CBOがオバマ政権の政策を前提とした財政見通しを発表した。財政見通しについては表を参考にしてほしいのだが、前回1月時点からの大きな違いとしては、財政赤字拡大がより大きくなるという将来像を描いていることだ。財政赤字対GDP比については、1月時点では2014年度からだいたい3%程度で収まってくると言う見通しであったが、今回の見通しによれば1%程度悪化した水準の4%程度にまでしか収束せず、2020年度近くになると、これが5%程度へと発散してゆく姿になっている。
行政管理予算局のOMBはこの様な見立てに対し、意見を述べているが、いずれにしても米国の財政再建も他の先進国同様に進めててゆかなければならないという状況には変わりがないだろう。
【CBO】
Preliminary Analysis of the President's Budget for 2012
March 18, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12103
【OMB】
CBO and the 2012 Budget
Posted by Jack Lew on March 18, 2011 at 02:42 PM EDT
http://www.whitehouse.gov/blog/2011/03/18/cbo-and-2012-budget
CBOの財政見通しの表
2011年1月31日月曜日
(1月26日-2)CBOの財政見通し
米議会予算局が財政見通しを発表した。2011年度の歳入は2兆2285億ドル、歳出は利払費2247億ドルを含む3兆7082億ドルとなり、財政収支は1兆4798億ドルの赤字と、今年8月時点での財政赤字見込額の1兆660億ドルから4138億ドルも赤字が膨らむ計算となっている。その大きな要因としては、昨年末に高額所得者層を含む所得税減税、いわゆるブッシュ減税の延長の決定や、失業保険の給付延長などが実行されたからである。
CBOの財政見通しは、既存の政策、満期が着たらば延長をしないという現在の政策を前提に計算された財政見通しになっている。よって、ブッシュ減税の2010年末期限を前提に試算された予想が、今回はそれが延長されたという計算前提になっているため、歳入の下方修正による財政赤字の拡大が大きくなった格好だ。
その他、今回の財政見通しについては、代替的最小課税のインフレへの影響や、特に2012年末で期限が切れる所得税や不動産相続税の影響は検討されていない。よって、これらが自動的に期限が切れるということを前提に見通しが作成されているため、これをさらに2013年から延長するとなると、年間数千億ドルの歳入減がまた起きることとなる。米国財政状況をどうやって正常化させるのか、景気回復がどれだけ財政赤字を癒すことができるのか、今後が注目だ。
【CBO】
Budget and Economic Outlook: Fiscal Years 2011 Through 2021
January 26, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12039
CBOの財政見通し
CBOの財政見通しは、既存の政策、満期が着たらば延長をしないという現在の政策を前提に計算された財政見通しになっている。よって、ブッシュ減税の2010年末期限を前提に試算された予想が、今回はそれが延長されたという計算前提になっているため、歳入の下方修正による財政赤字の拡大が大きくなった格好だ。
その他、今回の財政見通しについては、代替的最小課税のインフレへの影響や、特に2012年末で期限が切れる所得税や不動産相続税の影響は検討されていない。よって、これらが自動的に期限が切れるということを前提に見通しが作成されているため、これをさらに2013年から延長するとなると、年間数千億ドルの歳入減がまた起きることとなる。米国財政状況をどうやって正常化させるのか、景気回復がどれだけ財政赤字を癒すことができるのか、今後が注目だ。
【CBO】
Budget and Economic Outlook: Fiscal Years 2011 Through 2021
January 26, 2011
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=12039
CBOの財政見通し
2010年12月26日日曜日
(12月14日-3)CBOの米債務見通し
米国議会予算局が、政府債務に関する利払費や債務残高などの将来推計を発表した。レポートは52ページ物で長いのだが、読んでいる時間が無いので数字で終了。2010年の連邦債務保有者別内訳を見ると、国内が52.8%、海外が47.2%となっており、中央銀行や日本などの安定した投資家の保有比率が下がる一方、中国や英国の保有比率が増えている。
連邦債務の民間保有分の金額と対GDP比
利払費の金額と対GDP比
市場性債務の平均残存年限
