<主要銀行のリスク調整後自己資本比率やバーゼルII基準の自己資本比率>
送信者 備忘録とかそういうの |
S&Pから
S&Pも、「日本の3メガバンクのRAC比率は低いものの、各グループの強い事業基盤と財務の柔軟性、高い流動性が格付けを下支えしている。リーマンショックの後、3グループは合計で約1.8兆円の資本の質の高い普通株増資を実行しており、さらに三菱UFJフィナンシャル・グループは1兆円の増資を計画しているなど、メガバンクの資本調達力は高い。本リポートは、2009年6月末時点でのRAC比率を推計しているが、みずほフィナンシャルグループでは普通株増資は6月以降に行われたことから、リスク資産が不変と仮定すれば、RAC比率は約0.9%ポイント改善することになる。同グループでは優先株の普通株への転換も進んだ。また、3グループの圧倒的な規模の強固な個人預金基盤も安定的な流動性を下支えしている。
スタンダード&プアーズは、3メガバンクのRACの低さが日本の銀行業界全体の水準を表しているとは考えていない。地方銀行は多くの場合、Tier 1自己資本比率が大手行より高く、ハイブリッド資本が限られており、株式エクスポージャーも小さいため、RAC比率の平均はメガバンクより高くなると予想している。」と述べており、ややヘッジ文言的な要素もあるが、フォローはしている。
S&P Ratio Highlights Disparate Capital Strength Among The World's Biggest Banks
Tuesday, November 24th, 2009
http://www.standardandpoors.ru/article.php?pubid=5736
世界の大手金融機関の自己資本比率をリスク調整後自己資本の枠組みに基づき比較
http://www2.standardandpoors.com/portal/site/sp/jp/jp/page.article/1,0,0,0,1204852042384.html
ただし、いずれにしろこのレポートは「S&PがRAC比率基準で銀行の財務状況を考えている」面があり、この比率の低さは「将来の格付け変更の検討材料になり得る」ことを宣言している。引き続き、金融機関が格付け維持のための財務の健全性を志向するのであれば、資本増強とリスクアセットの削減を続ける必要があるだろう。金融機関はリスクテイクができなくなれば、必然と投資先を国債に振り向けざるを得ない。それで良いのだろうか。
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