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2011年2月27日日曜日

(2月11日-2)エジプトムバラク政権の崩壊

エジプトのムバラク政権が倒れた。反政府デモの勢いはチュニジアに加え、親米政権であったエジプトをも飲み込んだ。「民主化ドミノの波」などと言われることもあるが、果たして「民主化」なのか。インフレと腐敗(圧制?)が民衆の不平不満となり、その矛先が政権に向かっているのは確かなのだが、その後の民主化を描く図面ができているかと言うと、これまで長年にわたってそのような政治土壌が無かったわけであるから、何らかの互助会あるいは反政府的な「組織」はあっても、政党として国を統治する機能があるかというと非常に疑問だ。唯一、国を統治できる機能を持っている組織は軍か、あるかどうかは分からないが徴税組織のようなものなのかもしれない。独裁政権の象徴であったムバラク大統領が辞任したまでは一つの通過点でしかない。今後のエジプトの統治がどのようになるかがエジプトにとって最も重要な問題であろう。

ムバラク前大統領は82歳なのかとびっくり。良く元気だこと。この政権崩壊と供に統治機構の緩みと前政権の不正蓄財追求に向けた報道は、チュニジアにもみられ、一種のパターンになっているような気がする。

ムバラク前大統領

スレイマン副大統領

簡単な経緯

ムバラク大統領の辞任を求めて広場に集まる市民

夜もキャンドルを持ちながらムバラク大統領の辞任のために抗議を続けるエジプト市民

1月14日 チュニジアのベンアリ大統領が亡命
1月25日 エジプト各地でムバラク大統領の退陣を求めるデモが始まる
1月28日 エジプト各地で金曜礼拝後大規模デモ。約100人が死亡。夜間外出禁止令発令
1月29日 ムバラク大統領が全閣僚の更迭を発表。スレイマン国家情報長官を副大統領に任命。デモ収まらず
2月1日 エジプト全土で100万人規模のデモ。ムバラク大統領再選を断念。
2月2日 カイロ中心部タハリール広場でラクダに騎乗した大統領支持派と反対派が衝突2月3日 オバマ大統領がムバラク大統領即時辞任と暫定政権発足を要求
2月4日 タハリール広場で「退陣の金曜日」の大規模デモ
2月5日 ムバラク大統領次男ガマル氏が与党国民民主党の政策委員長を辞任
2月7日 新発足したシャフィク内閣初閣議。
2月7日 グーグル幹部のワエル・ゴニム氏が解放。
2月8日 エジプト中央銀行が10~16億ドル程度のエジプトポンド買い介入
2月8日 スレイマン副大統領と野党勢力の合意により改憲準備委員会発足
2月9日 改憲準備委員会が大統領選立候補規定の見直しで合意
2月10日 米CIAパネッタ長官がムバラク大統領が同日辞任の可能性が非常に高いと発言
2月10日 夜、ムバラク大統領が即時辞任を拒否し、スレイマン副大統領に権限委譲
2月11日 スレイマン副大統領がムバラク大統領辞任を発表。軍最高評議会が権限継承。
2月12日 シャフィク首相が全ての国際的な義務や条約を守ると言明

この中東テレビのアルジャジーラの1月25日から出来事推移は、英語であるが良くまとまっている。



【産経新聞】
労働者のスト相次ぐ 11日に「挑戦の金曜日」大規模デモ計画
2011.2.10 22:56
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110210/mds11021022580008-n1.htm
【カイロ=大内清】混乱が続くエジプトでは10日、全国各地で賃上げなどを求める労働者のストライキやデモが相次いだ。ムバラク大統領の即時辞任を求めるデモが続く中、政権側は、公務員給与引き上げを発表するなど融和姿勢を示しているが、それを自らの権利確保の好機ととらえる労働者らが声を上げ始めた側面もある。こうした動きがさらに拡大し反大統領派のデモと歩調を合わせれば、政権にとっては経済活動の停滞と相まって大きな打撃となる可能性も出てきた。

 ムバラク大統領の即時辞任を求める若者中心の民主化グループはインターネット上で、11日を「挑戦の金曜日」と名付け、金曜礼拝後に再び大規模デモを行うよう呼びかけている。

