2010年6月6日日曜日

(6月1日-2)豪州金利据え置き

豪州が金融政策を発表した。政策金利は4.5%に据え置き。2009年10月に利上げを開始し、今年2月には一度利上げを見送っているが、計6回、累計1.5%の利上げの後の、今回の政策金利据え置きである。

Number 2010-11
Date 1 June 2010
Embargo For Immediate Release
Statement by Glenn Stevens, Governor: Monetary Policy Decision
At its meeting today, the Board decided to leave the cash rate unchanged at 4.5 per cent.
http://www.rba.gov.au/media-releases/2010/mr-10-11.html

カナダ銀行同様に翻訳するのは面倒なので、ロイター通信の全訳を見る。個人的にポイントだと思うのは、英文の最後、政策金利の今後について、“Taking all the available information into account, the Board views this setting of monetary policy as appropriate for the near term. ”(全ての入手可能な情報を考慮に入れた結果、政策委員会は金融政策の現在の設定が「目先(near term)」適切だと判断する。)という「near term」が度の程度の期間を意味するのかということだ。暫くは政策金利の据え置きが続くかもしれないが、欧州の財政危機が払拭されれば、それはすなわち利上げ再開と考えるのが至極適切とも思える。それは、欧州の悪影響が豪州に及ぶリスクではなく、欧州危機による金融緩和期待の中で、豪州だけが利上げを行うことによって生じる金融市場の反応の方が、リスクと考えている。それ以外で、やはり大きいのは中国の不動産引き締めについての進展であろう。

【ロイター】
UPDATE1: 豪中銀の声明全文
2010年 06月 1日 14:52 JST
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPnTK866572220100601
オーストラリア準備銀行は本日の理事会において、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.50%に据え置くことを決めた。

 前回の理事会以来、欧州の一部の国のソブリン債をめぐる懸念が金融市場の焦点となっている。投資家は一般に、警戒感を強めている。その結果、ソブリン懸念に最も大きな影響を受けた国以外でも株価は下落し、長期国債の利回りが低下した。この調整の一環として豪ドルが急落。商品価格も軟化したが、オーストラリアにとって重要な商品の価格は、依然として非常に高い水準を維持している。
 欧州の政策当局者は、当該国に当面の間資金を提供し、債券市場を安定させ、流動性を供給するための大規模な支援措置をまとめることにより、これに対応した。欧州当局はまた、財政赤字を削減し、債務を徐々に安定させることに向けた行動へのコミットメントを示した。

 こうした要因の世界経済への影響を見守っていく必要がある。現段階では、2010年の世界経済は依然、トレンド付近のペースで成長する見通し。欧州全体の状況は比較的弱く、今後予想される財政緊縮はおそらく、欧州の状況の弱さが続くことを意味するが、北米では成長がよりしっかりしたものになりつつある。アジアの経済成長は引き続き非常に強く、向こう1年で、緩やかなものになるかもしれない。 

 オーストラリアでは、高水準の交易条件が収入と需要を押し上げるとみられるなか、今後1年の生産の伸びは、先に実施した景気刺激策の効果が薄れていったとしても、トレンド付近になる見通し。また、今後1年のインフレ率は、目標レンジの半分より上になるもようだ。

 こうした見通しに沿った形で、かつ、これまでの理事会でとった措置の結果として、借り手の金利は現在、過去10年の平均水準付近にある。これは、1年前の非常に景気刺激的な金利水準から、大幅な調整が行われたことを意味する。入手可能なすべての情報を考慮した結果、理事会は、現在の金融政策の設定が、目先は適切だと判断する。

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