3月の日本の貿易統計速報が発表された。東日本大震災によって、どれだけ経済活動が悪化したかという点に注目が集まる中、実額統計の中でも比較的発表の早い貿易統計が注目された。輸出が前年比-2.2%の5兆8,660億円、輸入が前年比+11.9%の5兆6,695億円で、貿易収支は1,965億円の黒字となった。輸出の中で大きなマイナス項目は自動車が前年比-27.8%で寄与度で-3.9%、船舶が-10.0%で寄与度が-0.4%、続いて半導体等電子部品が-6.9%で寄与度が-0.4%となっており、まさにサプライチェーンの影響が自動車産業中心に大きかったことが指し示されている。
一方で、輸入のほうは原油が前年比+14.8%で寄与度+2.4%、鉄鉱石が+74.9%で寄与度+1.2%、石炭が前年比+39.4%で寄与度+1.1%と、世界的な資源高が輸入を押し上げている。東日本大震災の影響は一両日では終わらないことを考えると、サプライチェーンの復旧がいつまでかかり、輸出がどの時期から回復して行くかが重要だ。
【財務省】
平成23年4月20日
報 道 発 表
平成23年3月分貿易統計(速報)の概要
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2011_03.pdf
前年比
輸出 金額 5兆8,660億円 -2.2% 16ヵ月ぶりの減少
数量指数 104.1 -3.2% 16ヵ月ぶりの減少
輸入 金額 5兆6,695億円 +11.9% 15ヵ月連続の増加
数量指数 105.3 +5.5% 15ヵ月連続の増加
差引 金額 1,965億円 -78.9% 2ヵ月連続の黒字
貿易統計速報結果
輸出 前年比 輸入 前年比 貿易収支 前年比
10億円 % 10億円 % 10億円 %
10年 3月 6,000.4 43.4 5,068.5 21.0 931.9 -
4月 5,889.7 40.4 5,160.5 24.5 729.2 1388.6
5月 5,308.6 32.1 4,999.5 33.7 309.1 9.9
6月 5,867.2 27.7 5,196.7 26.5 670.5 37.7
7月 5,981.9 23.5 5,197.3 16.1 784.6 114.6
8月 5,209.8 15.5 5,146.0 18.4 63.8 -61.4
9月 5,839.6 14.3 5,065.3 10.3 774.3 49.6
10月 5,722.5 7.8 4,909.9 8.9 812.6 1.6
11月 5,439.8 9.1 5,282.2 14.3 157.6 -56.8
12月 6,112.0 12.9 5,392.4 10.7 719.6 32.6
11年 1月 4,970.3 1.4 5,449.7 12.2 -479.4 -
2月 5,589.0 9.0 4,935.7 10.0 653.3 2.4
3月 5,866.0 -2.2 5,669.5 11.9 196.5 -78.9
2011年5月29日日曜日
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