2008年11月8日土曜日

銀行制度の緩和

昨日からの利下げは様々な国でも行われ、チェコが75bp引き下げて政策金利2.75%、デンマーク中銀が50bp引き下げて政策金利5.0%に、韓国中銀が25bp引き下げて政策金利4.0%に。

幾つかニュース関連で言いたいことがあるが、銀行会計制度について。

中小企業への融資円滑化のため
「融資条件(貸出条件)の緩和を行っても、実現可能性の高い抜本的な経営再建計画があれば貸出条件緩和債権には該当しないとの取扱いについて、以下のとおり監督指針及び検査マニュアルを改定。」
http://www.fsa.go.jp/news/20/20081107-1/01.pdf
とされた。この中で、おおむね3年で正常先になるような経営再建計画の要件を5年に延長している。

また、

平成20年11月7日金融庁
銀行等の自己資本比率規制の一部弾力化について
http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20081107-2.html

で、国内基準行の株式社債等の評価損を自己資本のカウントに組み込まない、また、国際基準行については、国債等の評価損益を自己資本に反映しないとのこと。

自己資本比率はバーゼル合意によって、銀行にリスクに対応したバッファーとしての資本を要求するメルクマールになっている。自己資本が財務上の損失計上などによって毀損すると、自己資本比率を維持するためには、①外部から自己資本を調達する②リスク資産を処分するのどちらかを選択しなければならない。

この未曾有の危機の中で、産業の礎として日本を支えてきた中小企業が、この自己資本比率達成のために犠牲となることを避けるため、この様に様々に銀行財務制度に手を加えているようだ。しかし、やっぱり「国債」の時価を認めないというのは変だ。変動利付国債、物価連動債。安いなら買えば良い。クレジットは日本国なので信用リスクは限定的だ。ただ、需給が問題というなら、需給を作り出すように国が取引相手になれば良い。だから国債投資家懇談会や国債市場懇談会をやってるんでしょ。

貸し渋り対策は重要だが、ここでちゃんとモラルハザードは防げているか、しっかりチェックする必要がある。この様な状況で、貸し出しが増えるとは思わないが、貸し渋り対策はこの様にある程度お膳立てする必要があるだろう。しかし、この効果がどれくらい持つのかな。

幾ら貸し渋り対策をやっても、実際に銀行に「損」が降りかかるような状況になれば、そりゃ貸し出しを回収するよねぇ。後で統計を確認する必要がある。

もっとこのネタで、ブレインストーミングしたい。米国の雇用統計にも言及したいのだが、眠いzzz
最近無茶苦茶だな。疲れた。

《ニュース備忘録》

【ロイター】
米政府、融資条件などAIGの負担軽減策を検討=WSJ
2008年 11月 7日 17:23 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34795820081107

【ロイター】
再送:情報BOX:金融庁による銀行の自己資本比率規制の見直し
2008年 11月 7日 15:08 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34789820081107


再送:情報BOX:金融庁による銀行の自己資本比率規制の見直し
2008年 11月 7日 15:08 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34789820081107
国内基準行は、株式や債券など有価証券の評価損を自己資本から差し引かない。国際基準行は、株式の評価損益の取り扱いに変更はないが、国債や地方債の評価損益について、自己資本に反映させない選択ができる。

新ルールの適用期間・適用方法:
2008年12月期から2012年3月期。国内基準行は一律に適用するが、国際基準行は選択制。国際基準行は、新ルールを採用しない選択もあるが、いったん、新ルールを採用した銀行は、2012年3月期まで旧ルールに戻すことは認めない。また、国際基準行で新ルールを適用する場合、評価損・評価益、どちらか一方だけの採用は認めない。

米FRB資産が初の2兆ドル台に、CP買い取りが増加=連銀貸出統計
2008年 11月 7日 09:02 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34779420081107

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