2009年8月16日日曜日

(8月12日)FRB出口へ半歩

米国FOMCが発表された。世界的に金融危機が最悪期を脱したことによって、景気刺激的な金融緩和の継続は必要だが、国債買切りのような、いわゆるマネタイゼーション(過去にバーナンキが語ったようなばら撒き)により直接的と見られる手段は、徐々に引き払うべきではないかと言う議論が高まりつつある。その流れをうけて、事前の市場予想では国債買切りは終了するのではないかという見方が強かったが、最終的な決定は10月までの国債買切り延長が宣言された。ただし、先日の英国のように、買切り額を増額したわけではなく、買入れペースを減らすことによって、金融政策を円滑に修正するという決定であった。

Press ReleaseRelease Date: August 12, 2009
For immediate release
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20090812a.htm

決め細やかな対応であったと言える。国債買入枠は3000億ドルであるが、8月11日に行われた入札までを含めて、これまで2527.62億ドルが買入れられているため、残りは472.38億ドル分である。ちなみに、エージェンシーの負債(ファニーメイやフレディマックなどの負債)は、2000億ドルの上限で、8月14日のオペレーションまでで合計1255.37億ドルが買入れられているため、残りは744.63億ドル。エージェンシーのモーゲージバック証券は1兆94億ドルが買入れられているため、残り2406億ドル。(エージェンシーMBSは売却オペも行っているため、ネットの買入額は6941億ドル。)

ちなみに、このエージェンシーとエージェンシーMBSの買入れ期限は今年の年末まで。

買入れの結果は、以下のニューヨーク連銀のHPに掲載されている。
http://www.newyorkfed.org/markets/pomo_landing.html

しかし、世の中調べる人は良くいるもので、この国債買入れのオペを詳しく見てみると、プライマリーディーラーの入札からFRBによる買入れオペまで、非常に短期間のうちに買入れられていて、それが一種のマネタイゼーションとなっているのではないかという議論もどうやらあるようだ。

米国の国債需給がFRBによる買入れによって支えられていた部分があったのか、そうでなかったのかは、10月にこの買入れが途切れた後に評価されることになるだろうが、国債よりもエージェンシー関連の買入額の方が大きいし、市場参加者がクレジットリスクが取れなくなっている中では、米国債の買い手は居るのではないかと思う。それも、中国やオイル関係の投資家ではなく、国内投資家が。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
米政府の買い替え支援策で好調な自動車販売、早くも失速か
2009年 08月 12日 15:44 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10512320090812

【ロイター】
覇権争いが本格化する電気自動車、インフラビジネスの勝者は
2009年 08月 12日 15:14 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10511820090812

【ロイター】
FRB議長の続投支持、米景気後退は終えん=WSJ調査
2009年 08月 12日 13:16 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10509120090812

【ロイター】
異例の措置、財政との間で個別リスク負担明確にすること不可欠=日銀総裁
2009年 08月 12日 12:53 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10507220090812

【共同通信】
オバマ氏、国民は保険業界の人質 抵抗勢力に反攻
2009/08/12 09:57
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009081201000187.html

【ロイター】
第2四半期の米労働生産性は+6.4%、6年ぶりの大幅な伸び
2009年 08月 12日 01:44 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10499020090811

0 件のコメント: