2010年8月8日日曜日

(7月29日)ニュージーランド2回目の利上げ

ニュージーランド準備銀行が利上げを決定した。0.25%の利上げは2回連続で、政策金利は3.0%となった。隣国豪州は昨年10月からの利上げ局面で政策金利が6度引き上げられ、4.5%へと1.5%上昇していることを考えれば、ニュージーランドの金利上昇はまだまだスタートしたばかりである。下記、ボラード総裁のコメントを見ると、通貨高についての懸念を発していることに加え、今後の利上げペースは緩やかなものになると言うことが述べられている。余りにも利上げ期待が高まることで、通貨高を更に呼び込むことを懸念しているのだろう。対極的に見て、米国や欧州などの主要地域が利上げをしていないときに、小国が利上げを実施する場合は、こういった躊躇いが感じられる。

【RBNZ】
Reserve Bank raises OCR to 3.0 percent
Date 29 July 2010
http://www.rbnz.govt.nz/news/2010/4127034.html


The Reserve Bank today increased the Official Cash Rate (OCR) by 25 basis points to 3.0 percent.(準備銀行は本日オフィシャル・キャッシュ・レートを25ベーシスポイント引き上げ、3.0%とすることを決定した。)

Reserve Bank Governor Alan Bollard said: “While the outlook for economic growth has softened somewhat, it is still appropriate to continue to reduce the extraordinary level of support implemented during the 2008/09 recession.(準備銀行のアラン・ボラード総裁は「幾分経済成長見通しは緩やかになっているが、いまだに2008年~2009年にかけて実行された異例の(金融緩和による)支援を減らし続けることが適切である。」)

“The world economy continues its fragile recovery. Trading partner growth has turned out stronger than we predicted, however, future prospects for growth have deteriorated. While still at high levels, our commodity prices have moderated.(世界経済は引き続き脆弱な景気回復を続けている。我々の貿易相手国の経済成長は予想していたよりも強いものであったが、将来の成長見通しは悪化している。)

“In New Zealand, domestic demand is subdued. Households are cautious, with retail spending growing only modestly, housing turnover in decline and household credit growth weak. While this caution has been evident for some time, the recent slowing in net immigration will act to further dampen consumer spending. Business investment remains very low, with corporate lending continuing to be subdued.(ニュージーランドについては、国内需要が抑制されている。家計部門は注意深く、小売への出費の伸び率は緩やかであり、住宅の売上は減少し、家計の信用の成長は弱い。このような警戒は暫くの間明確で、最近の移民の減速は更に消費支出を低下させるだろう。企業の投資活動は引き続き低水準で、企業向け貸出しも抑制されている。)

“The New Zealand dollar has appreciated in recent weeks. This appreciation is inconsistent with the softening in New Zealand’s economic outlook and moderation in our export commodity prices.(最近、ニュージーランド・ドルが上昇している。この上昇は、ニュージーランド経済の減速や、我々の輸出品目の物価の減速と一致していない。)

“Overall, we continue to predict respectable near-term GDP growth, with manufacturing confidence remaining elevated and forestry exports continuing to expand. An eventual recovery in business investment will assist growth over the medium term.(総じて、我々はごく足もとの経済成長について、製造業の景況感が高水準にあることや、林業の輸出が引き続き拡大していることなどから、まずまずであると引き続き予想する。)

“Annual CPI inflation has been near 2 percent for the past five quarters. As the economy grows, inflationary pressures are expected to pick up.(年間の消費者物価指数は足もとの5四半期間2%近くで推移してきた。経済が成長すれば、インフレ圧力が高まると予想する。)

“Given this, some further removal of monetary policy stimulus is appropriate at this stage. Even after today’s move, the level of the OCR is still very supportive of economic activity. The pace and extent of further OCR increases is likely to be more moderate than was projected in the June Statement. Our policy assessment will be continually reviewed in light of economic and financial market developments.(以上より、現時点では金融政策における緩和状況を追加的に減じてゆくことが適切である。本日の決定の後であっても、政策金利の水準は経済活動にとても支援的である。一方、追加的な政策金利の引き上げについては、6月の声明で予想していたよりも更に緩やかになるであろう。我々の金融政策に関する精査は、経済や金融市場の動向を踏まえ、再検討され続ける。)

