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2011年4月30日土曜日

(3月18日-3)CBO見通し

CBOがオバマ政権の政策を前提とした財政見通しを発表した。財政見通しについては表を参考にしてほしいのだが、前回1月時点からの大きな違いとしては、財政赤字拡大がより大きくなるという将来像を描いていることだ。財政赤字対GDP比については、1月時点では2014年度からだいたい3%程度で収まってくると言う見通しであったが、今回の見通しによれば1%程度悪化した水準の4%程度にまでしか収束せず、2020年度近くになると、これが5%程度へと発散してゆく姿になっている。

行政管理予算局のOMBはこの様な見立てに対し、意見を述べているが、いずれにしても米国の財政再建も他の先進国同様に進めててゆかなければならないという状況には変わりがないだろう。

【CBO】
Preliminary Analysis of the President's Budget for 2012
March 18, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12103

【OMB】
CBO and the 2012 Budget
Posted by Jack Lew on March 18, 2011 at 02:42 PM EDT
http://www.whitehouse.gov/blog/2011/03/18/cbo-and-2012-budget

CBOの財政見通しの表

2011年1月31日月曜日

(1月26日-2)CBOの財政見通し

米議会予算局が財政見通しを発表した。2011年度の歳入は2兆2285億ドル、歳出は利払費2247億ドルを含む3兆7082億ドルとなり、財政収支は1兆4798億ドルの赤字と、今年8月時点での財政赤字見込額の1兆660億ドルから4138億ドルも赤字が膨らむ計算となっている。その大きな要因としては、昨年末に高額所得者層を含む所得税減税、いわゆるブッシュ減税の延長の決定や、失業保険の給付延長などが実行されたからである。

CBOの財政見通しは、既存の政策、満期が着たらば延長をしないという現在の政策を前提に計算された財政見通しになっている。よって、ブッシュ減税の2010年末期限を前提に試算された予想が、今回はそれが延長されたという計算前提になっているため、歳入の下方修正による財政赤字の拡大が大きくなった格好だ。

その他、今回の財政見通しについては、代替的最小課税のインフレへの影響や、特に2012年末で期限が切れる所得税や不動産相続税の影響は検討されていない。よって、これらが自動的に期限が切れるということを前提に見通しが作成されているため、これをさらに2013年から延長するとなると、年間数千億ドルの歳入減がまた起きることとなる。米国財政状況をどうやって正常化させるのか、景気回復がどれだけ財政赤字を癒すことができるのか、今後が注目だ。

【CBO】
Budget and Economic Outlook: Fiscal Years 2011 Through 2021
January 26, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12039

CBOの財政見通し

2010年12月26日日曜日

(12月14日-3)CBOの米債務見通し

米国議会予算局が、政府債務に関する利払費や債務残高などの将来推計を発表した。レポートは52ページ物で長いのだが、読んでいる時間が無いので数字で終了。2010年の連邦債務保有者別内訳を見ると、国内が52.8%、海外が47.2%となっており、中央銀行や日本などの安定した投資家の保有比率が下がる一方、中国や英国の保有比率が増えている。

連邦債務の民間保有分の金額と対GDP比

利払費の金額と対GDP比

市場性債務の平均残存年限

2010年の政府純負債残高は8兆ドルだが、これが2013年には10兆ドルを超え、2010年には14兆ドルへと増加する見込みだ。その対GDP比は、2010年が55.2%だが、2012年には62.1%に上昇し、その後は対GDP比での比率は落ち着くと予想している。それ以上に、純利払費の急増は著しく、2010年が1970億ドル、2015年が4920億ドル、2020年には7780億ドルに達する。この利払費の急増に歯止めを掛けるために、財政再建が必要と言うのだが、金利の前提にもよるが、そこまで金利が上昇しないと言うのであれば、利払費はもっと小さくて済むかもしれない。

