2010年9月26日日曜日

(9月12日)バーゼルIIIの自己資本規制

BISが自己資本に関する新規制を決定した。バーゼル銀行監督委員会の上位機関である中央銀行総裁及び監督当局長官らで組織される首脳会議で、自己資本比率や段階的実施スケジュールについての発表を行った。7月26日に発表した「The Group of Governors and Heads of Supervision reach broad agreement on Basel Committee capital and liquidity reform package(中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループがバーゼル銀行監督委員会による自己資本及び流動性に関する規制改革パッケージについて広範な合意に到達)」のプレスリリースに示されている方針に沿った形で、銀行資本についての取り決めが示されており、これを11月のソウルサミットで最終承認する。

Group of Governors and Heads of Supervision announces higher global minimum capital standards
12 September 2010
http://www.bis.org/press/p100912.htm

様々な内容が決定されたのだが、例えば自己資本比率の最低基準や資本バッファーの水準の決定がある。今回のバーゼルIIIでは、狭義のコアTier1(普通株式と内部留保)のリスク資産に対する自己資本比率が4.5%と設定された。そして、Tier1比率は6.0%と定義され、広義の自己資本比率は8.0%で変わりはない。8%の比率は同じだが、中身の質が向上していると言うのが今回の結果だ。

現在はコアTier1比率2%、Tier1比率は4%となっている。

                    コアTier1   Tier1  自己資本比率
最低基準                4.5%    6.0%    8.0%
資本保全バッファー          2.5%
上記2項目合計            7.0%    8.5%   10.5%
カウンター・シクリカル・バッファー 0~2.5%

また、新しいルールでは「資本保全バッファー」という新たなのりしろ部分を積み増すことが決定された。これは、市場のストレスが発生したときに、その影響を吸収できるクッションの役目を果たすことになる。もう一つはカウンターシクリカル、つまり、景気循環の変動に対応した資本バッファーで、金融監督当局が信用拡張が起きていると判断した場合に発動されるもので、コアTier1、コモン・エクイティ比で0~2.5%の上乗せが提示された。これは、一般的な金融政策の領域に似ていて、預金準備比率の引き上げ以上に金融機関の資本を締める影響が大きい。

その他、自己資本の定義についてや、レバレッジ比率をまず3%として実施してみようとの提示が行われている。

そして、バーゼルIIIを承認した国は、それぞれの国内法で2013年1月1日までに定め、これを実施に移さなければならない。ただし、バーゼルIIIは移行期間が設けられていて、2013年初期の段階ではコモン・エクイティ比率は3.5%、Tier1比率は4.5%、通常の自己資本比率は8.0%で始まる。

一応、自己資本に関する議論はこのバーゼルIIIの発表で大きな峠は越えたと言えるが、金融規制に関する議論は、11月のソウルサミットまで続くとみられる。特に、デリバティブ取引や格付け機関に関する議論は続いている。更に、システム上重要な金融機関に対して資本の上乗せを求める「資本サーチャージ」が議論される予定にもなっていることから、議論は完全に出尽くしたわけではない。
世界的な金融機関に対する規制については、7合目くらいの所まで来たくらいだろう。

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