2009年1月5日月曜日

新年も政局が続く

日本の年初の相場は、日経平均が9000円台を回復。先週金曜日(2日)の米国株式市場の動向を反映した結果だろう。オバマ次期大統領が約3100億ドルの景気対策案を検討中という発表も、プラスに寄与している部分があるかもしれない。

       終値  前営業日比
日経平均 9,043.12 +183.56
TOPIX    875.91  +16.67
JASDAQ   48.19   -0.01

それ以上に、個人的には為替相場でドルが少しずつ上がっている点は良いと思う。
対ドルで93円台に戻っている。米国自動車問題に対する当面の危機が回避(先送り)されたことや、減税発表によるものであろう。

21:49時点  米ドル ユーロ  豪ドル  英ポンド カナダドル スイスフラン 
  対円   93.49  126.78  66.07  135.50   76.93    84.12

本日は中川財務相が国会で財政演説を行い、平成20年度第2次補正予算について説明した。
http://www.mof.go.jp/daijin/210105.htm
既に各所で報道済みだが、評判の悪い定額給付金は切り離さずに審議するようで、政局が更に混迷するリスクがある。これがただ単に時間を浪費するだけの無駄なガブリ寄りならまだマシなのだが、現在は100年に1度の世界的な危機とも言われている状況下であるし、先日備忘録に残した信用保証制度のリミットが差し迫っているという問題がある。麻生総理は完全に道を誤ったと言える。さっさと橋を渡ってしまえば水にぬれる面積も少なくて済んだのかもしれないが、底なし沼に嵌ってしまい、身動きが取れない。その代償が自民党の支持率低下だけであれば良いのだが。。。このままであれば、任期満了解散まで引っ張るだろう。果たしてそこまで持つか。(日本経済が、自民党が、、、)

日曜日に、テレビ東京で「日高リポート」を放映していた。毎年年初はニクソン政権下で国務長官であったキッシンジャーとの対談だ。歴史の生き証人とも言えるキッシンジャーもかなりの高齢となっており、声色も聞き取りにくかった。キッシンジャーは冷戦の渦中にあったニクソン政権下でも極秘訪中とニクソン訪中の交渉を取り付けるなど、その外交手法の大胆さが耳目を引いており、当時はデタント(緊張緩和)の象徴であった(と思う)。フォード政権下ではキッシンジャーのデタント政策にラムズフェルドやチェイニーが反発し、後にブッシュJr.政権下でタカ派の象徴として昇華してゆく。

テレビ番組では特にキッシンジャーの話の内容に驚くべき新しいものは無く、バランスの取れた包括的な方向性を示していた部分は物足りなかったが、その言葉の端々に見える微妙なニュアンスには、外交のプロとしての存在感があった。

オバマ政権に関しては、大統領就任直前のハネムーン期間として、高支持率が異例とも言える1年続くと分析していた。個人的には、政権支持率などというものは簡単に引き摺り下ろされやすいものだと思っているし、ニューメキシコ州のリチャードソン州知事(ヒスパニック系を代表する政治家)が、関連企業への当局の捜査進行中を理由に次期商務長官指名を辞退したことを受けて早くも痛手とのニュースが出ている。そのダメージコントロールとして、突然約3100億ドルの景気対策などというニュースが飛び出してきているのだろう。こういった玉出しができる時点で、オバマ政権のダメージコントロールは当面機能するのだろうと考えられる。このオバマプレミアムが剥がれる時は、ちょっとリスクがあるだろう。それは、米系自動車産業の再救済のための支出なのか、金融機関の再救済のための支出なのか、中東なのか、その地雷の位置は分からない。

このような突然の事態が発生したときに、どれだけダメージを最小限にコントロールできるかが、リスク管理、危機管理の最重要課題だといえる。このようなことは、民間企業にも当てはまることだ。そういう局面に思いがけずに遭遇した時に、キッシンジャーであれば、どのような発想の転換で大局を乗り切るのであろうか。


《ニュース備忘録》

【時事通信】
自民・渡辺氏、離党不可避に=早期解散要求を麻生首相が拒否
2009/01/05-20:02
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009010500592

【ロイター】
ギリシャなどへのガス供給が減少、ロシアとウクライナの対立で
2009年 01月 5日 20:09 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-35709220090105

【ロイター】
次期米大統領、景気刺激策で約28.5兆円の減税提示へ
2009年 01月 5日 12:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35702220090105
[ワシントン 4日 ロイター] オバマ次期米大統領による景気刺激策は、約3100億ドル(約28兆5000億円)規模の企業や中所得層向け減税措置が盛り込まれる見通し。民主党側近が4日、明らかにした。

【ロイター】
日経平均は続伸、終値で9000円台回復
2009年 01月 5日 12:07 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35701820090105

【ロイター】
米国債、現時点で最大のバブルの可能性=バロンズ
2009年 01月 5日 10:26 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35698720090105

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