2010年7月4日日曜日

(7月1日-2)スウェーデン利上げ開始

スウェーデンが金融政策を発表し、利上げを実施した。

【Riks Bank】
Repo rate raised to 0.5 per cent DATE 01/07/2010
http://www.riksbank.com/templates/Page.aspx?id=44450

The Swedish economy is developing strongly following the severe downturn. The repo rate now needs to be raised gradually towards more normal levels to attain the inflation target of 2 per cent and to ensure stable growth in the real economy. The Executive Board of the Riksbank has therefore decided to raise the repo rate by 0.25 of a percentage point to 0.5 per cent. At the same time, economic growth abroad is expected to be lower, which means that the repo rate in the longer term will not need to be raised as much as was previously assumed.(スウェーデン経済は厳しい景気低迷を経て力図良く回復している。2%の物価目標を達成し、実体経済の安定成長を確かなものとするため、現在、レポ金利をより平常な水準へと徐々に引き上げる必要がある。スウェーデン銀行の政策委員会は、レポレートを0.25%引き上げ、0.5%とすることを決定した。同時に、海外の経済成長はより緩やかなものになると予想されるため、以前に予想されていたよりも、長期的にはレポレートの引き上げは必要ないと言える。)

政策委員会が声明文で発表している将来のレポ金利の見通しは以下の通り。ここまでのものを表示していることは、金融市場参加者の非常に良い参考値になっているといえ、その分、先行きのイールドカーブの形成に大きく役立っていると考えられるのだが、このスウェーデン銀行がこれまでどれだけ、市場参加者からの信任を受けているかは良くわからないので、余り良い過ぎないようにしたい。

レポレートの見通し
     2010年                2011年  2012年  2013年
     4-6月期 7-9月期 10-12月期  7-9月期 7-9月期 7-9月期
前回         0.4%    0.7%    2.0%   3.5%   
今回   0.25%  0.5%    0.9%    2.1%   3.1%   3.8%

レポレート見通しのファン・チャート

(Current forecast for the repo rate, inflation and GDP

http://www.riksbank.com/templates/Page.aspx?id=42905)


例えば、日銀が同じようなことをやれば良いかというと、これまでの経緯や政治との距離など、様々な変数が組み込まれてくることになるし、金融政策の自由度を縛ってしまうことや、説明責任との兼ね合いから良くないと考えられることもある。

後半には、スウェーデン中銀の中にも欧州の財政危機を踏まえると、政策金利を引き上げるべきではないと言う発言(Deputy Governor Karolina Ekholm 、Deputy Governor Lars E.O. Svensson の2人の副総裁)もあったことが紹介されている。よって、スウェーデンの利上げ開始は恐る恐るといったところだろうか。

(7月1日)日銀短観

7月1日に日銀短観が発表された。

短観(2010年6月)
2010年7月1日
日本銀行調査統計局

http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/tk/gaiyo/tka1006.pdf

大企業製造業の業況判断DIは+1ポイントと、前回3月調査の先行きで示された-8ポイントから大きく改善していた。先行きについても+3ポイントと、小幅の改善を見込んでいる。機械産業などの業況が改善しているようだ。一方の大企業非製造業の業況判断DIは-5ポイントと前回3月調査の先行きで示された-10ポイントを上回った。先行きについては-4ポイントと、若干の改善に止まると見込まれている。通信業での業況改善が一服するからと見込まれているようだ。大企業製造業の業況改善は鮮明だが、中小企業の改善が今一という構図はいつもどおり。アジアへの輸出の恩恵を受けて、製造業の方が、改善しているようだ。

業況判断DI      10年3月調査  10年6月調査 前回調査と今回調査の
             最近 先行き  最近 先行き  最近の値の変化幅
大企業製造業     -14   -8    +1   +3     +15
大企業非製造業   -14   -10   -5   -4      +9
中小企業製造業   -30   -32   -18  -19     +12
中小企業非製造業  -31   -37   -26  -29      +5

2010年度の設備投資計画については製造業が前年比+3.8%で修正率1.4%、非製造業が前年比+4.6%で修正率1.3%、全産業が前年比+4.4%で修正率1.3%。それぞれ計画が前向きになっているが、毎年年度を越えた6月調査で設備投資が上方修正するのは当たり前のことなので(09年度は大きく下がっていたが、これは異例)、驚きは無い。売上高経常利益率は以下の様にまぁまぁ改善を見込んでいるので、企業が前向きな設備投資を行う環境はできつつある。

             09年度上期 09年度下期 10年度上期 10年度下期
大企業製造業       1.32%    4.42%     3.61%    4.43%
大企業非製造業     3.59%    3.08%     3.45%    3.52%
中小企業製造業     1.12%    2.82%     2.61%    3.16%
中小企業非製造業    1.57%    2.38%     1.87%    2.46%

しかし、問題は想定為替レートで、大企業製造業の2010年度の想定為替レートが1円程度だが円高方向に修正されている。それだけ企業の耐久力が増しているということを意味するのだが、実際の為替レートはドル円相場が90円を割り込む円高になっている。この先、この円高水準が定着すると、企業利益を圧迫することにもなりかねないので、注意が必要だ。

2010年3月調査 2010年6月調査
2009年度 92.71 92.84
上期 94.78 94.80
下期 90.91 91.17
2010年度 91.00 90.18
上期 90.97 90.20
下期 91.02 90.16

短観大企業製造業業況判断DI



《ニュース備忘録》

【ロイター】
米10年債利回りが一時2.90%割れ=米金融・債券市場午前
2010年 07月 1日 23:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16103420100701

【ロイター】
ECBが6日物オペで1112億ユーロ供給、欧州の資金調達懸念後退
2010年 07月 1日 21:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16102320100701

【ロイター】
世界的に外準のユーロ離れ大きく進まず、豪ドルなどに多様化の波
2010年 07月 1日 18:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16099520100701

【ロイター】
中国経済は第3四半期に減速、第4四半期に政策緩和も
2010年 07月 1日 10:33 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16088520100701

【ロイター】
大企業製造業の業況判断DIは08年6月以来のプラス転換
2010年 07月 1日 11:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16089120100701

【ロイター】
スペイン格付け、見直し後に引き下げの可能性=ムーディーズ
2010年 07月 1日 05:02 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16082720100630

(6月30日-3)GPIF09年度決算

6月30日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2009年度の運用状況を発表した。09年度の結果は、9兆1850億円の収益増と、2008年度の-9兆3481億円をほぼ穴埋めした格好である。ただし、収益額といっても配当金や利払などのキャッシュフロー収入と、時価評価の上昇によるキャピタルゲインと、その収益の源泉がどちらにあるかと言う分析は殆ど無い。たぶん、株価の上下動による収益の振れが大きいため、殆どがキャッシュフローを伴わないキャピタルゲインであろう。

細かく資産クラス別の収益額を見ると、市場運用分における国内債券が1兆2279億円、国内株式が3兆3510億円、外国債券が1315億円、外国株式が4兆1824億円、短期資産が10億円、非市場運用分の財投債が2912億円となっている。国内債券はコンスタントに比較的安定的な収益を創出しているが、国内株式の振れの大きさが特に目立つ。

平成21年度業務概況書
年金積立金管理運用独立行政法人
2010年6月30日
http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri03_h21_p04.pdf

億円/%    資産残高   (参考)
         09年     10年  09年度 09年度  08年度  07年度
        3月末    3月末   収益額 収益率  収益額  収益額
国内債券   869,775   829,679  15,191        -93,481  -55,178
  市場運用 618,887   623,923  12,279   1.98   -96,670  -58,400
  財投債  250,888   205,756   2,912   1.26    8,700   17,165
国内株式   113,986   147,497  33,510  29.40  -50,613  -53,323
外国債券   100,135   101,449   1,315   1.32   -3,213    -483
外国株式    90,781   132,523  41,824  46.11   -48,547  -21,765
短期資産    1,608    17,277     10  0.16       3      6
合計     1,176,286  1,228,425  91,850   7.91    3,189   3,222

国内株式、外国債券、外国株式の3資産については、09年3月末から10年3月末への資産残高の増加が、ほぼ2009年度の収益額に一致しているので、この表からだけでも3資産への新規資金の投入や資金の引き出し(資産の純売却)は無く、再投資によるポートフォリオを維持する投資が行われていたことが透けて見える。

しかし、国内債券と短期資産については資産残高の変動が大きい。特に、財投債の残高が4.5兆円近く減少している。この大きな要因として、いよいよ年金保険料収入よりも年金の支払いが増えてきていることが挙げられる。2009年3月末時点の運用資産合計が117.6兆円、2010年3月末時点の運用資産合計が122.8兆円と、その残高は5.2兆円増加しているのだが、09年度の収益額は9.2兆円と、約4兆円が消えてしまっている。この原因を「寄託金の償還等」というページで見てみると、

財政融資資金への借入金償還・利払が   -3639億円
年金特別会計からの寄託金の受入れが  +4389億円
年金特別会計への寄託金の償還が   -4兆0217億円
その他運用手数料等の支払いが       -277億円
未払い費用等による調整             +33億円
合計                      -3兆9744億円

が残高が減少した原因となっている。この加減算は、全てキャッシュフローベースの動きであることに注意が必要であり、いくら2009年度の収益額が9.2兆円近くに上ったからとはいえ、この現金の流出は資金を用意しなければならないと言う点で意味合いが違う。

業務報告書には月次ベースの資金回収の状況等が記載されているが、年度ベースの結論を見ると、2009年度の資金の動きを見ると、市場運用分の国債から7200億円が回収され、非市場運用分の財投債からは4兆8044億円が回収されており、合わせて5兆5244億円が国内債券から別資産に移っている。その先としては、上記に述べている通り寄託金の純償還額と財政融資資金への償還等が合計で3兆9467億円の流出になっているほか、短期資産が2009年3月末から2010年3月末にかけて1兆5669億円増加している。つまり、短期資産をある程度積み立てておいて、将来の支払いに備え、資金需要によって突然の資産売却に迫られることが市場に悪い影響を及ぼさないようにとの配慮であると考えられる。この先も、市場への悪影響をなるべく軽減するため、財投債の償還を順次寄託金の償還等に当てることが予想される。

ただ、いつかはリスク資産の売却に迫られることになるだろう。今は国債相場に追い風が吹いていて、ある程度国内債券の自然償還や限定的な売却などで対応可能であろうが、今後の年金資金は投入以上に難しいEXIT戦略を考える局面にある。

こんな状況で、年金資金のキャッシュフローをわかっていない人たちが「ソブリン・ウェルス・ファンドを作れ」とか、いい加減なことを言わないで欲しい。今回は大幅な利益が計上されたから、新聞の紙面でも小さい扱いというなんだかなという状況だったが、損が出ると声を大きくして運用をプロに任せろとか、資金の性質をわかっていない人が言ってはいけない。相場環境がちょっと変化したら言う事がコロコロ変わるというのは、巨額の長期資金を扱うものにとって禁じ手である。

(6月30日-2)NZ利上げ続ける予定

ニュージーランド準備銀行のアラン・ボラード総裁が利上げ継続に言及していたので、それを残す。発言の一部は以下の通り。

【NZ準備銀行】
Reserve Bank SOI shows commitment to stability
Date 30 June 2010
http://www.rbnz.govt.nz/news/2010/4097587.html

“For our part, we are confident that medium-term price stability is the right objective for monetary policy. However, the Bank has been investigating the potential for macro-prudential policy tools to help support the traditional OCR instrument. The SOI shows we will continue this work,” . (われわれについては、金融政策の目標として中期的な物価の安定が正しい目標であることを確信している。しかし、ニュージーランド銀行はマクロ‐プルーデンス政策の手段としての、伝統的なオフィシャル・キャッシュ・レートという方法をサポートする手段の潜在性を精査している。SOI(Statement of Intent)は、我々がこの業務を続けることを示している。)

“As banking supervisors, we are engaging in global discussions on changes to the international bank supervision regime that will help to reduce the chances of future financial crises.” (銀行監督者として、我々は将来の金融危機の可能性を減じるために、国際的な金融監督体制を変革しようとする世界的な議論に参加している。)

Dr Bollard said that the domestic economic recovery continues and, as indicated in the recent Monetary Policy Statement, the Bank expects to continue unwinding the current degree of monetary policy stimulus. (ボラード博士は、最近の金融政策ステートメントが指し示すとおり、国内経済の回復が続いていることから、ニュージーランド準備銀行が引き続き金融政策による現在の緩和の度合いを解除してゆくことを見込んでいると発言した。)

ニュージーランドは利上げ局面にある。

(6月30日)Moody'sスペイン格下げ示唆

Moody'sがスペイン国債の格下げ見通しを発表した。当然と言えば当然なのだが、これまでスペインの格付けはAaaと最上位にランクされており、財政危機が起きる中でこのような高格付けに値するものなのかどうかと言う疑問が増えていたところだった。最大2段階の引き下げといっているが、下げられたとしてもAa2であって、ダブルA格は維持できる。Moody'sは6月14日にギリシャをA3からBa1へと4段階一気に格下げし、また、ポルトガルも5月5日にAa2から3ヶ月以内の格下げを示唆している。欧州財政危機による格下げは道半ばといったところか。その結果、金融機関の格付けが同時に下がり、金融システムに悪影響が出ないかどうかには注意が必要だろう。

