7月1日に日銀短観が発表された。
短観(2010年6月)
2010年7月1日
日本銀行調査統計局
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/tk/gaiyo/tka1006.pdf
大企業製造業の業況判断DIは+1ポイントと、前回3月調査の先行きで示された-8ポイントから大きく改善していた。先行きについても+3ポイントと、小幅の改善を見込んでいる。機械産業などの業況が改善しているようだ。一方の大企業非製造業の業況判断DIは-5ポイントと前回3月調査の先行きで示された-10ポイントを上回った。先行きについては-4ポイントと、若干の改善に止まると見込まれている。通信業での業況改善が一服するからと見込まれているようだ。大企業製造業の業況改善は鮮明だが、中小企業の改善が今一という構図はいつもどおり。アジアへの輸出の恩恵を受けて、製造業の方が、改善しているようだ。
業況判断DI 10年3月調査 10年6月調査 前回調査と今回調査の
最近 先行き 最近 先行き 最近の値の変化幅
大企業製造業 -14 -8 +1 +3 +15
大企業非製造業 -14 -10 -5 -4 +9
中小企業製造業 -30 -32 -18 -19 +12
中小企業非製造業 -31 -37 -26 -29 +5
2010年度の設備投資計画については製造業が前年比+3.8%で修正率1.4%、非製造業が前年比+4.6%で修正率1.3%、全産業が前年比+4.4%で修正率1.3%。それぞれ計画が前向きになっているが、毎年年度を越えた6月調査で設備投資が上方修正するのは当たり前のことなので(09年度は大きく下がっていたが、これは異例)、驚きは無い。売上高経常利益率は以下の様にまぁまぁ改善を見込んでいるので、企業が前向きな設備投資を行う環境はできつつある。
09年度上期 09年度下期 10年度上期 10年度下期
大企業製造業 1.32% 4.42% 3.61% 4.43%
大企業非製造業 3.59% 3.08% 3.45% 3.52%
中小企業製造業 1.12% 2.82% 2.61% 3.16%
中小企業非製造業 1.57% 2.38% 1.87% 2.46%
しかし、問題は想定為替レートで、大企業製造業の2010年度の想定為替レートが1円程度だが円高方向に修正されている。それだけ企業の耐久力が増しているということを意味するのだが、実際の為替レートはドル円相場が90円を割り込む円高になっている。この先、この円高水準が定着すると、企業利益を圧迫することにもなりかねないので、注意が必要だ。
2010年3月調査 2010年6月調査
2009年度 92.71 92.84
上期 94.78 94.80
下期 90.91 91.17
2010年度 91.00 90.18
上期 90.97 90.20
下期 91.02 90.16
短観大企業製造業業況判断DI
《ニュース備忘録》
【ロイター】
米10年債利回りが一時2.90%割れ=米金融・債券市場午前
2010年 07月 1日 23:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16103420100701
【ロイター】
ECBが6日物オペで1112億ユーロ供給、欧州の資金調達懸念後退
2010年 07月 1日 21:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16102320100701
【ロイター】
世界的に外準のユーロ離れ大きく進まず、豪ドルなどに多様化の波
2010年 07月 1日 18:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16099520100701
【ロイター】
中国経済は第3四半期に減速、第4四半期に政策緩和も
2010年 07月 1日 10:33 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16088520100701
【ロイター】
大企業製造業の業況判断DIは08年6月以来のプラス転換
2010年 07月 1日 11:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16089120100701
【ロイター】
スペイン格付け、見直し後に引き下げの可能性=ムーディーズ
2010年 07月 1日 05:02 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16082720100630