【毎日新聞】
クローズアップ2011:エジプト・ムバラク政権崩壊 辞任拒否が裏目
2011年2月13日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20110213ddn003030054000c.html
エジプトのムバラク前大統領は11日、前夜の「退陣拒否」演説から一転、首都カイロを家族と共に脱出し、30年にわたった権力を手放した。この急転直下の辞任劇の舞台裏で、一体何が起きていたのだろうか。そして、誰がムバラク氏の後継としてこの国を率いていくことになるのか。カリスマ指導者なき市民革命がこの国をどこに導くかは、今後の展開次第だ。【カイロ樋口直樹】

 ムバラク政権崩壊の最後の秒読みは10日夜、ムバラク氏の「不可解」な辞任拒否演説から始まった。

 「大統領は辞任するかもしれない」。10日夕、シャフィク首相のこの発言が報じられると、最大与党・国民民主党幹部からも「辞任しても驚かない」との感想が飛び出した。首都カイロのタハリール広場を埋める反大統領派の人々は狂喜乱舞した。だがこの夜、大統領の「辞任表明」を確信し、広場に押しかけた人々を待っていたのは、期待を裏切る「辞任拒否」表明だった。反大統領派の怒りは頂点に達した。人々は靴を脱ぎ、手で振り回しながら叫んだ。「あしたを見ていろ。決着をつけてやる」

 アラブで、靴で人をたたくのは最大の侮辱を意味する。難攻不落に見えたムバラク城は、広場からもあふれ出すほどの民衆の熱気と興奮の波に、のみ込まれてしまった。政権崩壊を確実にした辞任拒否演説には、不可解な点も多い。政府高官や与党幹部が相次いで「辞任の可能性」に触れ、それを追認するかのように急きょ同夜、大統領演説が設定されながら、結局、ムバラク氏はスレイマン副大統領への権限移譲を発表するにとどまった。

 大統領の側近も最大の同盟国・米国も、大統領の即時辞任は不可避だろうとみていた。大統領が名誉を保ったまま表舞台を去る機会(演説)を大統領周辺が設けたのではないか、との観測もあった。だが、大統領は改めて「即時辞任」を拒否。このため、「大統領は直前に演説内容を変えたのでは」との見方も出た。

 ムバラク氏の辞任表明の遅れは、後継者と目されてきたスレイマン副大統領への権力移譲さえもご破算にした可能性がある。11日夜、国営テレビで大統領の辞任を発表する副大統領の顔はこわばっていた。大統領権限は軍部へ渡ったからだ。


◆エジプト政権崩壊に至った経緯◆

1月14日 チュニジアでベンアリ政権崩壊
  25日 カイロやスエズなどで数万人規模の反政府デモ
  28日 金曜礼拝後大規模デモ
  29日 ムバラク大統領がスレイマン氏を副大統領に任命
2月 1日 「100万人」デモ。ムバラク大統領が次期選挙不出馬を表明
   3日 ムバラク大統領、米テレビに対し即時辞任を拒否
  10日 ムバラク大統領、テレビ演説で即時辞任を拒否
  11日 スレイマン副大統領がムバラク大統領辞任を発表

【時事通信】
ムバラク大統領が辞任=エジプト革命、18日目で成立-軍最高評議会が全権掌握
2011/02/12-02:11
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011021200022
【カイロ時事】エジプトのスレイマン副大統領は11日、ムバラク大統領(82)が辞任すると発表した。独裁政権が倒れたチュニジアに端を発したエジプトでの民主化革命は、大統領の辞任表明で1月25日のデモ開始から18日目で実現した。30年の独裁政権は終止符が打たれたが、急激な政変はエジプトを含めた地域の不安定化につながる可能性がある。

【読売新聞】
ムバラク一家、資産総額は5兆8400億円?
2011年2月13日09時35分
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110212-OYT1T00631.htm
エジプト大統領を辞任したムバラク氏の一家は、欧米に多数の不動産や銀行口座を保有し、資産総額は約700億ドル(約5兆8400億円)に上るとも言われる。スイス銀行は11日、辞任を受けて一家の資産を凍結しており、長期政権下で行われていた蓄財の実態調査の行方が注目される。

