2010年9月7日火曜日

(9月1日-2)BIS為替調査

9月1日にBISが3年に1度の世界の4月時点の為替取引活動状況を発表した。


Triennial Central Bank Survey of Foreign Exchange and Derivatives Market Activity in April 2010 - Preliminary global results - Turnover
September 2010
http://www.bis.org/publ/rpfx10.htm

具体的な結果はレポートをじっくり読んだら良いが、表面的に数字から見て取れることをつらつら書き連ねると、種類別の取引量ではスワップ取引量が2007年から横ばいであるのに対し、スポット取引の増加が顕著ということだ。文中では詳しい説明が無かったが、金融危機などによって時間の関係しているスワップなどの取引量が伸び悩む中で、スポット取引の増加が著しくなったことが考えられる。また、アルゴリズムトレーディングなどの発展によって、デリバティブ以上により普遍的で流動性のあると考えられるスポットの相場が取引の中心になっているからとも考えられる。

平均1日取引量 10億ドル
年             1998  2001  2004   2007  2010
合計           1,527  1,239  1,934  3,324  3,981
スポット          568   386   631  1,005  1,490
フォワード         128   130   209   362   475
為替スワップ       734   656   954  1,714  1,765
通貨スワップ       10    7    21    31    43
その他(オプション等)  87    60   119   212   207

また、取引通貨別の比率を見ると、米ドルの比率が若干下がる一方で、円高などの市場トレンドに乗って円の取引量が増えているようだ。この様な3年に1度であるが時系列データを見ると、非常に微妙な割合で米ドルの取引量が低下し、ユーロが増えているのだが、しかしながら米ドルが基軸通貨の地位を降りると言う可能性は非常に低いと言わざるを得ない結果となっている。通貨取引の中心地は、余程のことが起こらない限り変わらないと言える。日本の経済力が落ちる中で日本の相対的な立ち位置も低下していると言うが、取引ウェイトはあまり減っていない。

取引通貨比率(%)
         2001年  2004年  2007年  2010年
米ドル       89.9    88.0   85.6    84.9
ユーロ       37.9    37.4   37.0    39.1
円         23.5    20.8   17.2    19.0
英ポンド      13.0    16.5   14.9    12.9
豪ドル        4.3    6.0    6.6     7.6
スイスフラン    6.0    6.0    6.8     6.4
加ドル        4.5    4.2    4.3     5.3

また、取引ペアの取引量を見てみると、ドル円は1日当りの取引量が5680億ドルとなっている。日本が2003年から2004年3月にかけて35兆円もの大量の資金介入を行った直後の2004年4月時点の1日あたりの取引量が3280億ドルであるから、それから1.7倍もの取引量の増加になっている。このような市場の拡大に対し、日本が今同様の為替介入を行うならば、その分過去(2004年以前当時)よりも多額の介入資金を投じなければならなく可能性がある上、当時はその大量の資金介入でも円高を押しとどめることができなかったと記憶している。

通貨ペア(10億ドル/1日当り)
          2001年  2004年  2007年  2010年
米ドル/ユーロ   372     541    892    1,101
米ドル/円     250     328    438     568
米ドル/英ポンド  129     259    384     360
米ドル/豪ドル    51     107    185     249
ユーロ/円      36      61     86     111
ユーロ/英ポンド  27      47     69     109
円/豪ドル       1       3     6      24

通貨取引地も、英国(ロンドン)の1位と米国の2位が不動である。前回調査では日本がスイスに3位の地位を抜かれ、日本の市場が没落しているという記事を見た記憶があり、香港やシンガポールなどの取引所も急速に追いつきつつある状況であったが、この円高トレンドの流行のなかで、2010年4月の調査では日本における為替取引が増加していたようだ。

地域別(10億ドル/1日当り)
         1998年  2001年  2004年  2007年  2010年
豪州        48.3   54.0   107.1   176.3   192.1
香港        79.9   68.4   106.0   181.0   237.6
日本       146.3   152.7   207.4   250.2   312.3
シンガポール  144.9   103.7   133.6   241.8   266.0
スイス       91.6   76.3   85.3   253.6   262.6
英国       685.2   541.7   835.3  1,483.2  1,853.6
米国       383.4   272.6   498.6   745.2   904.4

3年に1度の調査ではあるが、示唆にとんだ内容である。

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