、低調なスタート-消費者の様子見ムード強く
2010/08/16 13:53 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=att2q1F48TaM

【ロイター】
焦点:レアアース資源独占の中国、環境技術開発競争で優位に
2010年 08月 16日 13:38 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16790420100816

【ロイター】
中国当局、地方政府の債務に関する新たな調査を開始=週刊紙
2010年 08月 16日 13:28 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16788720100816

【ロイター】
4─6月期GDP、名目換算ドルベースで中国に抜かれる
2010年 08月 16日 11:58 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16788020100816

【ロイター】
景気は既に踊り場入りの可能性=GDPで内閣府政務官
2010年 08月 16日 10:10 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16785320100816

【ロイター】
ドイツ、景気拡大も今年の借入目標を据え置き=財務省
2010年 08月 16日 09:27 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16784020100816

【ロイター】
イタリアが総額60億ユーロの国債入札、需要さえず
2010年 08月 14日 09:10 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16778820100814

【ロイター】
英BPが原油流出源の油井の圧力試験を終了
2010年 08月 14日 05:25 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16777320100813
セメントが注入された7月15日以降、原油流出は確認されていない。

【ロイター】
米GM、IPO申請を来週初めに延期=関係筋
2010年 08月 14日 05:23 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16777220100813

【ロイター】
米FRBの量的緩和に反対=カンザスシティー地区連銀総裁
2010年 08月 14日 04:45 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16776920100813

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