日本の消費者物価指数が発表された。1月のCPIは前年比±0%で12月と同じ。生鮮食品を除く総合は、前年比‐0.2%と、12月の‐0.4%からマイナス幅が縮小した。食品とエネルギーを除くCPIは、前年比‐0.6%と、12月の‐0.7%からマイナス幅は縮小したが、総じて見てみると物価下落圧力は余り減じていないような気がする。前年比では生鮮食品やタバコ、ガソリンなどが押し上げていたが、ガソリンは世界的な原油価格上昇の影響であって、マクロ実体経済に関連する上昇圧力はあまりみられない。その他、マイナス幅の大きな所は私立高校の授業料(-0.11%の寄与)と公立高校の授業料(-0.40%の寄与)であって、これらは民主党政権の公立高校無償化・高等学校等就学支援金制度の結果である(2010年4月スタート)。この高校授業料の軽減制度による前年比の影響が3月に終わることで、4月のCPIからは+0.5%物価が前年比で押し上げられるということになるのかもしれないが、マクロ経済実態とは関係ない。
【総務省】
平成23 年2 月25 日
総務省統計局
平成17年基準消費者物価指数全国
平成23年1月分
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
【文部科学省】
公立高校無償化・高等学校等就学支援金
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
8月26日に発表されるCPI7月分から、CPIの基準改定が行われ、2010年基準となる。22品目が廃止される一方、28品目が追加される。今の所色々なニュースを見ていると、CPIの基準改定の影響によってCPIは0.5%くらい前年比で押し下げられると言う見方があるようだ。新たに追加されるCPIの構成品目は、それなりに最近の消費を反映した項目があるようで、パスタソースや紙おむつ(大人用)、ETC車載器、電子辞書、ゲームソフト、ペット美容院代、メモリーカード、音楽ダウンロード料などが含まれている。
【消費者物価】
平成22年11月26日
消費者物価指数平成22年(2010年)基準改定計画
http://www.stat.go.jp/info/guide/public/cpi/index_p.htm
【ブルームバーグ】
1月の消費者物価は前年比0.2%低下-4カ月連続で下落幅縮小(2)
2011/02/25 10:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=abgUI75Jo1gg
2月25日(ブルームバーグ):1月の全国の消費者物価指数は、国際商品市況の上昇を受けて4カ月連続で前年比の下落幅が縮小した。市況の高騰に加え、景気が徐々に踊り場から脱しつつあることもあり、消費者物価は基調的に下落幅が縮小していくとみられている。 総務省が25日発表した1月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年同月比0.2%低下と09年3月以来1年11カ月連続でマイナス。2月の東京都区部コアCPIは同0.4%低下だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国、東京ともに0.3%低下だった。前月はそれぞれ0.4%低下、0.2%低下だった。
2011年3月27日日曜日
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