ドイツ連銀のウェーバー総裁(左)とメルケル首相(右)
これまでのECB総裁は1998年6月の設立時にオランダ銀行のドイセンベルク総裁とフランス銀行のトリシエ総裁がECB総裁候補となり、まずはドイセンベルク総裁がECB総裁になった。当時、本来ECBの総裁任期は8年と決められていたのだが、この時にフランスのシラク大統領が頑なな態度を示して抵抗したため、任期半ばでトリシエ総裁に後継を譲ると言う口約束をさせたとされる。ドイセンベルク総裁は2003年11月に任期半ばにしてトリシエ氏にその座を譲り、今年10月末には次期総裁へ交代する。
ECBトリシェ総裁
その最有力候補が、ユーロ域内最大の経済規模を誇るドイツのウェーバー総裁であった。後日談のニュース記事を見ると、ECBの国債買入れなどに反対する態度が理事会の支持を得られないとのことから、自らECB総裁レースを降りる決断をしたようだ。
孤高のタカ派を貫いたドイツ連銀のウェーバー総裁
次期ドイツ連銀総裁にはイェンス・ヴァイトマン首席経済顧問が就任するという。同氏はメルケル首相の主席経済顧問を2006年から務めている懐刀と言われている。今後、ドイツがECB総裁決定に向けてどういった政治的な駆け引きを行うかが注目だ。
イェンス・ヴァイトマン次期ドイツ連銀総裁
【ロイター】
再送：ウェーバー独連銀総裁、ＥＣＢ次期総裁候補から外れる＝関係筋
2011年 02月 9日 21:45 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK883900020110209
［９日 ロイター］ 欧州の２人の関係筋は９日、ロイターに対し、ドイツ連邦銀行（中央銀行）のアクセル・ウェーバー総裁が欧州中央銀行（ＥＣＢ）のトリシェ総裁の後任候補から外れたと語った。関係筋の１人は「ウェーバー総裁のＥＣＢ総裁立候補はもはや議題に上っていない」と述べた。
【ブルームバーグ】
ウェーバー氏：独連銀辞任へ、ＥＣＢ総裁レース離脱 (Update2)
2011/02/10 16:18 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a7fYZ95_oatU
２月９日（ブルームバーグ）：ドイツ連邦銀行（中央銀行）のウェーバー総裁は、年内に辞任する計画だ。９日に同総裁と話をした関係者が明らかにした。欧州中央銀行（ＥＣＢ）の次期総裁レースから離脱することになる。
ウェーバー総裁は10日にウィーンで講演する。今後の計画についての質問が集中するとみられる。ドイツのＤＰＡ通信は９日、ウェーバー氏がドイツ銀行に加わる可能性があると報じた。また、ウェーバー氏は１月14日にＥＣＢと米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）の違いを尋ねられた際「学者に戻ったときに答えよう」と述べており、学界に戻ることもあり得る。
【ロイター】
メルケル首相との会談まで去就に言及しない＝ウェーバー独連銀総裁
2011年 02月 11日 05:26 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-19499420110210
［ウィーン １０日 ロイター］ ドイツ連邦銀行（中央銀行）ウェーバー総裁は１０日、メルケル首相と会談するまで、自身の去就には言及しない、と語った。総裁は当地での講演に先立ち、「メルケル首相と話した。首相と再度会談するまで何らコメントしないと伝えた」と述べた。
関係筋はロイターに対し、総裁は１１日にメルケル首相と会談すると述べた。独紙ハンデルスブラットは、ショイブレ財務相がウェーバー総裁と同席することを拒否したと報じていた。欧州の関係筋は９日、ロイターに対し、ウェーバー総裁が欧州中央銀行（ＥＣＢ）の次期総裁候補から外れたことを明らかにした。また、ドイツの関係筋によると、ウェーバー総裁のＥＣＢ総裁への立候補について、他の欧州諸国から必要な支持を得られないとの見通しを独政府が示したことを受け、総裁は退くことを決定したとしている。
【ロイター】
ＥＣＢ総裁候補問題、一部の欧州諸国から反発＝独連銀総裁
2011年 02月 14日 11:20 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-19519420110214