2010年の政府純負債残高は8兆ドルだが、これが2013年には10兆ドルを超え、2010年には14兆ドルへと増加する見込みだ。その対GDP比は、2010年が55.2%だが、2012年には62.1%に上昇し、その後は対GDP比での比率は落ち着くと予想している。それ以上に、純利払費の急増は著しく、2010年が1970億ドル、2015年が4920億ドル、2020年には7780億ドルに達する。この利払費の急増に歯止めを掛けるために、財政再建が必要と言うのだが、金利の前提にもよるが、そこまで金利が上昇しないと言うのであれば、利払費はもっと小さくて済むかもしれない。
ただ、一歩一歩着実に財政再建は進めていく必要がある。金利低下による利払負担の軽減は、神様からのプレゼントくらい、予備的に考えておく程度が堅実な財政運営と言えよう。
【CBO】
Federal Debt and Interest Costs
December 14, 2010
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=11999
米国連邦政府負債見通し
10億ドル 2010 2011 2012 2013 2014 2015
対民間債務 9,018 9,958 10,742 11,373 11,902 12,495
金融資産 1,014 840 950 1,046 1,132 1,217
政府純負債 8,003 9,119 9,793 10,327 10,770 11,279
対GDP比
対民間債務 62.2 65.7 68.1 68.1 67.0 67.1
政府純負債 55.2 60.2 62.1 61.8 60.6 60.5
10億ドル
利払費 413 438 463 543 637 739
基金等収入 -186 -183 -169 -174 -174 -184
他金利収入 -28 -30 -35 -42 -52 -63
純利払費 197 225 259 326 410 492
米国国債保有者別内訳
2005年 2010年
10億ドル 比率 10億ドル 比率
国内投資家
個人投資家 501 10.9 1,083 12.0
中央銀行 736 16.0 812 9.0
年金・退職基金 311 6.8 775 8.6
投資信託 238 5.2 603 6.7
政府部門 448 9.8 509 5.6
その他 367 8.0 977 10.8
国内合計 2,602 56.7 4,759 52.8
海外投資家
中国 306 6.7 884 9.8
日本 673 14.7 865 9.6
英国 96 2.1 459 5.1
産油国 66 1.4 231 2.6
ブラジル 28 0.6 165 1.8
その他 822 17.9 1,656 18.4
海外合計 1,990 43.3 4,259 47.2
総合計 4,592 100.0 9,018 100.0
2010年末の連邦政府債務保有者別
総額 9兆 180億ドル
市場性債務 8兆4680億ドル
政府短期証券 1兆 776億ドル
中長期国債 5兆2530億ドル
超長期国債 8460億ドル
物価連動債 5940億ドル
非市場性債務 5260億ドル
貯蓄国債 1890億ドル
州・地方債務 1930億ドル
連邦公務員共済 1240億ドル
その他 200億ドル
【ロイター】
米政府の利払い負担、年間8000億ドルに拡大も=議会予算局
2010年 12月 15日 13:20 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18641420101215
連邦債務の民間保有分の金額と対GDP比
利払費の金額と対GDP比
市場性債務の平均残存年限
ただ、一歩一歩着実に財政再建は進めていく必要がある。金利低下による利払負担の軽減は、神様からのプレゼントくらい、予備的に考えておく程度が堅実な財政運営と言えよう。
【CBO】
Federal Debt and Interest Costs
December 14, 2010
http://www.cbo.gov/doc.cfm?index=11999
米国連邦政府負債見通し
10億ドル 2010 2011 2012 2013 2014 2015
対民間債務 9,018 9,958 10,742 11,373 11,902 12,495
金融資産 1,014 840 950 1,046 1,132 1,217
政府純負債 8,003 9,119 9,793 10,327 10,770 11,279
対GDP比
対民間債務 62.2 65.7 68.1 68.1 67.0 67.1
政府純負債 55.2 60.2 62.1 61.8 60.6 60.5
10億ドル
利払費 413 438 463 543 637 739
基金等収入 -186 -183 -169 -174 -174 -184
他金利収入 -28 -30 -35 -42 -52 -63
純利払費 197 225 259 326 410 492
米国国債保有者別内訳
2005年 2010年
10億ドル 比率 10億ドル 比率
国内投資家
