2009年7月1日水曜日

公的年金

麻生内閣がほんの少しだけ内閣改造を実施した。党役員人事を行うとの観測記事が先行したり、東国原宮崎県知事が総務大臣になるといったニュースが飛び交い、一方で倒閣運動が起きるなど政局が日増しに混迷していたが、なんだか中途半端に終わった感が否めない。政治家の闘争本能の根源は唯一「選挙に勝ち残ること」である。この絶対無二の命題に対して様々な人間ドラマが生まれるわけだが、政策無く唯々ギッタンバッタンするだけなら、国民が不幸なだけである。

さて、この日は日銀短観が発表され、09年度大企業製造業の想定為替レートが94.85円となっているが、これは色々なところからレポートが出ているのでまぁこの辺で。

短観(2009年6月)
2009年7月1日
日本銀行調査統計局
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/tk/gaiyo/tka0906.pdf

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公的年金の09年3月末時点の市場運用の結果が発表された。

平成20年度業務概況書
年金積立金管理運用独立行政法人
[2009年7月1日]
http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri03_h20_p04.pdf

(話が面倒になるので引き受け財投債はおいて置いて議論を進める)
09年3月末時点の市場運用部分の資産構成は

         時価総額   構成割合
国内債券 61兆8887億円  66.88%
国内株式 11兆3986億円  12.32%
外国債券 10兆135億円   10.82%
外国株式  9兆781億円   9.81%
短期資産   1608億円   0.17%
合計    92兆5397億円 100.00%

ニュースでは08年度の市場運用で9兆6670億円の赤字となったことを大きく取り上げる向きがあり、どっかのニュースのコメンテーターなどは「こんな大赤字で困るんですよ!!国民は!!プロに任せないと!!」みたいな事を言っていたのだが、プロがやっているんですけど。。。

これだけ巨大な資金が機動的に動けるわけが無い。インデックス運用で淡々と運用するのがベストであり、寧ろ運用手数料率が2ベーシスポイント(0.02%)というのはものすごい事だ。

ちょうど3月末は金融危機のクライマックスから若干立ち直った時点のことであり、内外株式の時価が大幅に毀損していたときである。その後、足下にかけて大分内外株価が反発しているので、09年度は4-6月期に数兆円くらい益が出ているはずだ。年金のように長期で運用する資金を一時点のスナップショットで判断することほどおろかなことは無い。それよりも、年金の国庫負担を早くどうするかと言うことを決めることの方が大切だ。

年金の受け払いや運用を全てひっくるめてごっちゃにして「年金を立て直せ」と批判する人はどうも信用ならない。あ、こいつ分かってね~なぁっていうのが透けて見えてしまう。一つ一つ、全てのパーツを理解している人は、そう多くない。


《ニュース備忘録》

【時事通信】
「子供扱いするな」=麻生首相、記者団にいら立つ
2009/07/01-22:34
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009070101125

【時事通信】
賭けに敗北、「孤立」深める=首相、解散主導険しく-党人事断念
2009/07/01-22:14
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009070101113

【時事通信】
麻生首相、党役員人事を断念=「麻生降ろし」加速も-2閣僚補充
2009/07/01-22:13
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009070100785

【ブルームバーグ】
GPIF:08年度の市場運用は過去最悪、マイナス10%に-概況
2009/07/01 18:51 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=awFkbJ6pMfLc

【ブルームバーグ】
政府:10年度予算の概算要求基準を閣議了解-過去最大の52.7兆円
2009/07/01 17:09 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aSrFLlQQdwvQ&refer=jp_japan

【ロイター】
イラク最大の油田開発、英BPと中国石油天然ガス集団が落札
2009年 07月 1日 09:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-38798420090701

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