【ムーディーズ】
以下は、2010 年6 月30 日、ロンドンで発表されたプレス・リリースの翻訳です。
http://www.moodys.co.jp/Pages/Redirect.aspx?Type=10000&Id=PR_1718

ムーディーズ、スペインのAaa のソブリン格付けを引き下げ方向で見直し2010年(平成22年)6月30日、ロンドン、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは本日、スペインのAaaの自国通貨建ておよび外貨建て政府債務格付けを引き下げ方向で見直しの対象とした。

今回の見通しの結果、スペインの格付けが引き下げられる場合は、1ノッチ、最大でも2ノッチの引き下げとなる可能性が高い。ムーディーズは3か月以内に見直しの結論を出す意向である。

こういった格付け会社の時間を置いた反応と、その市場への影響を考えると、格付け機関の行動は悪化や改善をスパイラル的に発生させる触媒となっているような気がする。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
日銀と連携し2011年度にデフレ脱却へ=国家戦略相
2010年 06月 30日 17:53 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16076620100630

【ロイター】
国内機関投資家は国債で利益、株安を補うスタンス
2010年 06月 30日 16:16 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16074220100630

【ロイター】
米金融規制改革法案、民主党が銀行課税取り下げ
2010年 06月 30日 10:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16066220100630

【ロイター】
ギリシャとスペインで大規模スト、緊縮財政策に抗議
2010年 06月 30日 10:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16065120100630

【ロイター】
米大統領がFRB議長と会談、「欧州問題が逆風」
2010年 06月 30日 06:40 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16061620100629

【ロイター】
ドイツ銀行含む3独銀、ストレステスト通過=関係筋
2010年 06月 30日 04:51 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16060420100629
ドイツ銀行、独コメルツバンク、バイエルン州立銀行[BAYLB.UL]の3行は、欧州の銀行当局が実施しているストレステスト(健全性審査)を通過した。複数の関係筋が29日、明らかにした。

(6月20日)鉱工業生産持ち直し続く


5月の鉱工業生産が発表された。生産は3ヶ月ぶりの低下となったが、前月比‐0.1%と小幅。予測指数については、来月6月が前月比+0.4%、7月が+1.0%と、引き続き生産の増加を予想している。この結果、経済産業省は鉱工業生産について、「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」と評価している。ただ、金融危機で急激な生産減が起きた後の勢いの良い生産の増加期間と比べれば、生産の増加ペースは緩やかになりつつある。

最新プレス情報 
2010年5月分速報


生産は持ち直しの動きで推移
総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。


前月比   生産  出荷  在庫  在庫率
10年 1月  4.3   4.5    1.1    -1.8
    2月 -0.6  -0.2    1.6    0.3
   3月  1.2   2.0    -1.6   -5.5
   4月  1.3   1.4     0.6    1.2
   5月 -0.1   -1.7    2.0    4.4
    6月  0.4
   7月  1.0


《ニュース備忘録》

【ロイター】
ECB、スペイン銀の資金調達の必要性を認識すべき=財務相
2010年 06月 29日 23:34 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16058020100629
スペインのサルガド経済・財務相は29日、昨年6月に実施された1年物オペ(4420億ユーロ規模)が7月1日に期日を迎えるなか、欧州中央銀行(ECB)はスペインの銀行の資金調達の必要性について認識すべきとの見解を示した。

【ロイター】
日本の財政運営戦略、目標達成法など詳細が必要=フィッチ
2010年 06月 29日 21:29 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16057220100629

【ロイター】
日本の新戦略、政府格付けAa2を支える=ムーディーズ
2010年 06月 29日 18:23 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16055120100629

【ロイター】
フランスの銀行に大きな問題はない=仏中銀総裁
2010年 06月 29日 16:48 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16052720100629

【ロイター】
中国短期金融市場の資金ひっ迫、当局のインフレ懸念を反映
2010年 06月 29日 15:01 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16050120100629
中国短期金融市場が資金ひっ迫状態に陥っている。ひっ迫感は異例なほど強く、しかも長期化が予想されている。中国当局がインフレリスクを重視していることをうかがわせている。人民銀行は、地方政府に不動産価格を抑制しようとする姿勢がみられないのを懸念し、資金を供給し過ぎることにも警戒している様子がうかがわれる。

【ロイター】
ドル89円割れ、米長期金利にらみ1カ月半ぶり安値
2010年 06月 29日 13:10 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16047920100629

【ロイター】
北朝鮮のジョンウン氏、最高人民会議の代議員に選出=報道
2010年 06月 29日 12:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16047720100629

【ロイター】
米金融規制改革法案、民主議員死去で成立に遅れも
2010年 06月 29日 11:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16045320100629
議会関係者によると、下院は法案を29日もしくは30日に可決する見通し。しかし上院関係者は、7月4日の独立記念日の休日後、1週間の休会が明ける7月12日の週まで上院が動かない可能性を示唆した。

【ロイター】
米金融改革法案、大手の利益は13%減も=ゴールドマン
2010年 06月 29日 09:54 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16042720100629

【ロイター】
出口戦略、遅れれば危機再発の恐れ=BIS年次報告
2010年 06月 29日 07:53 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16039920100628

【ロイター】
独銀行、より多くの不良債権保有=PwC調査
2010年 06月 29日 04:09 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16037620100628

【ロイター】
米低金利の長期間維持、近く変更も=リッチモンド連銀総裁
2010年 06月 29日 03:47 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16037320100628

【ロイター】
独空売り規制、1日で完結する取引は含まれない見通し=関係筋
2010年 06月 29日 01:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16036520100628
ドイツ政府は、ネーキッド・ショート・セリング(現物手当てのない空売り)規制について、1営業日中に完結する取引は一定の条件の下で規制対象としない方針を固めた。政府筋が28日、ロイターに対し明らかにした。

【ロイター】
新銀行自己資本規制、内容薄めるべきでない=ECB専務理事
2010年 06月 29日 01:11 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16036620100628

(6月28日)BIS年次報告書

BIS(国際決済銀行)が年次報告書を発表した。G20サミット明けの週明けとあって、特にニュースがあったとは記憶していないので、このBISの年次報告書で気になった図表を貼り付けて終わり。

BIS Annual Report 2009/10
28 June 2010
http://www.bis.org/publ/arpdf/ar2010e.htm

住宅価格。日本は下がりっぱなし。豪州は上昇気味。カナダとか、調子が良いですね。米国は低迷。
総債務残高見通し。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
赤字削減や政策調整遅れれば、新たな危機招く恐れ=BIS報告
2010年 06月 28日 21:43 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16035220100628

【ロイター】
BP、原油流出事故の処理コストが1日1億ドル突破
2010年 06月 28日 18:58 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16034720100628

【ロイター】
財政健全化、税収調達能力の向上次第=財務副大臣
2010年 06月 28日 17:54 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16033020100628

【ロイター】
ロイターサミット:日本の財政運営、実行がカギ=ムーディーズ
2010年 06月 28日 14:23 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16028820100628

【ロイター】
普天間問題の協力を確認=日米首脳会談
2010年 06月 28日 12:00 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16026520100628

【ロイター】
温家宝・中国首相、労使関係の「融和」訴え
2010年 06月 28日 11:30 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16025620100628

【ロイター】
金融安定理事会、新銀行自己資本規制の移行期間延長を支持
2010年 06月 28日 09:59 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16023720100628
。「新規制の導入を2012年に開始し、現在実施しているマクロ経済への影響評価の結果に応じて移行期間を決めることを推奨する」とした。影響評価の結果は8月上旬に明らかになる見通しという。

【ロイター】
オバマ米大統領「日本との同盟関係は強固」
2010年 06月 28日 08:16 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16020620100627

【ロイター】
首相が中国のスト懸念、胡主席は「適切に処理」=首脳会談
2010年 06月 28日 06:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16018420100627

(6月25~27日)G8G20

週末、6月25~26日にかけてはカナダのムスコカでG8サミットが開催され、その後場所をトロントに移し、26~27日にかけてG20サミットが開催された。本来であれば、米国金融危機脱却後の世界として異例の財政政策、金融政策をどのように正常化させるか、そして金融機関への規制をどのような順序立てで行っていくかを話し合うはずであった。しかし、欧州財政危機の余波によって、これらの対応を考えなければならない状況に置かれてしまったのが、このサミットであった。

G8では、北朝鮮による韓国の哨戒艦沈没事件に関して菅総理が議題に挙げたという成果が強調されていた。それと、中国をその時に応じてG8に招待してはどうかという菅総理の発言と、中国側はそんな会議に出て責任を押し付けられたら困るので丁重に断ったと言う逸話もその後あった。

【外務省】
2010年6月25日(金曜日)~26日(土曜日)(於:カナダ・ムスコカ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/canada10/gaiyo_1006.html

2010年6月26日(土曜日)、27日(日曜日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/g20/toronto2010/gaiyo.html
(G8&G20サミット出席-3日目-http://www.kantei.go.jp/jp/kan/actions/201006/28canada.html)

G20での主要なポイントは、世界経済の今後、特に先進国を襲っている財政健全化の波にどう対応するかと言うことである。また、金融規制についても、どのような手順を踏んでゆくことになるかが重要だ。その結果が、以下のような文言に盛り込まれていた。

『本日,我々は以下に合意。

先進国において,財政刺激策を遂行し,今後実施される「成長に配慮した」財政健全化計画を説明。幾つかの主要国が同時に財政調整を行うことが回復に悪影響を及ぼすリスクと,必要な国で健全化が行われないことが信認を損ない,成長を阻害するリスクとが存在。2013年までに少なくとも赤字を半減させ,2016年までに政府債務の対GDP比を安定化または低下させる財政計画にコミット。日本の状況を認識し,我々は,成長戦略とともに最近発表された日本政府の財政健全化計画を歓迎。』

『我々は,バーゼル銀行監督委員会(BCBS)による,銀行資本と流動性要件の新たな国際基準に向けた進ちょくを評価。今次金融危機に比肩する規模のストレスに耐えうるよう,資本の質・量の改善に向け取り組み。新しい資本枠組みについてソウル・サミットの際に合意することを支持。新たな基準の採用につき合意し,マクロ経済影響評価に基づく移行期間を経て,2012年末までを目標に,段階的に実施。段階的実施の枠組みは各国の異なる状況を反映し,新基準との間の当初の差異は,各国が時間をかけて縮小するように設定。』

『新たなルールをより実効的な監督によって補完。監督強化に関する勧告を,2010年10月,財務大臣及び中央銀行総裁に報告するよう指示。 』

先進国は2013年、今から3年間で財政赤字の対GDP比を半減させるというかなり野心的な目標が設定されたものの、デフレに陥っている日本については特別だというお墨付きが付いた。日本の財政再建が、それだけハードルの高いものだと言うことが世界で認識されていることの裏返しであろう。
また、金融規制についても2012年末を目標に、「各国の異なる状況を反映し」てそれぞれ順次設定すると言うように、対象国にやさしい内容に緩和された。

足もとの財政危機、金融問題の噴出の中にあって、厳格な対応を行うと、返って状況が悪化すると言う矛盾を抱える中、このような文章に落ち着かざるを得ないと言うことは、仕方の無いことであろう。

《ニュース備忘録》

【ロイター】
G8首脳、成長と財政緊縮の均衡で大方合意=米政府高官
2010年 06月 26日 08:50 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16009520100625

【ロイター】
情報BOX:G8・G20首脳の発言
2010年 06月 27日 08:23 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16013620100626

【ロイター】
銀行の新たな資本基準、各国で異なる導入時期設定へ=G20声明草案
2010年 06月 27日 06:07 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16011820100626

【ロイター】
欧州委、ストレステストの大手地銀への拡大を要請=関係筋
2010年 06月 26日 04:27 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16007720100625

【ロイター】
中国人民元急上昇の根拠ない=中銀幹部
2010年 06月 26日 04:11 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16007820100625

【ロイター】
米金融改革法案一本化で合意、7月上旬にも成立見込み
2010年 06月 26日 00:08 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16006720100625

(6月25日)デフレが続く日本のCPI

週末のG20の注目が高かったので、日本の経済統計として消費者物価指数を取り上げてみる。6月25日に発表された5月の消費者物価指数は、前年比-0.9%、生鮮食品を除くコア指数は前年比-1.2%で、それぞれ4月の結果からマイナス幅が縮小した。2008年に原油価格の上昇がガソリン価格などを通じて物価を大きく押し上げ、その反動が2009年に出ており、その下落から2010年は戻りつつあるというのが大きな構図であるが、除く食料・エネルギーの項目を見ると、物価のマイナス幅が拡大している。

前年比% 総合 除く生鮮食品 除く食料・エネルギー
09年 5月  -1.1    -1.1      -0.5
    6月  -1.8    -1.7      -0.7
    7月  -2.2    -2.2      -0.9
    8月  -2.2    -2.4      -0.9
    9月  -2.2    -2.3      -1.0
    10月 -2.5    -2.2      -1.1
    11月 -1.9    -1.7      -1.0
    12月 -1.7    -1.3      -1.2
10年 1月 -1.3    -1.3      -1.2
    2月  -1.1    -1.2      -1.1
    3月  -1.1    -1.2      -1.1
    4月  -1.2    -1.5      -1.6
    5月  -0.9    -1.2      -1.6

ただし、その中でも民主党政権が打ち出した高校授業料の無償化による物価指数下落の影響があって、その分を総務省が先月公表している。

【総務省】
平成22 年5月28 日
総 務 省 統 計 局
消費者物価指数における高校授業料無償化の影響
-全国 平成22 年4月分結果-
http://www.stat.go.jp/data/cpi/pdf/jugyou_z.pdf

先月発表された4月の消費者物価指数のうち、生鮮食品を除く総合の前年比-1.5%に与えた影響としては、

「2 生鮮食品を除く総合指数への影響

生鮮食品を除く総合指数の前年同月比は-1.5%と下落しました。

このうち,公立高等学校の授業料無償化による影響の寄与度は-0.41,私立高校授業料に対する高等学校等就学支援金の支給による影響の寄与度は-0.13,高校授業料無償化による影響の寄与度は合わせて-0.54 となりました。

※ 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数の前年同月比のうち,高校授業料無償化による影響の寄与度は-0.78」

ということなので、この特殊要因を除けば、緩やかながら物価下落はゼロに向けて改善しつつあると言えるのかもしれない。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
日銀の新貸出制度、対応に苦慮する金融機関
2010年 06月 25日 19:19 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16005420100625

【ロイター】
30年後に時価総額200兆円目指す、後継者育成へ=ソフトバンク社長
2010年 06月 25日 18:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16004420100625

【ロイター】
みずほFGが最大60億株の公募増資発表、約8500億円規模
2010年 06月 25日 17:41 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16003820100625

【ロイター】
米金融規制改革法案一本化、スワップ部門分離で妥協案
2010年 06月 25日 15:39 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16000620100625

【ロイター】
中国農業銀行IPO、機関投資家の応募が殺到=報道
2010年 06月 25日 11:58 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-15995820100625

【ロイター】
G20、財政健全化のペースめぐる溝は埋まらず
2010年 06月 25日 11:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15995620100625

【ロイター】
欧州債務問題はなお市場を圧迫=英中銀報告
2010年 06月 25日 10:31 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-15994420100625

【ロイター】
英経済減速なら、金融政策での対応が望ましい=キャメロン首相
2010年 06月 25日 10:24 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-15994220100625

【ロイター】
欧州に赤字支出の余地残されていない=バローゾ委員長
2010年 06月 25日 09:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15992920100625

【ロイター】
ギリシャ証券監督当局、株の空売り禁止を8月末まで延長
2010年 06月 25日 04:46 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-15989520100624
当局は声明で「資本市場委員会は本日の会合で株の空売り禁止を2010年8月31日まで延長することを決めた」と説明した。延長を決めた理由には言及しなかった。ギリシャ当局は4月28日に空売り禁止を発表。当初は6月28日までとされていた。

【ロイター】
中国は人民元弾力性強化で前進=オバマ米大統領
2010年 06月 25日 04:19 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15989220100624

【ロイター】
英銀がEUのストレステストをパスすると確信=FSA長官
2010年 06月 25日 02:06 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-15987920100624

2010年6月28日月曜日

(6月24日)豪州ギラード新首相誕生


豪州で政変があった。それまで労働党党首であったケビン・ラッド首相は、2007年11月の総選挙で政権交代を実現した主役であったが、排出権取引制度の導入を議会に諮っていたものの野党が過半数を占める上院で2回も否決され、この議論を3年間延期する方針を4月下旬に明らかにしていた。その結果、指導力に問題があるのではとの見方から支持率にかげりが見え始める。そして、今年の5月2日に資源超過利潤税の導入を発表した。この税制は、新規の資源開発だけでなく、既存の生産に関しても40%の課税を賦課するというものだ。この税制については、資源超過利潤税を徴収した後、更に普通に法人税が課されると言う格好であったため、利益の半分以上を政府が接収することになるという、資源開発会社にとっては非常に厳しい税制である。ラッド首相は、この資源超過利潤税を財政健全化の原資に、また、年金の拡充や法人税減税の財源にしようとしたようだ。税制の詳細は下記金属資源情報センターのレポートが詳しいが、当然ながら資源開発会社は大々的なネガティブキャンペーンを張った。

【ロイター】
ラッド豪首相、排出権取引制度の導入を2013年以降に先送り
2010年 04月 27日 17:40 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-15031220100427

【金属資源情報センター】
成22年 5月 11日 2010年20号
豪州の税制改革(速報)
-連邦政府の方針、及び鉱業分野への潜在的影響-
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/10_20.html

ラッド首相は妥協を図る素振りは見せるものの、根回しの無いまま表に出た資源超過利潤税や、これまで独善的とも見られる(実際は記事に書いてあるのを読んでいるだけなので、本当にそうかどうかは分からないが)政策運営もあり、支持率も低下してきていたことから、労働党内の有力議員がこのままでは選挙に負けてしまうとの危機感を持った。そして、彼らは政党の有力な支持母体である労組の支持も取り付け、国民に人気があるギラード副首相に党首選への出馬を要請し、ギラード副首相はは6月23日夜、選挙の実施をラッド首相に直接要求した。スワン財務大臣も、ギラード副首相側に立った。ラッド首相はカナダのG20に向けて出発しなければならない時間であったが、これをキャンセル。一度は受けて立つ姿勢をみせたが、支持基盤の労働組合や有力政治家がギラード氏支持へと雪崩を打ったため、翌6月24日の議員総会で辞任を表明し、党首選を経ずにギラード氏の新党首就任が決まった。ラッド氏は労働党の緊急連邦議員総会後の記者会見で、「党の勝利に全力を尽くし、善政を進めてきた」と辞任の無念さを涙ながらに語ったそうだ。

【産経新聞】
窮地の豪ラッド政権 初めて支持率逆転 (1/2ページ)
2010.6.10 20:11
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100610/asi1006102013004-n1.htm

【ロイター】
豪政府、資源超過利潤税の一部変更を検討へ
2010年 06月 16日 16:36 JST
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/10_20.html

【読売新聞】
女性首相選挙の顔に、豪労働党支持急落で危機感
2010年6月25日02時01分
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100625-OYT1T00098.htm?from=nwla

ギラード市は豪州初の首相である。経歴は、以下の毎日新聞の記事を見ると良い。ギラード新首相の政策方針などは、現時点でよく分からないが、今後のギラード新首相の政策運営、特に資源超過利潤税の落としどころをどうするかが注目だ。


ギラード新首相
(http://www.theaustralian.com.au/politics/this-is-utilitarian-old-school-politics/story-e6frgczf-1225884036898)

【毎日新聞】
2010年6月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20100625ddm007030170000c.html

キーパーソン:ジュリア・ギラード氏=オーストラリア初の女性首相

 ◇教育、労使改革で実績--ジュリア・ギラード氏(48)

