2010年7月11日日曜日

(7月6日)豪州金融政策据置き

豪州準備銀行が政策金利を発表した。4.5%の据え置きでサプライズは無し。ただし、文章の一番最後の“the Board views this setting of monetary policy as appropriate. ”(政策委員会は金融政策の現在の設定が適切だと判断する)という文言について、前回は『for the near term (目先)』という単語が付いていたのだが、今回この文言が取れた。徐々に豪州準備銀行が再利上げに向けて動き始めているのではないかと言う見方も出てきている。豪州は資源国としての地位の優位性があり、金融引き締めを着実に実行できているようだ。

Number 2010-12 Date 6 July 2010 Embargo For Immediate Release
Statement by Glenn Stevens, Governor: Monetary Policy Decision

http://www.rba.gov.au/media-releases/2010/mr-10-12.html
At its meeting today, the Board decided to leave the cash rate unchanged at 4.5 per cent. (本日の会合で、政策委員会はキャッシュ・レートを4.5%で据え置くことを決定した。)

The global economy has continued to expand over recent months, consistent with a trend pace of growth. The expansion remains uneven, with the major advanced countries recording only modest growth overall, but growth in Asia and Latin America, to date, very strong. There are indications that growth in China is now starting to moderate to a more sustainable rate. In Europe, while output in some key countries has been improving recently, prospects for next year are more uncertain given the budgetary constraints governments face and the pressure on euro area banks. US growth has looked stronger in the first half of 2010 but the pace of labour market improvement is slow. (世界経済は足もと数ヶ月、成長のトレンドペースに一致するように拡大が続いてきた。この景気拡大は均一ではなく、主要先進国は緩やかな成長が全般的に記録されており、一方アジアやラテンアメリカについては現時点までとても力強いものである。中国の経済成長は、より持続可能な率での緩やかさになりつつある兆候がある。幾つかの欧州主要国については、最近まで生産の改善が続いているものの、来年の見通しは財政の制約に政府が直面していることや、ユーロ圏の銀行に対する圧力があるためより不透明である。米国の成長は2010年前半は強いようだが、労働市場の改善ペースは緩やかだ。)

(中略)

The labour market has continued to firm gradually, and after the significant decline last year, growth in wages has picked up a little, as had been expected. Underlying inflation appears likely to be in the upper half of the target zone over the next year. The rate of CPI increase is likely to be a little above 3 per cent in the near term, due to the effects of increases in tobacco taxes announced earlier in the year and significant increases in prices for utilities. (労働市場は徐々に堅固なものになり続けているが、昨年の非常に大きな悪化の後、予想通り賃金の上昇は小さい。物価上昇に関する基礎部分については、来年は上半分の目標範囲になると見られる。消費者物価上昇率については、今年初めに発表されたタバコ税の引き上げの影響や、公共料金の大幅な引き上げによって、近いうちに3%を若干上回る水準になりそうだ。)

The current setting of monetary policy is resulting in interest rates to borrowers around their average levels of the past decade. Pending further information about international and local conditions for demand and prices, the Board views this setting of monetary policy as appropriate. (現在の金融政策の状況について、金利水準は借り手にとって、過去10年間の平均水準となっている。内外の需要や物価状況に関する追加的な情報を待つ間、政策委員会は金融政策の現在の設定が適切だと判断する。)

訳した後に気付いたのだが、ロイターが全訳を発表していた。トホホ。

【ロイター】
UPDATE1: 豪中銀の声明全文
2010年 07月 6日 15:10 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK873392120100706

オーストラリア準備銀行は本日の理事会において、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.50%に据え置くことを決めた。

 世界経済はここ数カ月、トレンド成長率に沿って拡大を続けている。拡大は依然として一様でなく、主要先進国は全体に小幅な成長率しか記録していないが、アジアと中南米の成長率はこれまでのところ非常に力強い。中国の成長率は現在、より持続的なペースに減速し始めている兆候が出ている。欧州では、一部主要国の生産が最近になって回復しているものの、各国政府が直面している予算上の制約やユーロ圏の銀行への圧力を考えれば、来年の成長見通しはますます不透明になっている。米国の成長率は2010年上半期に力強くなってきたようだが、雇用市場の回復は緩慢だ。

 過去2カ月間、金融市場では警戒感が歴然としていた。主に欧州諸国政府や銀行への懸念が理由だが、先行きの世界の成長ペースに対する不透明感にも起因している。金融相場は変動が激しくなっており、主要国の株価と政府債利回りは低下している。2008年末ほどではないにしても、資金調達市場には、明らかにある程度のひっ迫感がある。商品価格は高値から下落しているが、オーストラリアにとって最も重要な商品の価格は引き続き非常に高い水準にあり、交易条件は2年前につけたピークに接近している。

 オーストラリアでは高い交易条件が所得と需要を押し上げるとみられる中、今後1年の生産の伸びは、先に実施した景気刺激策の効果が薄れていったとしても、トレンド近辺になる見込みだ。個人消費支出は現在緩やかに拡大しており、家計はある程度慎重になっているが、大半の経済指標は企業の投資が今後1年間に拡大することを示唆している。一部セクターの信用状況は依然として厳しいものの、企業の与信は安定化したもようだ。住宅ローン残高は堅実なペースで拡大を続けている。ただ住宅価格の上昇ペースは今年これまでよりも鈍化している。

 雇用市場は引き続き徐々に引き締まっており、昨年大幅に下落した賃金の伸びは予想通りに若干回復している。今後1年の基調インフレ率は目標圏の上半分になる公算だ。消費者物価指数(CPI)の上昇率は、今年発表されたたばこ税増税と公共料金の大幅引き上げの影響により、短期的に3%を若干上回る水準になる見込み。

 現在の金融政策により、借り入れ金利は過去10年間の平均水準前後にある。需要および物価についての内外の環境に関するさらなる情報が明らかにになるまでは、理事会は現在の金融政策が適切だと判断している。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
大阪府の貸金特区構想、実現性不透明で関連株は波乱商状に
2010年 07月 6日 17:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16156820100706

【ロイター】
豪中銀、オフィシャルキャッシュレートを4.50%に据え置き
2010年 07月 6日 14:08 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16152320100706

【ロイター】
米原油流出食い止めに「核爆発利用を」、米ロ専門家が主張
2010年 07月 6日 12:57 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16150920100706

【ロイター】
英経済は第2四半期に強い伸び示す見通し=商工会議所
2010年 07月 6日 12:51 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16148220100706

【ロイター】
ストレステストで問題の国、緊急支援策活用も=欧州委員
2010年 07月 6日 08:26 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16145420100705

【ロイター】
ポーランド大統領にコモロフスキ氏、改革に焦点
2010年 07月 6日 07:28 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16144820100705

【ロイター】
ECB総裁、大手欧州行とストレステストで協議へ
2010年 07月 6日 06:18 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16144520100705

【ロイター】
ギリシャのソブリンリスク、世界で2番目に高い=調査
2010年 07月 6日 00:32 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16143220100705

0 件のコメント: