2009年3月22日日曜日

(3月18日)英国国債大量増発とFRBの国債買切り

英国財務省がデッド・マネジメント・リポートなるものを発行しているのだが、英国の国債発行額が急増している。
Provisional debt
management report 2009-10
March 2009
http://www.dmo.gov.uk/documentview.aspx?docname=remit/provdrmr0910.pdf&page=Remit/full_details

(10億ポンド) 政府必要資金   国債総発行額   国債純発行額
98年度       -4.5          8.2
99年度      -9.1          14.4
00年度      -35.6         10.0
01年度       2.8         13.7
02年度       21.8         26.3
03年度      39.4         49.9
04年度      38.5         50.1
05年度      40.8          52.3
06年度      37.1          62.5
07年度      32.6          58.5
08年度      152.9         146.4        128.1
09年度      126.0         144.1        129.8
(英国の年度は4月から翌年3月まで)

英国は3月5日に金利政策から量的・信用緩和政策に金融政策手段を変更し、向こう3ヶ月間で750億ポンドの相当の国債と社債を購入すると発表した。750億ポンドは08年度や09年度の国債総発行額の約半分に当たるが(社債購入文もあるので、そのまま750億ポンドを当てはめるのは良くないが…)、それでも07年度からの増額幅は非常に急激だ。11日に初回の入札があったようで、銀行のみが札入れがあったようだが、英国国債利回りの低下に繋がっている。当初は金利低下という果実を得ることができたようだが、副作用が心配だ。

一方で、大きなニュースになったのが米FRBが国債買い入れに踏み込んだと言うFOMCの声明を発表したことだ。

Release Date: March 18, 2009
For immediate release
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20090318a.htm

決定の主な内容は、
①次の6ヶ月間にトレジャリーを3000億ドル買い切り
②政府が保証したモーゲージバック証券を7500億ドル買入額を増額し、今年の上限を1.25兆ドルとする
③エージェンシー債を1000億ドル買入れ、上限尾200億ドルとする
④TALF入札(証券化商品を担保にローンを貸付けるオペレーション)の抵当となるプロダクトの範囲を広げる

である。みな国債買入れに注目が集まっているが、FRBのバランスシートを急激に増加させる可能性があるのが、②のモーゲージバック証券の買入れだ。FRBは自身のバランスシートを注意深く観察すると言っているが、この顛末がどうなるかは、まだだれも予想できない。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
政策金利0.1%に据え置き、長国買い切り月1.8兆円に増額=日銀
2009年 03月 18日 12:53 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37037120090318

【ロイター】
米財務省、AIGに賞与返還させる方策検討=ガイトナー長官
2009年 03月 18日 12:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37036020090318

【ロイター】
中銀の外貨準備運用、金融危機が「大きく影響」=調査
2009年 03月 18日 11:04 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37033120090318

【ロイター】
米FRB、銀行の自己資本要件厳格化を2年遅らせる方針
2009年 03月 18日 04:32 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37027120090317
米連邦準備理事会(FRB)は17日、銀行のバランスシートへの圧力を緩和するため、中核的自己資本(Tier1)要件の厳格化を2年遅らせ2011年3月31日とする方針を示した。

0 件のコメント: