2010年3月23日火曜日

(3月11日)NZ中銀現状維持

ニュージーランド準備銀行が政策金利を発表した。政策金利は2.5%への据え置きで、7回連続の据え置きである。

Date 11 March 2010
http://www.rbnz.govt.nz/news/2010/3924699.html

声明文を見ると、冒頭の文章は前回と変わらず、

The Reserve Bank today left the Official Cash Rate (OCR) unchanged at 2.5 percent.(準備銀行は本日(政策金利である)オフィシャル・キャッシュ・レートを0.25%に変更せず据え置いた。[前回と全く同じ])

続いて経済について言及したところは、

“Trading partner activity has recovered a little faster than expected. Currently, growth is strongest in China, Australia, and emerging Asia, but is much more muted in other trading partners. At the same time, risks around the global outlook have increased, although not to the extreme levels seen at the height of the crisis. (貿易相手国の経済活動は予想していたものより若干早く回復してきている。現在、中国や豪州、新興アジア諸国の成長率はもっとも強いが、その他の貿易相手国はより弱い。同時に、世界経済見通しのリスクは増加しているが、金融危機のピークのような極端なものでは無い。)

“We estimate the New Zealand economy grew at a stronger pace in the December and March quarters than in the prior two quarters. Looking forward, while growth is expected to increase to about 4 percent next year, this is subdued relative to previous recoveries. (我々はニュージーランド経済の2009年第4四半期、2010年の第1四半期の経済成長が、その前の2四半期よりも強いペースで成長していると予想する。先行きを見ると、来年は4%程度の成長が見込まれるが、これは前回の回復局面と比べると控えめである。)

と述べられている。ニュージーランド経済は順調に回復していると言えるだろう。予想よりも成長率が10-12月期だけでなく今年1-3月期も良いだろうという表明は、市場の利上げ期待を高める。ただし、物価と政策金利については

“Annual CPI inflation is currently at 2 percent, and is expected to track within the target range over the medium term. In the short term, implementation of the amended Emissions Trading Scheme and increases in ACC charges will push CPI inflation toward the top of the target range.(消費者物価指数の年間上昇率は現在2%で、中期的な目標範囲の中を経過してゆくと予想する。短期的には排出権取引の改正やACC(???)への課金の実施によって、消費者物価指数は目標レンジの上限に押し上げられるだろう。)

“Higher bank funding costs have reduced the level of stimulus that would normally be associated with any given level of the OCR. We expect these costs to persist over the projection reducing the extent of future increases in the OCR. Fiscal consolidation would also help reduce the work that monetary policy might otherwise need to do. (銀行の資金調達コストの厳しさは緩和的な水準に低下し、政策金利に連動したものへと正常化しているようだ。我々はこの様な負担が予測期間中に粘り強いことによって、将来の政策金利の引き上げ幅の必要分を減じていると予想する。財政再建は金融政策にひょる支援の必要性を減じるであろう。)

“We continue to expect to begin removing policy stimulus around the middle of 2010.”(我々は引き続き2010年の半ばごろに金融緩和を解除し始めると考えている。)

と述べている。よって、足もとの物価上昇は一時的な要因に起因する部分が大きいが、これを知らずにヘッドラインでニュージーランドのCPIを見ている人は、インフレがニュージーランドにも及んできているのではないかと間違って驚くかもしれない。市場は完全に効率的とまではいえないので、ニュージーランドのフォローもそれほど良く出来ているとは思えない。

ただ、利上げ時期を2010年の半ばごろと宣言してしまっているので、次回4月29日は微妙だが、その次の6月10日には利上げが実行されると考える人は多いだろう。2010年半ばの利上げと言う文言は、前回1月28日発表の時と変わらない。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
ユーロ圏の政府債務残高、削減に20年かかる可能性も=ECB
2010年 03月 11日 22:01 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14300720100311

【ロイター】
欧州通貨基金設立構想、多くの疑問点残る=ユーログループ議長
2010年 03月 11日 18:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14298920100311

【ロイター】
英総選挙、与党単独過半数に及ばない情勢=世論調査
2010年 03月 11日 15:28 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14295820100311

【ロイター】
2月の中国CPIは前年比+2.7%、予想上回る
2010年 03月 11日 12:19 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14292420100311

【ロイター】
ギリシャ経済、10年のマイナス成長幅が予想より拡大も
2010年 03月 11日 08:37 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14286820100310

【ロイター】
ギリシャへの投機続けばEUが市場介入も=ギリシャ首相
2010年 03月 11日 06:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14284620100310

【ロイター】
バーゼル規制が銀行改革の基本=独連銀総裁
2010年 03月 11日 05:33 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14283120100310

【ロイター】
ギリシャ赤字削減計画に変更なし、国債利回りを懸念=対EU報告書
2010年 03月 11日 01:43 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14281620100310

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