 「オーストラリアの大地と国民のため、全力を尽くすことを心から誓います」。初の女性首相として、就任式で高らかに宣言した。

 61年、英国の貧しい家庭に生まれ、間もなく気管支肺炎を患う。4歳の時に両親、姉と豪州南部アデレードに移住。

 「経済的理由に加え、医者から温暖な地での生活をすすめられたことも理由だったのでは」と回想する。

 メルボルン大学法学部に進学し、学生運動に参加。卒業後は弁護士になった。98年に連邦下院議員に初当選して政界入りを果たし、06年に労働党の副党首に就任した。

 07年の前回総選挙ではラッド氏を支えて政権交代を実現。副首相に加え、教育相、雇用・職場関係相を兼務し、教育や労使制度改革などで実績を上げた。

 政治家としての特徴は歯切れの良い語り口。国会答弁にも定評がある。ユーモアのセンスも持ち、その美しい容姿も相まって、国民の人気は高い。

 読書家で知識人だった父は、娘たちに偉大な政治家たちの演説を繰り返し聞かせた。

 「お気に入りは米国のケネディ元大統領とマーティン・ルーサー・キング牧師。父から知的探究心を学んだ」

 未婚で子供はなく、美容師のパートナーがいる。【ジャカルタ佐藤賢二郎】


《ニュース備忘録》


【ロイター】
ヘッジファンド規制強化、欧州議会とEUの協議が物別れに
2010年 06月 24日 22:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15987320100624

【ロイター】
人民元は続伸、中銀の圧力弱まり変動幅拡大
2010年 06月 24日 22:36 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15987220100624

【ロイター】
仏労組、年金改革などに抗議し24日に全国規模のスト実施
2010年 06月 24日 21:26 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15986620100624

【ロイター】
人民元、年内に対米ドルで約3%上昇も=人民銀金融政策委
2010年 06月 24日 17:14 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15984620100624

【ロイター】
豪で初の女性首相にギラード氏就任、資源税見直しも
2010年 06月 24日 15:49 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15982520100624

【ロイター】
オバマ米大統領の支持率、就任以来最低の45%に
2010年 06月 24日 13:25 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15979420100624

【ロイター】
参院選スタート、菅首相は日本財政の危機を訴え
2010年 06月 24日 12:38 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15978320100624

【ロイター】
米FOMCが景気判断引き下げ、長期の低金利維持を再表明
2010年 06月 24日 07:19 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15968520100623

【ロイター】
景気の現状に甘えるべきでない=G20声明草案
2010年 06月 24日 01:15 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15966420100623

(6月23日)FOMC景気判断を慎重化

米国で金融政策が発表された。全文は以下の通り。特に大きな変更点は無いと思うのだが、この日の後のニュースでは景気見通しがやや慎重になったと言う解説が成されている。確かに、1段落目は一番最後の部分に「although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time(しかしながら、景気回復の速度は当面緩やかなものになる可能性が高い)」というコメントが加えられていたりする。この日の株式市場の下落、リスク回避志向の強まり、ひいてはドル円相場が1ドル=90円台割れになった要因を後ろから後押しする材料になったのであろう。当面、このFRBの景気認識が一歩後退した、それが低金利の長期化が強まるのではと言う連想ゲームが、円高の材料となりうるであろう。

【FRB】
Release Date: June 23, 2010
For immediate release
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20100623a.htm

【ブルームバーグ】
FOMC声明:金融は「主に国外要因」で成長支援弱まる
2010/06/24 03:56 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=ah01RRbnmGrU

Information received since the Federal Open Market Committee met in April suggests that the economic recovery is proceeding and that the labor market is improving gradually. Household spending is increasing but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. Business spending on equipment and software has risen significantly; however, investment in nonresidential structures continues to be weak and employers remain reluctant to add to payrolls. Housing starts remain at a depressed level. Financial conditions have become less supportive of economic growth on balance, largely reflecting developments abroad. Bank lending has continued to contract in recent months. Nonetheless, the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability, although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time. (4月の前回会合以降に入手した情報から、景気回復は進行中で、労働市場は徐々に改善しつつあることがうかがわれる。家計支出は伸びつつあるが、高い失業と所得の伸び悩み、住宅資産の減少、厳格な信用条件によって依然抑制されている。企業による機器やソフトウエアへの投資は著しく増加した。しかし非住居用建造物への投資は引き続き弱く、雇用主は雇用拡大に依然として消極的だ。住宅着工は依然として抑制された水準にある。金融の状況は総じて経済成長を支える方向性を弱めており、これは主に国外の展開を反映している。銀行融資はこの数カ月、縮小を続けている。経済の回復ペースは当面、緩やかなものになる可能性が高いものの、物価安定という流れの中でより高いレベルでの資源活用へ徐々に復帰すると委員会は予想する。 )

Prices of energy and other commodities have declined somewhat in recent months, and underlying inflation has trended lower. With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to be subdued for some time. (エネルギーなどの商品価格はこの数カ月で幾分か下落し、基調的なインフレは下降トレンドにある。著しい資源のたるみ(スラック)が引き続き価格圧力を抑え、長期的なインフレ期待は安定しており、インフレは当面、抑制された状態が続く可能性が高い。 )

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. (委員会はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0%から0.25%のレンジで据え置き、低レベルでの資源活用とインフレ抑制トレンド、安定したインフレ期待を含む経済状況が長期にわたって、FF金利の異例な低水準を正当化する可能性が高いと引き続き想定している。 )

The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and will employ its policy tools as necessary to promote economic recovery and price stability. (委員会は今後も、経済見通しと金融市場の状況の変化に合わせ、景気回復と物価安定を促進するため必要に応じて政策手段を導入する意向だ。)

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Donald L. Kohn; Sandra Pianalto; Eric S. Rosengren; Daniel K. Tarullo; and Kevin M. Warsh. Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to a build-up of future imbalances and increase risks to longer-run macroeconomic and financial stability, while limiting the Committee’s flexibility to begin raising rates modestly. (このFOMCの金融政策に対し、バーナンキ議長、ダドリー副議長、ブラード総裁、デューク理事、コーンFRB副議長、ピアナルト総裁、ローゼングレン総裁、タルーロ理事、ウォーシュ理事が賛成した。一方、ホーニグ総裁はFF金利誘導目標を異例の低水準に長期にわたって設定する可能性を引き続き示すのは、将来の不均衡を積み上げることにつながり、長期運営に基づくマクロ経済と金融の安定へのリスクを高める恐れがあると同時に、委員会にとっては緩やかな利上げを開始する柔軟性が抑制されるとして、もはや正当化されないと述べ、今回の決定には反対票を投じた。)


