2011年3月27日日曜日

(3月10日-3)スペイン金融機関152億€必要追加自己資本

スペインの中央銀行が資本増強必要額を発表した。12の銀行は合計151.5億ユーロ必要とのこと。

【The Banco de Espana】
10.03.2011
PRESS RELEASE
Madrid, 10 March 2011
The Banco de Espana informs 12 banks they must increase their capital to
comply with the Royal Decree-Law
http://www.bde.es/webbde/en/secciones/prensa/Notas_Informativ/anoactual/presbe2011_9e.pdf
Overall, 12 banks must increase their capital, for an amount totalling €15.15 billion, as detailed in the table at the end of this note. Of these 12 institutions, two are Spanish banks, two are subsidiaries of foreign banks and eight are savings banks.(総じて、12の銀行は資本を増強せねばならず、その金額は合計151.5億ユーロで、その詳細は以下の表にある。これらの12の金融機関は、2つがスペインの銀行、2つが外国銀行のスペイン子会社、そして8つが貯蓄銀行である。)

Those institutions that have to increase their core capital have fifteen business days to present to the Banco de España their strategy and timetable for compliance with the new capitalisation requirements. Such strategy must state the concrete measures the institutions plan to implement in order to comply with these requirements before 30 September 2011. The Banco de España will have another fifteen business days to approve these documents or, where applicable, require relevant modifications.(これらコア自己資本を増強しなければならない金融機関は、スペイン銀行(中央銀行)に新たな自己資本増強についての戦略と時間スケジュールを報告する時間を15日間与えられる。それらの金融機関の戦略は、2011年9月30日までの資本増強を実行できる計画で無ければならない。スペイン銀行は、これらに関連した修正が適切である、あるいはそれらの内容を承認するに当たり、追加的に15日の猶予が与えられる。)

個別の詳細は、上記PDFファイルに一覧表に載っている。金融機関種類別に見ると、商業銀行ではそれほどの問題は無いようで、やはり問題は「カハ」と呼ばれる貯蓄銀行に集中していると言える。欧州では6月の公表に向けてストレステストが実施されているが、スペインは懸念を払拭すべく先んじてこの様な措置をとっているものの、これでどの程度資本増強が進み、市場の不安心理が収まるか。

        コア自己資本        必要追加自己資本
商業銀行  1047.10億ユーロ(58.3%)   10.75億ユーロ(7.1%) 
貯蓄銀行   655.64億ユーロ(36.5%)  140.77億ユーロ(92.9%)
信用会社    93.67億ユーロ( 5.2%)      0ユーロ(0.0%)
合計     1796.42億ユーロ(100.0%) 151.52億ユーロ(100.0%)

【ロイター】
スペイン銀行システムの資本不足、150億ユーロ=中銀
2011年 03月 11日 03:57 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT887403320110310
[マドリード 10日 ロイター] スペイン銀行(中央銀行)は10日、同国の銀行システムの資本不足が150億ユーロ(207億ドル)であることを明らかにした。スペイン政府がこれまでに示していた概算の200億ユーロを下回った。中銀はウェブサイト上に発表した声明で、資本不足となっている金融機関は12機関とした。また、中銀は報告のなかで、ドイツ銀行 (DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)と英バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)のスペイン部門が、スペイン中銀の定める資本基準を満たしていないと指摘した。コア自己資本比率を8%とするために、バークレイズのスペイン部門は5億5200万ユーロ、ドイツ銀は1億8200万ユーロがそれぞれ必要と指摘した。

【ブルームバーグ】
スペイン中銀:12の金融機関、合計1兆7400億円の増資が必要 (1)
2011/03/11 04:53 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aBD.T1cx2rBs
3月10日(ブルームバーグ):スペイン銀行(中央銀行)は、新たな最低資本水準を満たすため、国内12の金融機関について合計152億ユーロ(約1兆7400億円)の増資が必要だと発表した。増資しなければ、一部国有化されるリスクがあると説明している。10日のスペイン中銀発表によれば、「カハ」と呼ばれる貯蓄銀行8行は増資の必要がある。また英銀バークレイズとドイツ銀行のスペイン部門、およびバンキンテルなど国内の2行も追加資本の調達が必要で、これらの機関はすでに増資を確約していると説明した。新たに求められているコア資本比率は、上場している金融機関では8%、非上場かつ大口金融に依存している機関については10%。金融機関は9月までにこれらの資本比率を達成する必要がある。

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