［ベルリン １２日 ロイター］ ドイツ連銀のウェーバー総裁は１２日、自身が欧州中央銀行（ＥＣＢ）の次期総裁候補から外れたことを確認した。ウェーバー総裁はＥＣＢが決定した国債買い入れを批判しており、一部の欧州諸国から総裁の強硬姿勢に反発が出たという。総裁は１２日発売のシュピーゲル誌とのインタビューで、自身がＥＣＢ総裁に就任し、重要問題をめぐってＥＣＢ内で少数派になれば、総裁の信認が低下していただろうとの認識を示した。
総裁は昨年５月、ＥＣＢが欧州債務危機対策の一環として決定した国債買い入れを批判した。「一部の政府は、こうした私の立場をみて、私は受け入れがたいと感じたのかもしれない」と発言。「５月以降、候補者となる可能性が低下したことを意識していた」とし、「この時期に（ＥＣＢ総裁という）要職を目指さないことを決意するようになった」と述べた。
【ブルームバーグ】
ウェーバー独連銀総裁：ドイツ銀首脳就任の可能性低下－ＦＴ紙
2011/02/14 13:25 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=apYAGIGkACZU
２月14日（ブルームバーグ）：ドイツ連邦銀行（中央銀行）のウェーバー総裁が任期終了前に退任し、欧州中央銀行（ＥＣＢ）の次期総裁ポストを求めないとの先週の予想外の発表を受け、ドイツ銀行が同総裁を首脳に起用する可能性は低くなった。英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）が事情に詳しい複数の関係者の話を基に報じた。同紙によると、ドイツ銀の取締役は独連銀総裁辞任をめぐるウェーバー氏の対応とドイツ銀入りの可能性に関する国内の反応に困惑している。
【ロイター】
〔情報ＢＯＸ〕ＥＣＢ次期総裁候補の顔ぶれ
2011年 02月 18日 14:58 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK884042020110218
［１７日 ロイター］ ウェーバー独連銀総裁が欧州中央銀行（ＥＣＢ）の次期総裁候補から外れたことを受け、トリシェＥＣＢ総裁の後任人事に関する選択肢が広がってきた。トリシェ総裁は２０１１年１０月末に任期切れとなり、欧州連合（ＥＵ）は今年上半期に次期総裁を選出する必要がある。
【産経新聞】
ドイツ連銀 史上最年少の総裁誕生へ ＥＣＢ総裁レースは混沌
2011.2.18 01:08 （1/2ページ）
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110218/erp11021801160000-n1.htm
【ロンドン＝木村正人】ドイツ連邦銀行（中央銀行）のウェーバー総裁が任期を１年残して４月末で退任することになり、後任にメルケル独首相の首席経済顧問のイエンス・バイトマン氏（４２）が内定した。独連銀史上、最年少の総裁になる。ウェーバー総裁は１０月末に任期が切れるトリシェ欧州中央銀行（ＥＣＢ）総裁の最有力後継者とみられていたが、退任により、欧州単一通貨ユーロ防衛のカギを握るＥＣＢ総裁選びは混（こん）沌（とん）としてきた。バイトマン氏は、国際通貨基金（ＩＭＦ）などを経て２００６年から首相首席経済顧問を務めた。ＥＣＢの理事を兼務する。
【ロイター】
情報ＢＯＸ：独連銀次期総裁に任命予定のヴァイトマン氏の横顔
2011年 02月 16日 22:29 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19576520110216
［ベルリン １６日 ロイター］ ドイツ連銀の次期総裁に任命されるとみられるイェンス・ヴァイトマン首席経済顧問の横顔は以下の通り。
現在４２歳で２００６年からメルケル首相の首席経済顧問を務め、金融危機や第二次世界大戦以来となる景気後退への対応策を進めた。同氏と仕事をした人は、物静かで恥ずかしがり屋だが、経済に対し鋭い眼力と強い意志を持つと指摘する。一方で、政治的な洗練さも持ち合わせており、この点で学会から直接連銀入りしたウェーバー現総裁には欠けていた長所がある。２０００年代初めには５賢人委員会の委員も務めた。
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