12月15日、何があったっけかな?
もう思い出せない。。。。
ニュースを見ると、現ナスダック(OMXグループ)会長のバーナード・マドフ(Bernard Madoff)容疑者がポンジ・スキームによって、世界のたくさんの投資家から資金をかき集め、そのまま配当にまわしていたという。ポンジ・スキームとは以下のAFP通信のニュース解説が詳しい。所謂ねずみ講のことだ。
破滅を運命づけられた詐欺の手法「ポンジ・スキーム」
2008年12月16日 18:28 発信地:パリ/フランス
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2550172/3617338
『【12月16日 AFP】詐欺行為の1つ「ねずみ講」は、米国人詐欺師チャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)の名前から「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」としても知られる。
イタリアから米国に移住したポンジは1920年代に、国際返信切手券(International Reply Coupon、IRC)の仕組みを利用した投資スキームを作って投資を募り、ニューイングランド(New England)地方の住民数千人から金を集めた。米証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)によると、銀行の預金利息が5%だった当時、90日で40%の利回りが得られるという触れ込みだったという。
ポンジには投資家から大量の資金が流れ込み、6か月もたたないうちに数百万ドルを手にし、自分の証券取引会社まで興した。SECのウェブサイトによると、1921年には3時間で100万ドルもの資金が集まったという。
怪しまれないように初期の少人数の投資家には金が払われたが、ポンジは国際返信切手券をわずか30ドル分程度しか購入していなかったことが捜査で判明した。
ポンジが自分の会社に投資しておらず、彼が言うような投資には、実際に発行されていた6倍の切手券が必要だったと米金融紙「バロンズ(Barron's)」が伝えるとねずみ講は崩壊。ポンジは有罪判決を言い渡された。(c)AFP』
やっぱり、つくづく思うのだが、「プロに運用を任せれば大丈夫」、「プロは高い利益率が出る」というのは大きな間違いだ。相場は時の運というと、人間の努力が無力だという意味に聞こえるので、そうは言いたくないが、実力では抗い難いような猛威となる場合が往々にしてある。本当のプロというのは、儲けが上手いというのではなく、リスク管理が熟達していると言うことなのだろうと思う。「駄目だ」とおもったら、さっさと損切りするなり、ぐだぐだしないで思い切って逃げること。相手の実力などを測るスカウターを持っていることこそがプロだと思う。しがらみにとらわれず、あきらめるときはさっさとあきらめるドライな心。悔しい思いをしたとしてもくよくよせず、気持ちを切り替えられることこそ、本当のプロであろう。
そういう意味で、僕はプロになれていない・・・・(ガックリ)
15日には、財務省から
国債市場特別参加者会合(第24回)議事要旨
日時 平成20年12月12日(金)16:00~17:55
http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c201212.htm
が発表されていた。日本の国債市場も特に物価連動債や変動利付債などエキゾチック債券市場での混乱が大きい。特に、日本人投資家は目新しいものに慎重で、物価連動債市場は外国人に牛耳られていたというのが実情だろう。
日本の物価連動債を見ると、マイナス金利に陥っている。国内投資家が少なく、外国人投資家の投売りに対する受け皿が無いため、売りに売られていることが大きな要因。この資料2に詳しいが、10年のBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率;物価連動債と同年限の固定利付債とのキャッシュフローのエコノミーが等しくなり、どちらを保有しても損も特も無い、裁定機会の無い場合の物価上昇率。市場の期待インフレ率となる)がマイナス3%!!、10年平均で日本の物価が3%ずつ落ち込むなんてオカシイ。
その要因の一つに、債券の元本保証が付与されていないことを挙げる人もいる。元本が保証されていれば、最低の利回りはゼロで、マイナス金利になることは無い。元本が保証されていない場合、物価がドンドン下落することによって、将来の償還時に、購入時の払い込んだ金額よりも受取が少ない可能性が出てくる。その損失部分が織り込まれて、デフレの場合は名目利付債よりも、将来の物価下落を懸念して、物価連動債の利子率(実質利子率となる)が高くなり(利子は物価連動なので、将来デフレとなると受け取る利子率も減る)、固定利付債の利子率-物価連動債の利子率=BEI(損益分岐が等しくなる物価上昇率)がマイナスになるということだ。(文章をちょっと読んでてくどいな。。。)
名目利子率(固定利付債利子率)-実質利子率(物価連動債利子率)=BEI(市場期待インフレ率)
である。英国の物価連動債は元本保証で無いので、同じくBEIがマイナスに転落しているが、元本保証があるドイツなどのユーロ圏はマイナス転落が無いので、市場期待インフレ率(BEI)がマイナスにはなっていない。
このことは、市場の期待インフレ率を探る際に、「マイナスの物価を観察しにくくなる」という所謂価格発見機能を喪失させることとなる。市場の最も重要な存在意義の一つが「価格発見機能」である。それをゆがめることの弊害は大きい。そのため、あえてこの部分を取り外した、元本保証を入れなかったと言うのが、日本の物価連動債導入時の議論だったと思う。国債市場懇談会でも、このことが議論されていた。「元本保証をしろ」というのは、安易に賛成しやすいフレーズであるが、それで本当にいいのだろうか。
意見の中に、『デフレ下で導入されたのは日本だけである。当時も元本保証を付けるべきではないかという意見も相当出たが、元本保証によるオプションの価値が大きくなりすぎ、市場の正確な期待インフレ率を算定することが困難になることから、現状の商品性に決定したという経緯がある。ここで元本保証を付けるのであれば、何故発行されたのかという、そもそも論に立ち返る面がある。まずは理論値対比での異常値を改善することが先決なのではないか。今、元本保証を付けたからといって急に投資家のニーズは高まるとは考えにくく、逆に既発債のニーズが落ちることも想定され、慎重に対応すべきではないか。』
とあるが、賛成だ。もう一つ、米国の物価連動債市場を見ると、元本保証をしているにもかかわらず、BEIはマイナスになっている。これは、市場の価格発見機能が正常に働かないほどの投売りが起きている、それだけ決済リスクが発生し、流動性への選好(債券を幾らになってもいいから売却して現金を手に入れたい)の影響が大きいからであろう。ポイントは「流動性」だ。
物価連動債に関して、発行は維持しつつ買入消却を増やして、人工的に売買を増やし、流動性をつけることが、解決に向けた処方箋になるのではないか。実際、財務省はそのように動いているように見える。
ここでは物価連動債を取り上げたが、市場に重要なのは「流動性」。それこそが、現行の金融市場における最も重要なことだと思うし、将来にわたっていつの時も重要な要件であると考える。
キーワードは「流動性」だ。
《ニュース備忘録》
【ロイター】
09年の中国成長率予想、5%前後に引き下げる可能性=IMF専務理事
2008年 12月 15日 21:41 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35446720081215
【ロイター】
OECD加盟国、09年はマイナス成長に=グリア事務総長
2008年 12月 15日 21:33 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35446520081215
【ロイター】
11月の中国発電量、過去最大の前年比‐9.6%
2008年 12月 15日 15:22 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35440520081215
【ロイター】
情報BOX:米巨額詐欺事件、被害企業のエクスポージャー
2008年 12月 15日 13:51 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35439020081215
米連邦捜査局(FBI)はナスダック・ストック・マーケットのバーナード・マドフ元会長を詐欺の疑いで逮捕した。被害総額は500億ドルに上るとみられている。
【ロイター】
中国の雇用情勢、来年は「非常に深刻」=国家主席
2008年 12月 15日 10:51 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35431820081215
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