【朝日新聞】
ごね続けたムバラク氏 辞任演説のはずが…原稿書き換え
2011年2月16日1時30分
http://www.asahi.com/international/update/0215/TKY201102150472.html
【カイロ=古谷祐伸】エジプトの民衆デモで退陣したムバラク前大統領(82)は、最後まで辞任を拒みつづけ、結果として軍部に引導を渡された――。そんな内幕を、側近や米政府関係者らの証言に基づき、AP通信や米紙ワシントン・ポストが報じた。
AP通信によると、ムバラク氏は10日夜の演説で辞任を表明するはずだったが、演説原稿は土壇場で何度も書き換えられ、結局は強気の姿勢を示すものに変わった。家族が危機を乗り越えられると主張し、ムバラク氏が信じたためだという。 だが、これで国民の怒りが爆発し、中立を保っていた軍部も動いた。ワシントン・ポストによると、演説の数時間後に軍幹部がムバラク氏に会い、「自発的に辞めるか、追放されるか」を選ぶよう迫った。ムバラク氏は荷物をまとめ、家族と軍のヘリに乗ったという。

 11日午前11時半ごろ、大統領府から2機の軍用ヘリが飛び立つのを、朝日新聞記者が目撃しており、ムバラク氏が乗っていた可能性が高い。副大統領による大統領退陣の発表は、1分間もない短いものだった。閣僚会議の会場にあったムバラク氏の巨大な肖像画も、13日に取り外された。

大統領が辞任したので、Tahrir広場に散乱したごみを片付ける市民

2010年1月10日日曜日

(1月5日)UAEのバベルの塔!?

事実だけを書く。三井住友フィナンシャルグループが資本増強を行うとの発表があった。同社は即座に「現時点で決定した事実はございません」と否定している。

http://www.smfg.co.jp/news/j200167_01.html

しかし、翌日6日には株式売り出し、公募増資について発表を行った。

http://www.smfg.co.jp/news/j200172_01.html

株価は1月5日の公募増資発表以降3連騰。株式売買の出来高はこの公募増資「報道」のあった5日が一番大きかった。

三井住友フィナンシャルグループ株価
            株価  前営業日差  出来高
            円     円     百万株
2009年12月24日 2795    -40     10.1
2009年12月25日 2745    -50     7.0
2009年12月28日 2730    -15      9.2
2009年12月29日 2655    -75     14.4
2009年12月30日 2645    -10     12.8
2010年1月4日   2615    -30     10.2
2010年1月5日   2653    38     49.7
2010年1月6日   2800   147     32.7
2010年1月7日   2920   120     39.1
2010年1月8日   2900   -20     26.8

&&&&&

中東ドバイでブルジュ・ドバイの落成式が4日に開かれた。もともとの名称はブルジュ(アラビア語でタワー)・ドバイであったが、UAEのハリファ大統領(アブダビ首長)にちなんで、名称がブルジュ・ハリファに突然名称変更された。ドバイショックというイベントから「ドバイ」という名称を掲げるとマイナスイメージがあるからなのか、それともドバイをアブダビが救済するような格好であったからなのかは良くわからない。


http://www.burjdubai.com/the-tower.aspx


高さは828メートル。

Dubai Renames World's Tallest Tower Burj Khalifa (from YouTube)




まるで、バベルの塔とでも言うべき違和感の大きいビルである。世の中には高いビルを建てると不況に陥ると言う格言もあるようで。

ちなみに、色々インターネットで調べてみると、ドバイ政府が運営する政府系企業は沢山あって、この前債務返済延期を宣言した、不動産開発企業のナヒール(パーム・ツリー・アイランドの開発企業)は、ドバイ・ワールドと言う政府系企業の傘下の企業である。今回ブルジュ・ハリファを完成させた不動産開発会社はエマールという会社であって、パーム・ツリーを完成させた企業とは別の会社である。

一部で、政府がエマールに対し、ドバイ・ホールディングというまた別の政府企業の安価な資産を高値で買い取るよう圧力をかけるとの懸念もあったようだ。

代表的な政府系企業 (2009年9月現在)
http://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/dubai%20info_politics_business_01.htm

ドバイには他にもスキー・ドバイといったような凄い企業もあって、日本のザウスを思い出したが、ウィキペディアで調べてみると、2002年にザウスが閉鎖された後、2003年から2004年の解体時にその施設はドバイに移送されたそうだ。



《ニュース備忘録》


【ロイター】
日本の信用リスクは強い対外収支により相殺=フィッチ
2010年 01月 5日 19:35 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13202420100105

【ロイター】
藤井財務相が体調理由に辞意との報道:識者こうみる
2010年 01月 5日 19:29 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13201920100105

【ブルームバーグ】
中国に「巨額」の投機資金流入の恐れ、強い人民元観測で-発改委
2010/01/05 17:20 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aJfMhGLDTQvM

【ロイター】
財務相の健康状態、進退問題になることない=野田財務副大臣
2010年 01月 5日 17:09 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13200520100105

【ブルームバーグ】
三井住友FG:8000億円公募増資へ-規制対応やビジネス強化(Update2)
2010/01/05 16:38 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aul7OP0AvB2Q

【ロイター】
人民元は新たな上昇圧力に直面へ=中国国家発展改革委副主任
2010年 01月 5日 15:07 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13196820100105

【ロイター】
三井住友FG、8000億円超の公募増資を6日にも決議
2010年 01月 5日 14:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13196120100105

【ロイター】
中国の銀行、融資の急変動回避しリスクに注意を=人民銀行総裁
2010年 01月 5日 14:18 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13195920100105

【ロイター】
韓国当局、ウォン上昇抑制のためドル買い介入=市場筋
2010年 01月 5日 10:06 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13188520100105

【ロイター】
オバマ米政権の優先課題、テロ対策と雇用問題の綱引きに
2010年 01月 5日 08:58 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13187020100104

【ブルームバーグ】
IMF筆頭副専務理事:今月発表の予想で世界の成長見通しを上方修正
2010/01/05 07:18 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=aras0gMh9Uno

【ロイター】
ドバイに世界一の高層ビル完成=エマール
2010年 01月 5日 04:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13184620100104

【ブルームバーグ】
ブラジルGDP:今年は5.2%成長へ、設備投資回復が寄与-中銀調査
2010/01/05 01:29 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=aOTRlNhvOZE8

【ロイター】
ギリシャの長期財政計画提出は1月末の見通し=財務省高官
2010年 01月 5日 01:11 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13182520100104

【ブルームバーグ】
ブラジル、政府系ファンド活用したレアル上昇抑制は失敗へ-野村
2010/01/05 01:10 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=a0ey0z5LDm60

2009年11月29日日曜日

(11月26日)ドバイ・ショック

中東ドバイで政府系持株会社の不動産開発系企業が債務返済の繰り延べを表明したことで、一気に中東からの信用不安が広まった。UAEは7つの首長国により構成される連邦国家で、


アブダビ
ドバイ
シャールジャ
アジュマーン
ウンム・アル=カイワイン
フジャイラ
ラアス・アル=ハイマ


の7首長国から成る。石油が出るアブダビに対し、ドバイは交易、商業の中心地であり、パームランドのような人工的な巨大施設を建設している。この施設を造成した開発会社ナキールとその持株会社であるドバイ・ワールドの債務総額590億ドルを、ドバイ政府が欧米系の金融機関に対して支払い猶予を求めると25日に発表したため、その振動が急激に世界を襲っている。


パーム・アイランド



http://www.palmjebelali.ae/


BIS統計で金融機関のUAEへの貸付動向(09年6月末時点)を見ると、

Consolidated banking statistics
http://www.bis.org/statistics/consstats.htm

10億ドル     対UAE  対アイスランド  対ラトビア  対ウクライナ
合計         123.1    27.7      34.4      40.9
豪州          0.6     0.0      0.0       0.0
オーストリア      1.9     0.6       0.6        10.3
ベルギー        1.4     1.0       0.0        0.3
カナダ         0.7
フランス        11.3      1.7       0.3        8.9
ドイツ         10.6      9.3       3.8        3.4
アイルランド             0.9
イタリア                1.0       0.9        2.8
日本          9.0      0.3       0.1        0.4
オランダ       4.5      0.6       0.0        2.4
ポルトガル      0.1      0.3       0.0        0.1
スペイン       0.9      0.5       0.0        0.1
スウェーデン     0.3      0.2      22.3        3.5
スイス         4.6      0.5       0.0        5.5
英国         50.2      0.7       0.1        0.5
米国         10.6      0.6       1.0        1.2
欧州銀行      88.6     18.3      32.8       38.8

