2010年1月31日日曜日

(1月26日-4)日銀見通し

日銀金融政策決定会合では、政策金利の据え置きが発表されてサプライズ無し。会議の時間も12時21分終了とのことで、つつがなくスムーズに終わったようだ。経済・物価見通しは、前回よりもやや前向きに引き上げているようだ。

2010年1月26日
日本銀行
当面の金融政策運営について
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc10/k100126.pdf

見通し       実質GDP  国内企業物価指数 CPI(除く生鮮食品)
今回1月見通し
2009年度   -2.5 ~ -2.5     -5.3 ~ -5.2     -1.5 ~ -1.5
2010年度    1.2 ~ 1.4     -0.5 ~ -0.4     -0.6 ~ -0.5
2011年度    1.7 ~ 2.4     -0.5 ~ 0.0      -0.3 ~ -0.1
前回10月時点の見通し
2009年度   -3.3 ~ -3.2     -5.3 ~ -5.0      -1.5 ~ -1.5
2010年度    0.8 ~ 1.3      -1.5 ~ -1.0     -0.9 ~ -0.7
2011年度    1.6 ~ 2.4      -1.0 ~ -0.3     -0.7 ~ -0.4

相変わらず、2011年にかけても消費者物価の除く生鮮食品はマイナス。デフレが続く状態だ。12月18日の『「中長期的な物価安定の理解」の明確化』では、「ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない」と堂々と宣言しているのだが、それでも2011年の物価見通しまでもがマイナスということは、日銀がデフレ脱却に向けたやる気を示していないのか、それともやる気を出したいのは山々なのだが、その手段が無いのでどうしようもないのか、どちらかであろう。個人的には、日銀の実行力のある政策手段が限られており、日銀の問題と言うよりは金融仲介機能の銀行部門の問題、あるいは資金や実物の需要喚起政策が不足していることによる経済財政政策の問題だと思うので、日銀の考え方としては後者であろう。なんでもありなら日銀のバランスシートを汚泥で埋めてでも信用・量的緩和策を遂行するか、銀行部門に強制資本注入して金融仲介部門のリスク許容度を増やして監督せずに『放置』するか、何かしら異様な手段は残されているが、銀行部門は公的性格の資金が注入された場合に、その後の監督・行政指導リスクから、リスク許容度が反対に縮小して公的資本を対外排出しようとする本能が働いてしまう。これは、今回の金融危機時における米国金融機関の動きを見ていたら明らか。

重要なのは「金融政策ではなくて、財政政策、政府のマクロ経済運営なんだよ!!」と言わんばかりの見通しだ。そして政治サイドは・・・

0 件のコメント: