2010年4月25日日曜日

(4月13日-2)核安全保障サミット

米国で核セキュリティ・サミットが4月12日~13日の日程で開催された。この中で、参加は47カ国あったようだが、オバマ大統領と鳩山首相との公式会談は開かれなかった。普天間基地の移設問題で日本と米国との関係が悪化し、12日の夕食会における10分間だけ、非公式の会談が行われた。オバマ大統領は各国首脳にたいし「10分間食事をしておいてほしい」と語り、時間を取ったわけだが、結局は普天間基地の移設問題が解決していないと言われて終わってしまったようだ。

2009年11月13日にオバマ大統領が来日した際に、この問題について鳩山首相が「Please trust me.(私を信じてください)」と言ったことは新聞に何度も取り上げられたのだが、鳩山首相の発言がコロコロ変化する中で???となってしまった。日米当局者の間には、鳩山首相が「宇宙人」と言われていることから、首相が発する理解不能な迷走を「space issue(宇宙問題)」と呼ぶ隠語もあるようだ。4月14日付のワシントンポストでは、核安全保障サミットで最大の敗者は日本の鳩山由紀夫首相だと報じた。鳩山首相は5月末までにこの問題を決着させると強弁しているようだが、問題の出口への道のりは非常に困難だ。

他方、人民元問題で訪米日程がこじれていた胡錦濤国家主席も核サミットには参加した。米中首脳会談ではガイトナー財務長官やサマーズ国家経済会議(NEC)委員長、中国から戴秉国国務委員らが同席した。本来は核兵器削減などの外交防衛についての議論が中心となるはずだが、ガイトナー財務長官が同席した時点で、首脳会談の主要議題の中に経済問題、その象徴としての人民元もんだいが入ったことは明らかである。オバマ大統領は「持続的で均衡した世界経済の回復にとって、中国がより市場実勢に基づいた為替相場へ動くことが重要だ」と表明し、人民元相場の自由化を求めたが、胡錦濤主席は「中国の主権を尊重し、対話と協力を通じた解決を希望する」と、問題をかわしたようだ。外圧による政策変更を極端に嫌う中国の政治機構に配慮した結果であるといえるが、今後中国側がどのようなスケジュールで人民元問題に取り組んでゆくかが注目される。


■米中首脳会談



(出所ホワイトハウスhttp://www.whitehouse.gov/photos-and-video/photogallery/nuclear-security-summit)

次回核安全保障サミットが韓国で開かれるようだが、政治的にも韓国の存在感は大きくなっている。それに引き換え、日本は。

スケジュール等は以下のページ。

鳩山総理大臣の核セキュリティ・サミット出席
平成22年4月14日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_hatoyama/kaku_secu2010/index.html

核セキュリティ・サミットにおけるナショナル・ステートメント
平成22年4月12日
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/201004/12statement.html

■核安全保障サミット会場

(出所ホワイトハウスhttp://www.whitehouse.gov/photos-and-video/photogallery/nuclear-security-summit)

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