2008年10月22日水曜日

ユーロ急落

今日のユーロの下げはすさまじかった。
チャイナ系のネームがユーロ売りに走った途端、ユーロドル1.3の水準を一気に割ってしまった。

ユーロ(円)(22日、22:25) 127.62-127.66 ▼ -6.57 (円高)
ユーロ(ドル)(22日、22:25) 1.2886- 1.2888 ▼ -0.0181 (ドル高)
英ポンド(円)(22日、22:25) 162.75-162.86 ▼ -4.59(円高)

それにしても、こんな円高誰が買っているんだろう。意味があるのだろうか。

今日はちょっと昔話を聞いた。昔銀行に勤めていた人で、1990年代前半の貸し剥がしの状況について。当時銀行は貸出先に対して、その会社に問題が見え始めると横並びで一斉に動くと言う習慣があった。その貸出先はどの金融機関から借りているかと言うエクスポージャー表のようなものを作成し、金融機関同士は先に他の金融機関に手を引かれないようにお互い牽制し合っていた。例えば、ある金融機関からの借入残高が突然減ると、「うちからの借入も減らしてくれ」とその他の金融機関が攻勢をかける事になるので、どこかが突出して手を引くことは出来ない。借入側も突然全額回収されると困るので、金融機関を互いに牽制させあいながら、何とかまわしていた。

そこで、ある金融機関の担当者が思いついたのが、エクスポージャー表はその事業会社の金融機関からの借入ポジションしか表記されないことを利用し、自分の所の金融機関に預金を入れさせると言うことだ。預金は金融機関同士のエクスポージャー表の様に、比べられるような公表資料を作成する必要は無い。預金を預け入れてもらった金融機関は、何かあったら担保として取れるので、実際にその会社が倒れてもネットアウトすれば、その企業への貸し出しポジションは小さくなる。

このようにして、どうやってババ抜きのババをつかまないように早く逃げ出すかに知恵を絞ることになる。そして、ババ抜きは総簡単に、総早く降りられるものではない。その方の言う分には、日本の過去はそれでも担保を取った貸付けだったが、今の欧米はノンリコースが多いので、資金回収となると貸し剥がし以上にものすごい信用収縮圧力がかかるのではとのこと。

日本では今不動産金融がこのような恐怖のババ抜きを始めてしまった状態だが、欧米は大手金融機関に対するババ抜きを始めてしまっている状態。場合によっては、それはロシアンルーレットにも見えなくも無い。

あな、おそろしや。

変動利付国債と時価会計の問題は大丈夫なのか?
やっぱり、この金融市場の状況はヒドイよ。ホント。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
ユーロ売り/日本株売りの新たな連鎖、輸出企業に打撃
2008年 10月 22日 17:56 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34458720081022

【ロイター】
焦点:時価会計見直しで変動利付国債も対象に
2008年 10月 22日 18:59 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34460220081022

【ロイター】
米FRBがMMFへの流動性供給策、CP買い取りSPVに融資
2008年 10月 22日 10:07 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34444620081022

【ロイター】
米リーマンのCDS決済、大きな混乱なく過ぎる
2008年 10月 22日 08:31 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34442020081021

【ブルームバーグ】
ハンガリー中銀:政策金利を11.5%に緊急利上げ-通貨下支え措置
2008/10/22 18:53 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=afRYfIbSwWkg&refer=jp_top_world_news

【ブルームバーグ】
アルゼンチン政府、民間の年金基金の国有化提案-法案が議会送付(3)
2008/10/22 14:06 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=aS3tqmTn2z3w&refer=jp_us

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