《ニュース備忘録》

【ロイター】
中国農業銀の香港IPO、11社に54.5億ドル割当=関係筋
2010年 06月 23日 23:30 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15965720100623

【ロイター】
ギリシャ、債務再編なしに危機乗り切ること可能=財務相
2010年 06月 23日 19:35 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15964620100623

【ロイター】
ホンダの中国工場で操業停止が拡大、ニッパツのストで部品不足
2010年 06月 23日 19:18 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15964420100623

【ロイター】
露ガスプロム、ベラルーシ向けガス供給の削減幅を60%に引き上げ
2010年 06月 23日 16:33 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15961620100623

【ロイター】
英政府の財政緊縮策、景気回復に水を差す可能性
2010年 06月 23日 14:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15957320100623

【ロイター】
日本の財政運営戦略、格付け支援要因=フィッチ
2010年 06月 23日 13:21 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15956420100623

【ロイター】
英米首脳、G20会合で財政健全化に向け取り組む方針
2010年 06月 23日 12:15 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15955120100623

【ロイター】
米財務長官とサマーズ氏が、G20の過度の赤字削減に警鐘
2010年 06月 23日 10:54 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15952620100623

【ロイター】
英・仏・独、G20会合を前に銀行課税導入案を発表
2010年 06月 23日 08:09 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15950320100622

【ロイター】
英政府が緊急予算案発表、VAT20%への引き上げなどが柱
2010年 06月 23日 06:43 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15947320100622

【ロイター】
5月米中古住宅販売、予想外に減少
2010年 06月 23日 03:56 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15947820100622

(6月22日-2)財政運営戦略

6月22日に政府は財政運営戦略を閣議決定した。

【国家戦略室】
財政運営戦略
http://www.npu.go.jp/policy/policy01/index.html#g

この中で、財政健全化目標については以下のような目標を立てている。その中で、「国債発行額の抑制財政健全化目標を確実に達成するとともに、財政健全化への積極的な姿勢を市場に向けて発信し、市場の信認を確保する観点から、平成23 年度の新規国債発行額について、平成22 年度予算の水準(約44 兆円)を上回らないものとするよう、全力をあげる。」と、来年度の予算編成における借金の上限を明記した。ただし、末尾には『・・・とするよう、全力をあげる。』とのなぞの文言が挿入されている。

(1)収支(フロー)目標

残高目標を達成するために、以下のとおり、収支の改善を図ることとする。

① 国・地方の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)について、遅くとも2015 年度までにその赤字の対GDP比を2010 年度の水準から半減し、遅くとも2020 年度までに黒字化することを目標とする。

② 国の基礎的財政収支についても、遅くとも2015 年度までにその赤字の対GDP比を2010 年度の水準から半減し、遅くとも2020 年度までに黒字化することを目標とする。

③ 2021 年度以降も下記(2)の残高目標にかかる達成状況を踏まえつつ、財政健全化努力を継続する。

(2)残高(ストック)目標

2021 年度以降において、国・地方の公債等残高の対GDP比を安定的に低下させる。

国と地方のプライマリーバランスの改善時期を2015年までに半減、2020年までに黒字化と明記しているが、このころには総理大臣は変わっているだろう。国と地方の公債等残高の対GDP比を安定的に低下させるのが2021年度以降としているが、今から10年後はどうなっているか良くわからない。

閣議決定の対象ではないが、同日に内閣府が発表した「経済財政の中長期試算」では、以下のようなシナリオが描かれている。潜在成長率は2020年に2.3%まで上昇。実質成長率とほぼ一致する。一方で、名目成長率はデフレを脱却したと仮定されることから、2020年は3.6%成長。ちなみに、消費者物価指数は2011年度に前年比±0%になるとの設定である。これは、先週18日に発表された新成長戦略でも2011年に消費者物価指数を2011年度中にはプラストの目標を掲げている。他方、財政再建を進めると言っているわけだから、おのずとデフレ脱却は日銀の金融政策に頼らざるを得ない。

成長戦略シナリオ
         09年度 10年度 11年度 12年度 13年度 15年度 20年度 23年度
潜在成長率     0.6    0.7    0.8    1.0    1.2    1.7    2.3    2.4
実質成長率    -2.0    2.6    2.0    2.6    2.4    2.1    2.3    2.4
名目成長率    -3.7    1.6    1.7    2.9    3.0    3.4    3.6    3.6
消費者物価    -1.7   -0.4    0.0    1.0    1.4    1.9    1.9    1.8
失業率       5.2    4.8    4.4    4.2    3.9    3.4    3.1    3.0
長期金利      1.3    1.6    1.7    2.2    2.4    3.1    4.6    5.1

基礎的財政収支 -38.5  -30.8 -27.0   -23.9  -19.9  -15.0   -13.7   -11.7
財政収支     -48.6   -42.0 -38.2   -36.0  -33.5  -33.4   -50.0   -62.1
公債残高     782.2   827.1 868.9  908.7  947.0 1,024.7 1,270.7 1,463.8
対GDP比
基礎的財政収支  -8.1   -6.4   -5.5   -4.7   -3.8    -2.7   -2.1   -1.6
財政収支     -10.2   -8.7   -7.8   -7.1   -6.4    -6.0   -7.6   -8.4
公債残高     164.3  171.1 176.7 179.7  181.7  184.3  192.2  199.0

国の一般会計
一般歳出     102.6   92.3   92.9   94.5   97.0   106.2   137.6   160.7
基礎的財政収支対象経費
           83.3   70.9   70.9   70.9   70.9    73.9   84.0    90.7
国債費       19.3   20.6   22.0   23.5   26.0    32.3   53.6    70.0
税収等       49.1   48.0   43.7   47.5   51.1    57.2   67.7    75.3
税収        36.9   37.4   39.6   42.9   46.5    52.5   62.6    69.9
その他収入    12.2   10.6    4.1    4.5    4.6    4.7    5.1    5.4
歳出と税収等との差額
           53.5   44.3   49.2   47.0   45.9   49.0   69.9    85.4

その他、長期金利が2012年度には2.2%となっているが、消費者物価指数が1%のプラスの伸びとなっていることが前提とは言え、なかなかそこまでの金利上昇は難しいのではないかと、今の時点では思ってしまう。基礎的財政収支の赤字も2010年度が30.8兆円、2011年度が27.0兆円、ここに国債費などの利払や債務償還費用を除いた財政収支は2010年度が42.0兆円の赤字、2011年度が38.2兆円の赤字。公債残高は2015年度には1000兆円を超え、2023年度には対GDP比で200%に接近する。
緩やかな氷山衝突前のタイタニック号のようだが、氷山までの距離は度の程度か、経験則が無いので難しい。