個人投資家 501 10.9 1,083 12.0
中央銀行 736 16.0 812 9.0
年金・退職基金 311 6.8 775 8.6
投資信託 238 5.2 603 6.7
政府部門 448 9.8 509 5.6
その他 367 8.0 977 10.8
国内合計 2,602 56.7 4,759 52.8
海外投資家
中国 306 6.7 884 9.8
日本 673 14.7 865 9.6
英国 96 2.1 459 5.1
産油国 66 1.4 231 2.6
ブラジル 28 0.6 165 1.8
その他 822 17.9 1,656 18.4
海外合計 1,990 43.3 4,259 47.2
総合計 4,592 100.0 9,018 100.0
2010年末の連邦政府債務保有者別
総額 9兆 180億ドル
市場性債務 8兆4680億ドル
政府短期証券 1兆 776億ドル
中長期国債 5兆2530億ドル
超長期国債 8460億ドル
物価連動債 5940億ドル
非市場性債務 5260億ドル
貯蓄国債 1890億ドル
州・地方債務 1930億ドル
連邦公務員共済 1240億ドル
その他 200億ドル
【ロイター】
米政府の利払い負担、年間8000億ドルに拡大も=議会予算局
2010年 12月 15日 13:20 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18641420101215
(12月10日-2)ブッシュ減税延長の財政への影響
米国議会予算局が、今回オバマ大統領が野党共和党と合意したブッシュ減税などの政策効果について、財政収支へ与える影響金額の推計値を発表した。失業保険給付延長が13ヶ月、ブッシュ減税の主翼である所得税減税などが2年間の一時的延長であることから、2013年までの赤字効果が大きい。この結果、財政赤字の改善はやはり遠い先の話であると言える。
【CBO】
Cost Estimate for H.R. 4853, Tax Relief, Unemployment Insurance Reauthorization, and Job Creation Act of 2010
December 10, 2010
http://www.cbo.gov/ftpdocs/120xx/doc12020/sa4753.pdf
億ドル 11年 12年 13年 14年 15年 16年
歳入項目
減税の一時延長 -990 -1,491 -665 -158 -0 -0
代替的最小課税 -858 -676 168 0 0 0
不動産相続減税 -45 -281 -293 -35 -21 -10
投資減税 -554 -582 3 273 209 165
失業保険 0 -1 -1 -1 -1 -0
給与税引下げ -672 -444 0 0 0 0
その他減税延長 -254 -145 -20 -14 -14 -20
歳入減少合計 -3,375 -3,620 -809 66 174 135
歳出項目
減税の一時延長 0 383 388 0 0 0
失業保険 345 216 0 0 0 0
その他政策延長 22 11 0 0 0 0
歳出拡大合計 367 609 388 0 0 0
財政赤字増加額 3,742 4,229 1,198 -66 -174 -135
米国財政年度は、2011年が2010年10月~2011年9月など
【CBO】
Cost Estimate for H.R. 4853, Tax Relief, Unemployment Insurance Reauthorization, and Job Creation Act of 2010
December 10, 2010
http://www.cbo.gov/ftpdocs/120xx/doc12020/sa4753.pdf
億ドル 11年 12年 13年 14年 15年 16年
歳入項目
減税の一時延長 -990 -1,491 -665 -158 -0 -0
代替的最小課税 -858 -676 168 0 0 0
不動産相続減税 -45 -281 -293 -35 -21 -10
投資減税 -554 -582 3 273 209 165
失業保険 0 -1 -1 -1 -1 -0
給与税引下げ -672 -444 0 0 0 0
その他減税延長 -254 -145 -20 -14 -14 -20
歳入減少合計 -3,375 -3,620 -809 66 174 135
歳出項目
減税の一時延長 0 383 388 0 0 0
失業保険 345 216 0 0 0 0
その他政策延長 22 11 0 0 0 0
歳出拡大合計 367 609 388 0 0 0
財政赤字増加額 3,742 4,229 1,198 -66 -174 -135
米国財政年度は、2011年が2010年10月~2011年9月など
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