ただ、一歩一歩着実に財政再建は進めていく必要がある。金利低下による利払負担の軽減は、神様からのプレゼントくらい、予備的に考えておく程度が堅実な財政運営と言えよう。

【CBO】
Federal Debt and Interest Costs
December 14, 2010
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=11999

米国連邦政府負債見通し
10億ドル    2010   2011   2012   2013   2014   2015
対民間債務  9,018  9,958  10,742  11,373  11,902  12,495
金融資産   1,014   840    950  1,046  1,132  1,217
政府純負債  8,003  9,119   9,793  10,327  10,770  11,279
対GDP比
対民間債務   62.2   65.7   68.1   68.1   67.0   67.1
政府純負債   55.2   60.2   62.1   61.8   60.6   60.5
10億ドル
利払費      413   438   463   543   637   739
基金等収入   -186   -183   -169   -174   -174   -184
他金利収入   -28   -30   -35   -42   -52   -63
純利払費     197   225   259   326   410   492

米国国債保有者別内訳
          2005年        2010年
          10億ドル  比率  10億ドル  比率
国内投資家
個人投資家     501   10.9   1,083    12.0
中央銀行      736   16.0    812    9.0
年金・退職基金   311    6.8    775     8.6
投資信託      238    5.2    603     6.7
政府部門      448    9.8    509     5.6
その他        367    8.0    977    10.8
国内合計     2,602   56.7   4,759    52.8
海外投資家
中国         306    6.7    884     9.8
日本         673   14.7    865     9.6
英国          96    2.1    459     5.1
産油国         66   1.4    231     2.6
ブラジル        28    0.6    165     1.8
その他        822   17.9   1,656    18.4
海外合計     1,990   43.3   4,259    47.2
総合計       4,592   100.0   9,018   100.0

2010年末の連邦政府債務保有者別

総額          9兆 180億ドル
 市場性債務    8兆4680億ドル
  政府短期証券  1兆 776億ドル
  中長期国債   5兆2530億ドル
  超長期国債     8460億ドル
  物価連動債     5940億ドル
 非市場性債務     5260億ドル
  貯蓄国債      1890億ドル
  州・地方債務    1930億ドル
  連邦公務員共済  1240億ドル
  その他         200億ドル


【ロイター】 
米政府の利払い負担、年間8000億ドルに拡大も=議会予算局
2010年 12月 15日 13:20 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18641420101215

(12月10日-2)ブッシュ減税延長の財政への影響

米国議会予算局が、今回オバマ大統領が野党共和党と合意したブッシュ減税などの政策効果について、財政収支へ与える影響金額の推計値を発表した。失業保険給付延長が13ヶ月、ブッシュ減税の主翼である所得税減税などが2年間の一時的延長であることから、2013年までの赤字効果が大きい。この結果、財政赤字の改善はやはり遠い先の話であると言える。

【CBO】
Cost Estimate for H.R. 4853, Tax Relief, Unemployment Insurance Reauthorization, and Job Creation Act of 2010
December 10, 2010
http://www.cbo.gov/ftpdocs/120xx/doc12020/sa4753.pdf

億ドル         11年  12年   13年  14年  15年  16年
歳入項目
減税の一時延長  -990  -1,491  -665  -158    -0   -0
代替的最小課税  -858   -676   168    0     0   0
不動産相続減税   -45   -281  -293  -35   -21  -10
投資減税      -554   -582    3  273   209  165
失業保険        0     -1    -1   -1    -1   -0
給与税引下げ   -672   -444    0    0     0    0
その他減税延長  -254   -145   -20  -14   -14  -20
歳入減少合計  -3,375 -3,620   -809   66   174  135
歳出項目    
減税の一時延長    0   383    388    0    0    0
失業保険       345   216     0    0    0    0
その他政策延長   22    11     0    0    0    0
歳出拡大合計    367   609    388    0    0    0
財政赤字増加額  3,742 4,229   1,198  -66  -174  -135
米国財政年度は、2011年が2010年10月~2011年9月など