(6月22日)英国緊急予算

英国が6月22日に緊急予算を発表した。5月6日に実施された総選挙によって5月11日に保守党政権が誕生し、6月14日に予算見通しを発表。そこから間をおかずに緊急予算の発表となった。その内容は財政健全化に向けた姿勢を鮮明にしている。報道等によれば、付加価値税(VAT)の税率が2011年1月に現行の17.5%から20.0%に引き上げられ、銀行への特別税(現時点では、バランスシートに対して0.07%という報道がある)、キャピタルゲイン税を現行の18%から28%に引き上げることを盛り込んでいる。

一方で、法人税を現在の28%から11年に1%引き下げて27%とし、2014年には24%に引き下げるとしている。また、所得税の課税最低限度を引き上げ、約100万人が課税対象外になるといった減税措置も同時に発表している。

日本では付加価値税の増税と法人税減税が大きく取り上げられており、菅政権の緊縮財政方針を援護射撃するような報道が成されている。

【英国財務省】
2010 Budget
http://www.hm-treasury.gov.uk/2010_june_budget.htm
        08年度  09年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
10億£     実績   見込み  見通し
歳入       533.8  514.6  548   584    622   662   700    737
歳出       564.7  600.6  637   651    665   679   693    711
減価償却     18.7   19.7    21   22    22    23   24    25
財政収支    -49.7   -105.6  -110  -88    -65   -40   -17    0
純投資額     46.4    49.0   39   27    24    20    21    21
純財政赤字    96.1   154.7  149   116    89    60    37    20
純債務残高   616.9  771.5  932  1,059  1,162  1,235  1,284  1,316
名目GDP   1,434.0 1,408.0 1,474  1,539  1,620  1,710  1,803  1,902
対名目GDP比
歳入        37.2    36.5   37.2   37.9    38.4   38.7   38.8   38.7
歳出        39.4    42.7   43.2   42.3    41.0   39.7   38.4  37.4
減価償却      1.3    1.4    1.4    1.4    1.4    1.3    1.3   1.3
財政収支     -3.5    -7.5   -7.5   -5.7    -4.0   -2.3   -0.9    0.0
純投資額      3.2    3.5    2.6    1.8     1.5    1.2    1.2    1.1
純財政赤字    6.7    11.0   10.1   7.5     5.5    3.5   2.1    1.1
純債務残高   43.0    54.8   63.2   68.8   71.7   72.2   71.2   69.2
安定成長協定ベース
財政赤字     6.8    11.3    10.1   7.6     5.6   3.6    2.2    1.2
債務残高    55.8    71.2    78.9   83.6    85.5   84.9   83.1  80.4
6月14日発表時点
安定成長協定ベース
財政赤字    6.8    11.5    10.5   8.3    6.6    5.1    4.0
債務残高   55.8    71.2    79.0   84.7   87.5   88.4   88.2

安定成長協定ベースの財政赤字は、2010年度は10.1%と、6月14日の見通しの10.5%から0.4%下がるに止まるが、財政赤字は改善が進み、2014年度時点では前回は4.0%の赤字を見込んでいたものを、2.2%の赤字に止まるとの予想に修正している。また、債務残高についても、そのピークは2013年度の88.4%としていたものを、ピークを1年前倒しして2012年度の85.5%としている。

しかし、財政収支の改善が歳出、歳入のどちら側からもたらされるのかと言うことを、先日14日の予算見通しからの比較で見てみると以下の通りとなる。つまり、歳入額の変化よりも歳出額の変化の方が、英国の財政赤字縮小の寄与が大きい。2011年度は財政収支の90億ポンドの改善を見込んでいるが、そのうち歳入増は20億ポンドで、歳出減は70億ポンドとなっている。後年に至るとより歳出削減の効果を大きく見積もっており、2014年度の310億ポンドの財政収支改善は、30億ポンドが歳入増によるもの、残りの280億ポンドが歳出減によるものとなっている。この先の英国財政を見ていく上では、度の程度歳出カットにメスが入るかがポイントと言えよう。

10億£   10年度  11年度  12年度  13年度  14年度
見通し
今回歳入額  548    584    622    662    700
前回歳入額   546    582    620    659    697
歳入修正額    2     2     2     3     3
今回歳出額   637    651    665    679    693
前回歳出額   640    658    678    699    721
歳出修正額    -3     -7    -13    -20    -28
歳出入修正(財政収支改善)
           5     9     15     23     31
改善寄与割合(%)
歳入      40.0    22.2    13.3    13.0    9.7
歳出     60.0    77.8    86.7    87.0   90.3

増税による歳入増を国民に求めることは、政治的にハードルが高い。一方、歳出削減で費用を捻出できると言う見通しを語ることは、場合によっては夢を語ることと同じで、その場をしのぐ方法としては容易な手段である。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
英・仏・独、協調して銀行への課税導入へ=ドイツ財務省
2010年 06月 22日 23:55 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15945220100622

【ロイター】
中国、鉄鋼製品などの輸出への税金払い戻し制度撤廃へ
2010年 06月 22日 23:45 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15945520100622

【ロイター】
スペイン、今後数カ月の国債入札に問題なし=財務省高官
2010年 06月 22日 23:37 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-15945820100622

【ロイター】
人民元が0.23%下落して終了、前日の上げを半分を失う
2010年 06月 22日 19:15 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15943020100622

【ロイター】
人民元改革、「管理可能で緩やか」であるべき=中国外務省
2010年 06月 22日 17:08 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15939120100622

【ロイター】
目標達成へ道筋なき財政運営戦略、試金石の11年度予算編成
2010年 06月 22日 11:21 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15931020100622

【ロイター】
スイス中銀、現時点で為替介入の必要ない=副総裁
2010年 06月 22日 07:15 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-15925220100621

【ロイター】
人民元弾力性強化、中国とパートナーの利益=ECB総裁
2010年 06月 22日 04:43 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15923820100621
「中国当局が公表した決定は、中国自身の国益にもなり、かつ中国のパートナーの国益にもなるため、良い決定だったと考える」「正しい方向性を示している」「物価が安定し、より長期的なインフレ期待がしっかりと抑制されているとの見通しから、理事会は金融政策のスタンスと主要政策金利の水準は適切であるとみなしている」

【ロイター】
人民元弾力性強化、米中関係改善に寄与=米駐中国大使
2010年 06月 22日 02:00 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15922520100621
米国のハンツマン駐中国大使は「米中関係の交渉から、障害が1つ取り除かれた」と述べた。

【ロイター】
一部G20、人民元弾力化の詳細求める構え=加財務相
2010年 06月 22日 01:55 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15922820100621
カナダのフレアティ財務相は21日、「一部諸国は一段の詳細を希望するだろう。工程表のようなものを望む声も上がるかもしれない」と語った。