と、UAE合計で1231億ドルの海外からの貸付があり、そのうち英国が半分近い502億ドルとなっている。石油産出国でなく、市場規模の大きなドバイがUAEの中でも借入の主体とすれば、今回の590億ドルの債務総額は、全てが海外からの資金調達とは言えないまでも、海外からの資金調達規模で見て約半分くらいの大きさが、この不動産開発向けであったという偏ったポートフォリオになっているといえる。

様々な犯人探しが彼方此方で続いているが、

Emirates Banks Association
Publications - Financial Position Of Banks
ISSUE 2007- 2008Foreign Banks

http://www.eba-ae.com/financial%20position20078.html
のデータから2008年時点のUAEにおける外国銀行のポジションを見てみると、

10億ドル                    貸出  資産総額  預金総額  自己資本比率
HSBC BANK MIDDLE EAST LIMITED 17.03   28.87     21.50     15.14
STANDARD CHARTERED BANK    7.77   19.40      8.16     14.47
BARCLAYS BANK PLC           3.58    6.28      1.33     10.64
ABN-AMRO BANK N.V          2.24    4.16      2.16     12.99
ARAB BANK PLC              2.09    3.43      2.78     10.46
CITIBANK N.A                1.92     5.88      2.61     11.80
BANK OF BARODA             1.78     2.36      1.81     16.78
BANK SADERAT IRAN          1.74     3.36      1.63     16.36
BNP PARIBAS                1.69     2.47      1.48     10.77
LLOYDS TSB BANK PLC         1.57     2.48      1.84     13.05
HABIB BANK AG ZURICH        1.43     2.67      2.23     18.32
UNITED BANK LIMITED        0.84     1.21      0.88      11.52
ARAB AFRICAN INTERNATIONAL 0.69     0.76      0.21     12.00
AL AHLI BANK OF KUWAIT K.S.C  0.63     1.18      1.03     10.30
BANK MELLI IRAN            0.59     2.59      0.74     22.01
NATIONAL BANK OF BAHRAIN   0.31     0.36      0.03     14.25
BANQUE MISR               0.31     0.38      0.16     19.82
CALYON - C&I BANK           0.23     0.69      0.36     13.60
HABIB BANK LIMITED         0.20     0.36      0.28     14.58
BLOM BANK FRANCE S.A       0.17     0.54      0.45     20.00
NATIONAL BANK OF OMAN S.A.O.G 0.17    0.24      0.20     12.57
BLC BANK (FRANCE) S.A        0.13     0.42      0.33     14.24
EL NELEIN BANK            0.04     0.06      0.04     23.01
JANATA BANK              0.01     0.10      0.08     44.00

となっており、HSBCの貸出し金額の突出が目に付く。この問題が金融システムに飛び火するかどうかは良くわからないが、この英系金融機関のエクスポージャーがポンド売り、そしてユーロ売りを誘ったことは否めない。その結果、円高へと飛び火している。中東地域は情報収集の難しいところがあり(普段から詳しいわけではない)、この「ドバイ・ショック」といわれる金融市場の顛末がどう結ばれるかは、注目といえる。

邦銀3行の貸付額は、日経ニュースによれば「邦銀では三菱東京UFJ銀行が600億円強、三井住友銀行が200億円弱、みずほコーポレート銀行が約100億円の債権を保有しているという。メガバンク以外の複数の銀行も債権を保有している。」とのこと。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
訂正: 政府系のドバイ・ワールドなど2社、債務返済延期を要請=政府
2009年 11月 26日 22:52 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12639220091126
ナヒールが8月に明らかにしたところによると、ドバイ・ワールドの債務残高は590億ドルでドバイの債務総額800億ドルの大部分を占める。

【ロイター】
今の円の水準は大変問題、政府はあらゆる政策を=鉄連会長
2009年 11月 26日 16:35 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12647120091126

【ロイター】
情報BOX:温暖化ガス排出削減に関する米政府の提案
2009年 11月 26日 16:05 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12646220091126

【ロイター】
欧州経済団体、ユーロ圏首脳に人民元上昇を促がすよう要請
2009年 11月 26日 14:14 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12644120091126