“The coming increase in the rate of GST and other government-related price changes are likely to temporarily push annual CPI inflation above 3 percent. The Bank does not expect this price spike to have a lasting impact on inflation. However, the price and wage setting behaviour of firms and households will be monitored for evidence of any increase in inflation expectations.”(売上税の引き上げや、政府関連の価格変更によって消費者物価指数の上昇率が一時的に3%を超えるとみられる。我々はこの突出によるインフレへの影響が長続きするとは考えない。しかし、物価や企業、家計のの賃金動向など、インフレ期待を引き上げるようないかなる事象についても引き続き注視する。)

《ニュース備忘録》

【ロイター】
民主党執行部の引責論相次ぐ、菅首相は代表選出馬の意向
2010年 07月 29日 22:31 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16504720100729
発言を求める議員からは、「09衆院選マニフェストを執行部が勝手に変え、消費税を上げると勝手に変えた。民主党だから民主的にやろうではないか。総括になっていない」、「総括には普天間の問題が一切入っていない。避けて通ろうとしているのではないか。そうであれば、必ずしっぺ返しがくる」、「最高司令官が大敗の責任を取るのが当たり前。今の内閣は死に体で、これ以上続けても力強い政治は発揮できない。臨時国会で問責決議が出され弱くなってサジを投げるのか」、「執行部の言い訳をきくために出席しているのではない。総括は承認できない」──など、執行部批判が噴出。

【ロイター】
米政府、対中摩擦の回避には政策変更が必要=人民日報
2010年 07月 29日 15:34 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16498420100729

【ロイター】
超党派の米議員、中国による製紙産業への補助金で調査要請
2010年 07月 29日 13:50 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16495820100729

【ロイター】
中国証券監督管理委、山西証券のIPO審査を取り止め
2010年 07月 29日 12:22 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16493920100729

【ロイター】
米アリゾナ州の不法移民取り締まり法、連邦地裁が差し止め
2010年 07月 29日 11:48 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16493020100729

【ロイター】
中国光大銀行、8月18日上海市場に上場へ=報道
2010年 07月 29日 10:44 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16492420100729

【ロイター】
EU、イタリアの関税引き下げ提案めぐり各国が対立
2010年 07月 29日 09:32 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16490120100729

【ロイター】
米上院銀行委、イエレン次期FRB副議長などの指名承認
2010年 07月 29日 08:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16489120100728
米上院銀行委員会は28日、イエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁の次期米連邦準備理事会(FRB)副議長への指名を承認した。サラ・ラスキン、ピーター・ダイアモンド両氏のFRB理事への指名も承認した。3人の就任によってFRBの金融政策はハト派色が若干強まる可能性がある。銀行委員会のドッド委員長によると、今後は休会明け9月13日以降に行われる上院本会議での投票を待つ。

【ロイター】
中国工商銀、株主割当増資で最大66億ドル調達へ
2010年 07月 29日 07:46 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16488720100728

【ロイター】
NZ中銀、政策金利を25bp引き上げ3.0%に
2010年 07月 29日 06:51 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16487820100728

【ロイター】
米経済活動、一部地区で勢い失速=地区連銀報告
2010年 07月 29日 06:23 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16488020100728

【ロイター】
人民元は「かなり」過小評価=IMF高官
2010年 07月 29日 01:03 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16486120100728

【ロイター】
人民元は「かなり」過小評価=IMF高官
2010年 07月 29日 01:02 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16485720100728

【ロイター】
中国経済への下振れ圧力強まる、急減速の懸念なし=中銀幹部
2010年 07月 29日 00:18 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16485320100728

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