既に先週のニュースだけど、OMB(行政予算管理局)が予算教書となる米国財政赤字見通しを公表した。(2月28日)
Budget of the United States Government
Fiscal Year 2010The Budget Documents
http://www.whitehouse.gov/omb/budget/
CBO(連邦議会予算局)が1月8日に公表した結果と比較してみると・・・
The Budget and Economic Outlook: Fiscal Years 2009 to 2019
January 8, 2009
Testimony before the Committee on the Budget, United States Senate
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=9958
公表日 1月8日 2月28日
公表機関 CBO OMB
財政赤字 対GDP比 財政赤字 対GDP比
10億ドル % 10億ドル %
2008 -455 -3.2 -459 -3.2
2009 -1186 -8.3 -1752 -12.3
2010 -703 -4.9 -1171 -8.0
2011 -498 -3.3 -912 -5.9
2012 -264 -1.6 -581 -3.5
2013 -257 -1.5 -533 -3.0
2014 -250 -1.4 -570 -3.1
2015 -234 -1.2 -583 -3.0
2016 -272 -1.4 -637 -3.2
2017 -234 -1.1 -636 -3.0
2018 -188 -0.9 -634 -2.9
2009年度の財政赤字対GDP比が12.3%にまで悪化する見通しだ。これは、単年度にすると第2次世界大戦後空前の赤字となる。オバマ大統領が任期終了となる2013年に同比率を3%まで低下させるとの見通しは、アーティフィシャルな匂いがぷんぷんする。
日本の過去の財政赤字(公債費)の対GDP比の比率推移を見てみると、
年度 %
1994 -3.4
1995 -4.3
1996 -4.3
1997 -3.6
1998 -6.8
1999 -7.5
2000 -6.5
2001 -6.1
2002 -7.1
2003 -7.2
2004 -7.1
2005 -6.2
2006 -5.4
2007 -4.9
で、小渕総理時代に借金が膨らんだ1998年以降、6%~7%での推移が続いたが、日本で12%などと言う数字は記録していない。それくらいすごい年間の借金だ。一方、借金の累計額である公債残高の対GDP比を見ると、日本は2008年度末時点で105.1%が見込まれている。(財務省資料、特例公債残高ベース)。
しかし、米国はこれだけ借金をしても、対民間累積債務残高の対GDP比は2010年代は70%未満で推移すると予測されている。名目GDP成長率が日本の様にゼロ近辺でないことなどが、この国ベースの借金残高の負担率を日本と比べて相対的に低いものとしているようだが、デフレになったり、何年先になっても民間の有効需要が増えず借金が雪だるま式になっていくようであれば、OMBの見通しは悪い方向に外れることとなるので、引き続き注意が必要だろう。
個人的には米国シナリオは年後半くらいから楽観的に見ているのだけれど。
0 件のコメント:
コメントを投稿