【ロイター】
政府の「デフレ宣言」、超低金利政策継続への期待感か
2009年 11月 26日 12:54 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12642320091126

【ロイター】
為替の動きを極めて注視=ドル86円台下落で藤井財務相
2009年 11月 26日 12:50 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12642620091126

【ロイター】
IMF、スリランカ中央銀行に金10トンを売却
2009年 11月 26日 10:34 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12638520091126

【ロイター】
為替介入は現段階では考えていない=野田財務副大臣
2009年 11月 26日 09:53 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12637720091126

【ロイター】
ロシア、外貨準備を一部カナダドルで運用へ
2009年 11月 26日 09:48 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12637220091126

【ロイター】
独銀行、最大900億ユーロの追加評価損計上も=連銀
2009年 11月 26日 07:31 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12633520091125

【ロイター】
10月米新築住宅販売は予想外の増加、1年ぶり高水準
2009年 11月 26日 03:48 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12633020091125

【ロイター】
雇用調整助成金の要件を12月から緊急緩和、戦略対話が合意=政府
2009年 11月 26日 03:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12630020091125

【ブルームバーグ】
ドバイ政府系投資会社、全債務の返済繰り延べ求める-国債保証料急騰
2009/11/26 00:31 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ajuDLZ9xAI9k

【ブルームバーグ】
ドイツ連銀:国内銀は12兆円の追加損失処理の恐れ-金融安定報告書
2009/11/26 01:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=afuV5tDXwl7o

【ロイター】
独ウエストLB救済、まず30億ユーロの資本を注入
2009年 11月 26日 00:07 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12631420091125

【ブルームバーグ】
藤井財務相:人民元、実力からみて安い-ドル・ペッグ制見直しを
2009/11/26 00:01 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aS7zaRQM3EXU

2009年10月7日水曜日

(10月6日)豪州の利上げとドル決済放棄の陰謀?

豪州準備銀行が予想外の利上げを実施した。市場予想でも今回の0.25%の利上げは殆ど予期しておらず、かなりのサプライズであった。政策金利はこれで3.25%。4月から9月まで6ヶ月のうちに5回の声明文の公表が会ったが、それらを据え置いた後での利上げであった。

No: 2009-23
Date: 6 October 2009
Embargo: For Immediate Release
STATEMENT BY GLENN STEVENS, GOVERNOR
MONETARY POLICY
http://www.rba.gov.au/MediaReleases/2009/mr-09-23.html


声明文を読むと、まず中国の成長率がとても強いことが述べられており、豪州景気の中国重視が読み取れる。さらに、ところかしこに予想以上に景気が良いと言う文言がちりばめられている。
例えば、

「Economic conditions in Australia have been stronger than expected」(豪州の経済情勢は予想以上に強く(推移してきた))

「but it now appears that private investment will not be as weak as earlier expected.」(しかし、今見えるのは、民間投資はこれまで予想していたほどは弱くない)

「Unemployment has not risen as far as had been expected.」(失業は予想していたほど上昇していない)

「Underlying inflation should continue to moderate in the near term, but now will probably not fall as far as earlier thought.」(インフレ地合いは目先緩やかであるだろうが、先に予想したよりも落ち込みはしないだろう)

などなど。このように、予想外の経済の進展を受けて、ここに予想外の利上げを意図したと言う建付けと読んだ。もちろん、利上げの決定については、その露払いとして、

「Interest rates facing prospective borrowers on fixed-rate loans have already risen to some extent, as markets have anticipated a higher level of the cash rate.」(固定金利の借り手の期待に直面している金利は幾分上昇してきており、市場はキャッシュ・レート(政策金利)の水準上昇を見込んできたようだ)

との文章をちりばめて、利上げ正当化の材料としている。最後に、政策金利の今後の見通しについては、

「With growth likely to be close to trend over the year ahead, inflation close to target and the risk of serious economic contraction in Australia now having passed, the Board’s view is that it is now prudent to begin gradually lessening the stimulus provided by monetary policy.」(今後1年、経済成長はトレンドに近づいているようで、インフレは目標に近づいており、豪州が深刻な景気悪化に陥るリスクは、今は過ぎ去った。政策委員会は、金融政策によって供給されている刺激(緩和支援)を徐々に減らしてゆくことを始めるのが、今こそ賢明な時だと判断する)

と述べており、連続利上げが示唆される。

これに困るのはニュージーランドだろう。豪州は少なくとも年末、早くて11月で穏当な判断では12月からの利上げと思われていたのだが、今回10月の利上げとなった。一方のニュージーランドは来年央まで利上げしないと声明文で宣言している。こういった両国のコミットメントがあるのだが、市場は「ニュージーランドも同じく近い将来利上げが進むのではないか?」と考えるため、折角の金融緩和効果が利上げ期待からニュージーランドドル高に結びついたらどうしようも無い。この市場の勝手な期待は暫く放置して、時間を置いてみたら「豪州とニュージーランドは違った!!」と市場が失望して元に戻るかもしれないが、そのとき既にニュージーランドが利上げ時期になっていたなら、ちょっと遅ればせながらやっぱり利上げしたのねとなる。

先週末の米雇用統計で予想外の悪化で冷や水を浴びせられた市場だが、豪州利上げで前向きな動きが出てきたことは歓迎される。けれど、マスコミはこれをこぞって「出口の始まり」とはやしたてた。十分な金融緩和効果を浸透させようとしていた先進各国経済が、この豪州の行動によって勝手に前傾姿勢になられたのでは、ちょっと困るかもしれない。そういう意味では、今回の豪州の利上げはKYだったかもしれない。ただ、市場は利上げ開始により、経済が動き始めたというシグナルを受け取ることができたので、それはそれで好ましい。

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10月6日はもう一つのニュースが為替市場を駆け巡った。インディペンデント紙が報じたところによると、湾岸諸国の石油産出国が、原油取引の決済通貨としてドルを放棄し、円、元、ユーロ、金と湾岸諸国で新設する統一通貨のバスケットで取引しようと言う途方も無い話題だ。

The demise of the dollar
In a graphic illustration of the new world order, Arab states have launched secret moves with China, Russia and France to stop using the US currency for oil trading
By Robert Fisk
Tuesday, 6 October 2009
http://www.independent.co.uk/news/business/news/the-demise-of-the-dollar-1798175.html

(この絵は上記インディペンデント紙より。目に訴えかける画像だ…)

記事によれば、ロシア、中国、日本、ブラジルの財務大臣と中央銀行総裁による秘密裏のミーティングがすでに開かれていると、アラブ諸国と中国の銀行関係者が確認したと述べている。このことを嗅ぎ付けたアメリカは詳細は突き止められなかったものの、親米国である湾岸諸国や日本までもが絡んだこの陰謀に対して闘うとの見方が記事にされた。

ロイターの記事を見ると、サウジアラビア、ロシア、クウェート、UAEの当局者がこの報道を否定したとのこと。

【ロイター】
原油先物が1ドル超上昇、原油取引通貨に関する報道で
2009年 10月 6日 19:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11822720091006

ただ、この記事を書いたRobert Fisk氏は、Googleで検索すると中東系に強い老練の記者だと言うことが分かる。どこぞの有象無象が書いたというわけではなく、それなりの有名人が記事にしたことで、市場もこれほど反応したのだろう。今日明日でその真実が明らかになることは無いだろうが、少し長い目で見る必要があるのかもしれない。このニュースが流れたあと、ドルは下落した。


《ニュース備忘録》

【ロイター】
補正執行停止・返納見込み額は総額2兆5169億円
2009年 10月 6日 18:57 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11821820091006

【ロイター】
原油取引でドルに代わる通貨協議していない=クウェート石油相
2009年 10月 6日 18:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11821920091006

【ロイター】
日銀のCP・社債買取停止観測、閣僚が相次ぎけん制
2009年 10月 6日 17:15 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11819120091006

【ロイター】
原油取引でのドル利用中止を協議との報道は「不正確」=サウジ中銀総裁
2009年 10月 6日 16:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11819720091006

【ロイター】
豪中銀が政策金利を25bp引き上げ、緩和策の段階的縮小が賢明
2009年 10月 6日 15:06 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11815820091006

【ロイター】
9月中国新規融資は3000─4000億元=銀監会委員長
2009年 10月 6日 07:21 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-11805620091005