10月15日に豪州地元紙のオーストラリアンが、「豪州準備銀行のグレン・スティーブンス総裁の強気で豪ドルは0.92米ドルを付けた」と題した記事を掲載し、豪ドルが上昇した。
Australian dollar hits US92 cents on bullish RBA governor Glenn Stevens
Stephen Bell October 15, 2009
http://www.theaustralian.news.com.au/business/story/0,28124,26214040-20142,00.html
このヘッドラインだけを見ると、スティーブンス総裁がダイレクトに為替レートに言及し、豪ドル高を見込んでいると受け取れるが、実際にその記事を読んでみると、
「Responding to a question from the audience as to whether the Australian dollar could increase to a value of $US1.10, Mr Stevens said he had no specific comment on the Australian currency's current value, "other than the observation that we've got one of the better performing economies in the world". 」
(聴衆者の豪ドルは1豪ドル=1.1米ドルの価値まで上昇するかとの質問に対し、スティーブンス総裁は豪ドルの現在の評価について特定のコメントは行わなかったが、「我々が見ている中で、世界の中で我が国の経済はよりよいパフォーマンスを実現していると観察される」と回答した)
と述べている通り、スティーブンス総裁は為替相場については何も語っていない。しかしながら、一部の日本のマスコミ(海外もそうかもしれないが確認していない・・・)は「1豪ドル=1.1米ドル」という水準を強調していて、為替市場はあたかも目標値が設定されたかのような格好になってしまった。足もと豪ドルは1豪ドル=0.92米ドルを上回る水準なので、ここから約2割弱上昇するという衝撃的な目印である。
一方で、政策金利については、
「Earlier, Mr Stevens said the feared downturn in the economy had not materialised, adding that there were now risks for Australia in keeping interest rates too low for too long. 」
(その質問に先立って、スティーブンス総裁は経済の悪化の恐怖は具現化しなかったと述べ、今は豪州が金利をあまりに低く、あまりに長期に維持するリスクがあると付け加えた)
と発言している通り、利上げが比較的強く意識されていることを強調すべきであろう。利上げ期待は通貨上昇につながるが、自国通貨上昇とのバランスでどこまで政策金利が引き上げられるか。
2009年10月18日日曜日
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