2010年10月24日日曜日

(10月9日)IMF・世銀総会

10月8~9日にかけてIMF・世銀年次総会、IMF国際通貨金融委員会、世銀・IMF合同開発委員会がワシントンで開催された。財務省のホームページに概要などが発表されているが、ポイントだけ掻い摘んでコピペ。合同開発委員会は貧困や食糧問題などに焦点が当っており、それはそれで重要なのだがスルー。国際通貨金融委員会では、最近の金融市場の動向などが議論されたが、人民元問題について直接的な言及はなされていない。他方、保護主義に対する強い警鐘は鳴らされていた。

同委員会における日本のステートメントで、日銀の包括緩和発表後ということもあり、世界に向けて「金融緩和措置の継続が必要です。」という文言が個人的に気になった。(多分、世界の担当者はこの日本の発言に注目しているとは思えないが。)

【財務省】
第82回世銀・IMF合同開発委員会のコミュニケ(ポイント)
(2010年10月9日 於:ワシントン D.C.)
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/wb_imf_221009c.htm

開発委員会は、ワシントンDCにて、10月9日(土)に開催。
次回会合はワシントンDCにて2011年4月17日開催を予定。

【財務省】
第82回世銀・IMF合同開発委員会における日本国ステートメント
(2010年10月9日 於:ワシントンD.C.)
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/wb_imf_221009st.htm

【財務省】
第22回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケ
(2010年10月9日 於:ワシントンD.C.)
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/imfc_221009c.htm

1.世界経済:経済の回復は進んでいるが、依然として脆弱であり、加盟国間で一様でない。こうした潜在的な緊張の原因に直面し、我々は強固で持続可能かつ均衡ある成長を確保するために引き続き協力して取り組み、この共通の目標を損なう政策措置を慎むという我々の強いコミットメントを強調する。我々の優先事項は、依然残る金融セクターの脆弱性に対処すること、民需の強固な成長と雇用創出を確保すること、健全な財政と債務の持続可能性を確保すること、黒字国と赤字国の責任を認識し、世界経済がよりバランスの取れた形となるように取り組むこと、大きく不安定な資本移動という課題に取り組むことである。あらゆる形の保護主義の拒絶は我々の危機に対する協調対応の重要な要素であり続けなければならない。ドーハ・ラウンドを成功に導くために、新たな努力が今直ちに必要である。

2.金融セクター:我々は、グローバルな流動性基準とレバレッジ比率の導入と共に、銀行の資本の質と量を大幅に改善させるという最近のバーゼル合意を歓迎する。我々は、完全でタイムリーな一貫性ある国境を越えた実施を期待しており、それは金融セクターの強靭性を改善するであろう。規制、監督、国境を越えた破たん処理、マクロプルデンシャルサーベイランスを改善するための更なる措置が必要である。また、公平な条件を確保しつつ、バランスシートや市場のインフラを強化し、システム上重要な金融機関とモラルハザードから生じるリスクを減らすための進捗が必要である。我々はIMFに対し、関係機関と共同でこの重要な課題に貢献することを求める。我々はデータ・ギャップに関するIMF・FSBの進捗報告を歓迎し、その提案をフォローアップするための更なる努力を慫慂する。

次回IMFC会合:我々の次の定例会合は2011年4月16日にワシントンD.C.で開催される。我々は代理に対し、議論のために事前準備するよう求める。

【財務省】
第22回国際通貨金融委員会(IMFC)における日本国ステートメント
(2010年10月9日(土))
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/imfc_221009st.htm

金融危機の2008年当時は、先進各国は景気下支えのための財政支出を行うとともに、大幅な金融緩和や金融安定化のための措置をとってきました。その後、2009年後半からの景気回復を受けて、徐々にこれらの政策も解除され、財政の健全化の動きも高まりました。こうした中、一時期は世界経済について楽観的な予測もありましたが、その後、欧州先進国を中心とした金融面の脆弱性とソブリン・リスクに対する懸念が世界経済の下方リスクを高め、その見通しは不透明となっております。各国とも財政健全化の継続と当面の景気下支えの要請の狭間で、どちらに軸足を置くか、厳しい選択を迫られています。こうした状況下、金融緩和措置の継続が必要です。

しかしながら、このことが世界経済に新たなリスクをもたらしていることも見逃せません。先進国から新興市場国に大規模に資金が移動し、これらの国々では為替の増価や資産価格の高騰が起こっています。また、これらの新興市場国はインフレ再燃を恐れて金融緩和をとりえない状況になっています。

これが、今世界経済が直面している政策課題です。特定の国々が他国のコストの下、成長を図っていくことは決して持続可能なものではありません。今こそ、各国が協働して解決に取り組んでいく必要があります。

《ニュース備忘録》

【ロイター】
IMF世銀会合における為替に関する要人発言
2010年 10月 10日 12:23 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17605120101010

【ロイター】
ユーロ1.40ドルは強すぎ=ユーログループ議長
2010年 10月 9日 00:54 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17599220101008
ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相)は8日、ユーロ相場について、1.40ドルは強すぎるとし、ドルは経済ファンダメンタルズを反映していない、との考えを示した。

【ロイター】
金融緩和、12月FOMCへの先送り可能=米地区連銀総裁
2010年 10月 9日 00:48 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17599120101008

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