2008年12月29日月曜日

米国銀行部門のおさらい

年末ともなるとマーケットの動きも閑散になり、話題も少なくなる。今日は読書の日に当てることにする。

米国の銀行破たんの数は2008年は12月12日の2件の破綻まで含め、合計25件となっている。
http://www.fdic.gov/bank/individual/failed/banklist.html

夏のリーマン前の7月くらいに米国の銀行破たんは100件くらい行くのではとの噂が一部にあったが、まぁ100と言う切りの良い数字はそれはそれでポロッと出た数字なのかもしれないが、そうすると4分の1まで来たと言うことだ。

しかし、TARPによって、金融機関への公的資金注入は広く行われており、12月23日(火)に19日金曜時点で49の銀行に28億ドルを注入したと発表しているし、43の金融機関と19億ドルの注入の合意に近づいていると発表している。この様な措置が、本来の破綻件数を減らしている可能性が高い。
http://www.ustreas.gov/press/releases/hp1334.htm

これらを整理すると、公的資金注入の申請件数は
10月28日に  9件 1250億0000万0000ドル(いわゆる最大手への率先注入)、
11月14日に 21件  335億6140万9000ドル(準大手であろう)
11月21日に 23件   29億0975万4000ドル
12月5日 に 35件   38億3563万5000ドル
12月12日に 28件   24億5005万4000ドル
12月19日に 49件   27億9195万0000ドル
合計     165件、1705億4880万2000億ドル
の公的資金が注入されたことになる。(重複があるかどうかは確認していない)
http://www.treas.gov/initiatives/eesa/docs/CPPTransactionReport122308.pdf

TARPの金融機関への公的資金注入に関しては、件数に関してみるとものすごく増えていて大変だと言う感じになるが、最大手と準大手以外は小粒の金額なので、金額ベースで見ると大手以外はたいしたことは無い。つまり、中小金融機関はこんな状況下ではどうなろうと余り注目されないので、潰れやすいと言うリスクがあるのかもしれない。金融機関への公的資金注入については、まだまだ「枠」はあると言える。

何でもかんでも観察が重要だ。普段は気にしないが、クリティカルなときには非常に注意深く観察する。どの程度まじめなのか、どの程度適当なのか。こういうときにどの程度の動いたかと言うことに関しては忘れることは決してない。少しのことでも心遣いをくれる人のことは、何時までも覚えているものだ。

残りは読みかけの本の読書と参ろう。明日は大納会。

《ニュース備忘録》

【ロイター】
ロシア中銀が事実上のルーブル切り下げ、今月9度目
2008年 12月 29日 17:00 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-35657220081229

【ロイター】
米GMAC、債務スワップへの債権者の合意状況を近く発表
2008年 12月 29日 10:54 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35652320081229

【ロイター】
三住海上、あいおい、ニッセイ同和が経営統合で最終調整=報道
2008年 12月 29日 07:09 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35648720081228

【ブルームバーグ】
ドイツ証:ゴールドマンの元金融本部長の阿部氏採用へ-M&Aなど(3)
2008/12/29 15:42 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=auaqWc_yQoDw&refer=jp_japan

【ブルームバーグ】
マドフ容疑者のファンド詐欺事件:顧客投資資産は約360億ドル(表)
2008/12/25 08:45 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=a6mp5znr8x5E&refer=jp_us

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