2010年7月11日日曜日

(7月2日-2)インド緊急利上げ

7月2日インド中銀が金融政策の定例発表を待たずに利上げを実施した。インドでは景気拡大の中で過熱感が増しており、インフレが高まっている。特に、6月25日に政府が燃料価格を引き上げたことによるインフレ懸念が拡大しており、7月5日にはトラック運送業者や商店主らによるストライキが行われた。ストライキの拡大は中国同様政情不安定化要因の一つであるため、注意が必要だ。また、面白いところで言うと、携帯電話の3G周波数の入札にからみ、その政府への支払いによって金融市場から資金が吸収されてしまい、資金が逼迫するとの懸念から、流動性については緩和的な手段を講じているとのことだ。文末には、インフレ懸念などを注視し、たぶんインフレがこれからも上昇する可能性が高いと考えられるため、追加利上げを行うだろうとの示唆した文言で締めくくっている。

【インド準備銀行】
Date : 02 Jul 2010
RBI announces Monetary Policy and Liquidity Management Measures
Monetary Policy Measures
http://www.rbi.org.in/scripts/BS_PressReleaseDisplay.aspx?prid=22766

On an assessment of the current macroeconomic situation, it has been decided to take the following monetary policy measures as a part of the calibrated exit from the expansionary monetary policy:(現在のマクロ経済状況を精査し、拡張的な金融政策からの修正に向けた出口の一環として、以下のような金融政策方針を決定した。)

? to increase the repo rate under the Liquidity Adjustment Facility (LAF) by 25 basis points from 5.25 per cent to 5.50 per cent with immediate effect.(流動性調整ファシリティの下、レポレートを5.25%から0.25%引き上げて、即日5.50%とする。)

? to increase the reverse repo rate under the LAF by 25 basis points from 3.75 per cent to 4.0 per cent with immediate effect.(リバースレポレートを同じく流動性調整ファシリティの下3.75%から0.25%引き上げて、即日4.0%とする。)

Rationale for Extension of Liquidity Management Measures(流動性運営手法の拡張の根拠)

In late May 2010, in anticipation of the liquidity pressures on account of payments for 3G spectrum and advance taxes, the Reserve Bank took certain liquidity easing measures. Even as the liquidity situation has begun to ease, these measures are being extended since liquidity tightness may persist.(2010年5月終盤、3G周波数の支払いや追加的課税による支払いからの流動性への圧力の懸念に対し、準備銀行は流動性緩和手法を採用した。流動性状況が緩和し恥じまたとしても、これらの手段は流動性逼迫が粘り強く残る限り延長される。)

The Reserve Bank will continue to monitor the macroeconomic conditions, particularly the price situation, and take further action as warranted. (準備銀行は引き続きマクロ経済状況、特に物価状況を注視し、正当化されるならば追加的な行動を行う。)

【ブルームバーグ】
インド中銀、今年3度目の利上げ-インフレ警戒で会合待たず(Update1)
2010/07/02 23:07 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aVir3MVftLgo
中銀の声明によると、リバースレポ金利は4%、レポ金利は5.5%と、それぞれ0.25ポイント引き上げられた。

  インド政府は6月25日にガソリンとディーゼル燃料の価格を引き上げた。これに伴うインフレ圧力の高まりを背景に、中銀は利上げを決めた。

  声明は、「この金融政策措置はインフレを抑制するとともに、将来に向けたインフレ期待を抑えるだろう。一方で、景気回復の道筋を損なうことはないだろう」と説明した。

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